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女性容疑者11日間「ノーブラ」、取り調べも 大阪府警対応改善へ

 大阪府警豊中署に逮捕された60代女性が、胸を覆う下着を計11日間着用できないまま留置場に収容されていたことが女性の弁護人への取材で判明した。府警は、自殺に使われる恐れがあるとしてブラジャーの着用は原則認めていないが、カップ付き肌着「ブラトップ」をTシャツ型なら認めている。府警は「説明が不十分だった」と不適切な対応を認め、改善策を講じたとしている。【安元久美子】
【図で分かる】留置場でのブラトップ着用に関するルール
 ◇警察官「重ね着で対応を」
 弁護人の松本亜土(あど)弁護士(大阪弁護士会)によると、女性は1月6日、口論の末に夫を刃物で刺したとする殺人未遂容疑で逮捕された(その後に傷害罪で起訴)。豊中署に留置された女性は、肩の部分がひも状になっているタンクトップ型のブラトップを着ていたが、警察官の指示で脱がされた。松本弁護士が7日、署にブラトップの着用を求めたところ、留置管理課の担当者から「着用できない。署内では重ね着で対応している」と断られたという。
 このため女性は8日、胸に下着を着けない「ノーブラ」の状態で男性検事の取り調べを受けざるを得なかった。その日、松本弁護士と署内で面会した女性は、腕を組んで胸を隠しながら「仕方がない。(警察は)恥ずかしい思いをさせたいんだろう」と諦めたような口調で語ったという。
 ◇弁護人「女性に羞恥心感じさせた」
 府警留置管理課によると、タンクトップ型のブラトップは、肩のひも状の部分を首つり自殺に使われる恐れがあるため、身柄拘束中の容疑者には原則使用を認めていない。ブラジャーも同様の理由で着用不可だが、Tシャツ型はこうしたリスクが低いため着用を認めているという。
 松本弁護士は府警とやり取りを重ねるなかで、こうしたルールを確認。Tシャツ型を17日に差し入れ、女性は下着を着られるようになった。一方、府警は勘違いで9日のみタンクトップ型ブラトップの着用を認めたため、下着のない状態は計11日間だった。松本弁護士は「下着を着けさせないことは女性に羞恥心を感じさせる不当な対応。憲法で保障された人格権も侵害している」と批判する。
 府警は取材に対し、今回の対応について「