なぜ希望ナンバー「358」全国1位? 人気の1や2525等抑えたワケは? 全国で唯一の「抽選対象」はどこ?【青空と向日葵の会】

なぜ軽自動車で「358」が1位に?

 希望ナンバー制度を利用すると、自分のクルマに好きなナンバーを付けることができます。
 
 特に希望ナンバーの中でも、「358」が人気を集めていますが、一体なぜこの数字が広まったのでしょうか。

 新しくクルマを購入する際には、ナンバープレートを家族の誕生日や記念日など好きな数字にするというドライバーもいるでしょう。

 2023年2月、パーク24株式会社がドライバー向け会員制サービス「タイムズクラブ」の会員を対象におこなったアンケートでは、クルマ保有者3080人のうち、50%が希望ナンバー制度を利用していることが明らかになっています。

 さらに同アンケートによると、その番号に決めた理由は「好きな数字」が最も多く、次いで「家族の誕生日」、「記念日」、「家族などの名前の語呂合わせ」、「縁起がいい」が続きました。

 希望ナンバー制度とは、新車を購入したときやクルマの名義変更、引っ越しによる住所変更などをおこなう際に、自分の好きなナンバーを選択できる制度です。

 登録自動車と軽自動車がこの制度の対象ですが、軽自動車の事業用自動車や二輪車は対象外となっています。
 また希望ナンバーは「抽選対象希望番号」と「一般希望番号」に分けられます。

 抽選対象希望番号は特に人気が高く、抽選で当選した人のみが取得できる番号です。

 その一方、一般希望番号は希望する番号がすでに払い出されていない限り基本的に誰でも取得できます。

 なお、全国一律で抽選対象希望番号に指定されている数字は「1」、「7」、「8」、「88」、「333」、「555」、「777」、「888」、「1111」、「3333」、「5555」、「7777」、「8888」の13種類。

 これらの番号を希望する場合は必ず抽選を受けなければいけません。

 さらに全国一律ではないものの、特定の地域で抽選対象となる番号もあります。

 たとえば登録自動車の大宮、品川、大阪ナンバーなど複数の地域では、「1122(いい夫婦)」や「2525(ニコニコ)」などの語呂合わせナンバーが人気です。

 加えて、軽自動車の富士山ナンバーでは「3776」と富士山の標高をあらわす数字が抽選対象希望番号に指定されており、地域の特色がみられるケースもあります。

 そのような中、愛知県の名古屋ナンバーでは「358」という数字が全国で唯一、抽選対象希望番号に指定されています。

 実はこの「358」ナンバーに関しては、2023年に一般社団法人全国自動車標板協議会が公表した希望ナンバーの人気ランキングにおいても、軽自動車部門で第1位、登録車(5ナンバー)部門で第6位、登録車(3ナンバー)部門で第9位と高い人気を博しています。

 この「358」はぞろ目や語呂合わせなどの数字ではないにもかかわらず、一体なぜ人気を集めているのでしょうか。

 明確な理由は分かっていないものの、縁起の良い数字であることが理由のひとつとして挙げられており、風水学上では「3」が金運・発展、「5」が財運、「8」が成功運をあらわす数字と言われています。

 また、『ありがとうの神様』や『100%幸せな1%の人々』などの著書で知られるベストセラー作家・小林正観氏が、「358」を聖なる数字として紹介していたことも影響を与えているといえるでしょう。

 小林氏の著書や講演会においては、仏教の開祖である釈迦が35歳8か月で悟りを開いたことや西暦538年に仏教が日本に伝来したこと、真言宗の開祖・空海が835年に亡くなったことなど、仏教の出来事が「358」という数字に関連しているエピソードを紹介しています。

 そのほか中国の古典文学『西遊記』では僧侶の三蔵法師のお供として「沙悟浄(3)」、「悟空(5)」、「猪八戒(8)」が登場したり、江戸幕府の将軍は一般的に3代・徳川家光と5代・徳川綱吉、そして8代・徳川吉宗が有名であったりと、358にまつわる話が多いこともパワーを持つ数字と呼ばれる所以です。

 特に名古屋ナンバーでこの数字が人気なのは、自動車王国とも呼ばれる愛知県ではナンバーに強いこだわりがあり、縁起の良い数字を選ぶためと考えられています。

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 希望ナンバープレートの交付手数料は通常のものと比べて2700円程度(東京都の場合)高くなるほか、注文生産であるため交付までに4日程度の期間を要します。

 覚えやすい・縁起の良いナンバーにしたいなどの思いがあれば、希望ナンバー制度を検討してみると良いかもしれません。