「男はつらいよ お帰り 寅さん」今夜放送! あらすじ・キャストまとめ&ユーモア満載だった会見を述懐

 山田洋次監督による国民的人情喜劇「男はつらいよ」シリーズの50周年記念作「男はつらいよ お帰り 寅さん」が、本日4月6日午後6時30分からBSテレ東で放送されます。映画.comでは、あらすじ、キャスト一覧をまとめたほか、2018年に行われた製作会見で繰り広げられたユーモア満載のコメントの応酬をご紹介します。 【フォトギャラリー】撮影現場で笑みを浮かべる吉岡秀隆、後藤久美子ら「男はつらいよ」ファミリー 【概要】 1969年に第1作が劇場公開されてから50周年を迎え、97年の「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇」以来、22年ぶりに製作されました。倍賞千恵子、前田吟、吉岡秀隆らに加え、シリーズの看板俳優であり、96年に亡くなった渥美清さんも出演。さらに、歴代マドンナからは後藤久美子、浅丘ルリ子と「男はつらいよ」でおなじみのキャストが顔をそろえています。 【ストーリー】 柴又の帝釈天の参道にかつてあった団子屋「くるまや」は、現在はカフェに生まれ変わっていた。その裏手にある住居では車寅次郎の甥である満男の妻の7回忌の法事で集まった人たちが昔話に花を咲かせていた。サラリーマンから小説家に転進した満男の最新作のサイン会の行列の中に、満男の初恋の人で結婚の約束までしたイズミの姿があった。イズミに再会した満男は「会わせたい人がいる」とイズミを小さなジャズ喫茶に連れて行く。その店はかつて寅次郎の恋人だったリリーが経営する喫茶店だった。 【キャスト】 車寅次郎:渥美清 諏訪さくら:倍賞千恵子 諏訪満男:吉岡秀隆 イズミ・ブルーナ(及川泉):後藤久美子 諏訪博:前田吟 高野節子:池脇千鶴 原礼子:夏木マリ リリー:浅丘ルリ子 朱美:美保純 源公:佐藤蛾次郎 諏訪ユリ:桜田ひより 三平:北山雅康 飯田:カンニング竹山 書店の客:濱田マリ 山中:出川哲朗 ジャズ喫茶店長:松野太紀 噺家:立川志らく 窪田:小林稔侍 御前様:笹野高史 及川一男:橋爪功 ケアセンターの職員:林家たま平 早苗:富田望生 美佳子:倉島颯良 浩介:中澤準 オープニング/桑田佳祐 【製作会見は熱気ムンムン】 ●満男は“おじさん”に思いを馳せる  今作の製作会見は18年10月31日、東京・成城の東宝スタジオで行われました。主要キャストが顔を揃えたほか、歴代ヒロインの出演も発表されるとあって、この日は報道陣も各社ベテラン記者が詰めかけ、会見が始まる前から大盛況でした。  硬軟自在に演じ分ける芸達者なキャスト陣がユーモアを交えながら質疑応答に臨んでくれたこともあり、終始和やかなひと時となりました。  先陣を切ったのは、さくら役の倍賞千恵子。「50年も経ってしまったさくらでございます。またさくらに会えるとは思ってもみなかった。セットに入ってみてホッとした。台本をいただいた時には、どうなるかと思いましたから。家でセリフを声に出してみたとき、違和感があったもので。でも、セットで動き出してみたら、それなりに年を取ったさくらがいた」とニッコリ。  一方、満男に扮した吉岡秀隆は、「満男が寅さんに言われたセリフで、『困ったことがあったら、おじさんを呼べよ。いつでも飛んできてやるから』というものがあって、僕自身にとってもどんなにも救いになったことか……。今まで呼んだことなかったんだけど、今回ばかりは呼んでみた。でも、まだ来てくれない。おじさんの耳にはまだ届いていないのかなあ」と思いを馳せていました。 ●泉役の後藤久美子はオファーに「ひとつ返事で行くんだ!」  第42~45、48作の5本でマドンナを務めた後藤久美子は、スイス・ジュネーブの自宅へ山田監督から長い手紙が届いたことを告白。  「読んでいるうちに、監督のシリーズへの大きな愛情、今作への情熱をひしひしと感じました。これは、引き受ける、引き受けないなどと、私が考慮する権利はないような気がしてきました。ひとつ返事で行くんだ! と思った」  23年ぶりの銀幕復帰についても「不思議な感覚で、ほんのちょっとおいとましていて、久しぶりに戻ってきた感覚なんです」と明かし、隣に座る山田監督にほほ笑みかけていました。 ●リリーは寅次郎に未練「何で一緒にならなかったんだろう」  寅次郎が最も愛し、シリーズ史上最多となる5作品でマドンナ・リリーに息吹を注いできた浅丘は、かつての出演作すべてに目を通したそうです。  「何でリリーは一緒にならなかったんだろう? 今でも残念でならない。あんな素敵な人はいない。大好きだったのに、意地を張ってこんなことになってしまったんだろうという気持ち」と寅次郎への思いを吐露しました。  山田監督が「(寅次郎がここにいたら)『リリー、俺と所帯を持とうよ』って言うんじゃないかな」と合いの手をうつと、「本当? そうしたら、今度は逃げないわよって言います」と言い切り、報道陣を盛り上げていました。 【ついに公開! さくらが感涙】  今作の公開記念舞台挨拶は、19年12月26日に行われ、主要キャストが勢ぞろいしました。さくら役の倍賞は、「やっとでき上がって、お兄ちゃんはどこかで見ていて『さくら、よく頑張ったじゃないか』と言ってくれると思う」と感涙。そして、「ねっ、秀」と声を詰まらせながら、息子の満男役の吉岡にマイクを託しました。  吉岡は、「おじさんだったら、『バカだなあ。そんなこと公衆の面前で言うもんじゃない』と言うと思う」と苦笑。それでも、「随分、風に向かって伯父さんの名前を呼んだけれど、一向に来てくれなかった。でも、ずっと側にいて『だから50作目ができたんじゃないか』と言ってくれている気がします」と感慨深げに話していました。  今作でシリーズ最多となる6作でマドンナのリリー役を務めた浅丘は、「リリーはずっと寅さんの帰りを待って、独りでジャズ喫茶リリーをやっております。帰って来たら、奄美大島の家がまだあるから2人でゆっくり住みたいね」と、天国の渥美さんに呼びかけていました。

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コメント: 10
  • #1

    名無し (日曜日, 07 4月 2024 21:14)

    賛否はあるが満男の視点で物語が進む構成が素晴らしく寅さん入門に打ってつけだと思います。後藤久美子さんが泉役で女優復帰に胸熱でした!!一つだけ残念だったのは泉の父親役が寺尾聰さんから橋爪功さんに変わっていた事。父親の性格も変わってた。寺尾聰さんの演じた父親役は真面目で優しかった。

  • #2

    名無し (日曜日, 07 4月 2024 21:14)

    この映画観に行ったけど、みんなさすがに老けた。
    1作から観てたけど、初期の喜劇感がなくなって途中実は寂しい思いを抱いてた。まあ長年やれば、そうなるわな。
    この最終作、オープニングの歌はウーン。それでも、おいちゃんの写真が森川さんだったのが嬉しかった。ラストは泣いた。周りオジサン達、結構泣いてた。

  • #3

    名無し (日曜日, 07 4月 2024 21:15)

    「男はつらいよ」第一作から何度も見ましたがやっぱり面白いですね。でも最終回近くになると寅さん役の、渥美 清さんの体調が悪いことが映像からも分かりますね。お笑いの方、映画関係者の方第一作からみてください。

  • #4

    名無し (日曜日, 07 4月 2024 21:15)

    この映画を評価している人には申し訳ないが、「営業的には、成功かもしれないが、続編制作の必要は、無かったんじゃないか。」が偽らざる心境である。特に、満男が作家として成功してるなど、非現実的で、それ以降は話が頭に入ってこなかった。なぜに、このような結論としたのだろうか、寅さんの夢なら醒めて欲しい。

  • #5

    名無し (日曜日, 07 4月 2024 21:16)

    この映画のさくらのセリフで「お兄ちゃんが帰って来る時に空けてる部屋がある」と言ってるのを見て、「まだ寅さんは生きてる設定なのか?」なんて事を真面目に言う、とてつもなくセンスの無い人がいるよね笑
    身内や親しかった人なら亡くなってても、そういう感じの言い方するとかあるのにね。

  • #6

    名無し (日曜日, 07 4月 2024 21:16)

    50作目で終わったけど山田監督の中では 渥美清が生きていたら黒柳徹子と1話を作る予定だったらしい。生成AIの力の見せ所でぜひ監督にはシナリオを作って欲しいものだ。人生100年 寅さん一家がAIで集合てのがいいかな。

  • #7

    名無し (日曜日, 07 4月 2024 21:17)

    昭和は遠くなりましたね。
    子供の頃から見てた寅さん。
    やっぱりどこかホッとする。
    なんだか淋しくて心細くて
    涙が溢れました。
    みんないなくなり、いつかは自分の番が
    やってくるのですね。

  • #8

    名無し (日曜日, 07 4月 2024 21:18)

    私の夢、仕事もしなくて良い身分、毎日遊んで暮らせる身分、すなわち死をただ待っている日々になったら、毎夜酒を飲んだら一作づつ寅さんのDVDを見て寝る事。これが楽しみだ、それがそんなに遠くない日と思われるのは分かっているけれど。そうしたい。

  • #9

    名無し (日曜日, 07 4月 2024 21:18)

    年をとったせいか、今、寅さんの言葉一つ一つが、身にしみます。
    昭和、平成、令和と時代は変わりましたが、やはり昭和の時代が良き時代であったと、実感します。
    さよなら、寅さん

  • #10

    名無し (日曜日, 07 4月 2024)

    賛否両論あるけど、渥美さんは病魔と闘いながら精一杯寅さんを演じ、吉岡さんは「男はつらいよ」を支えようと必死で満男を演じたんだから‥。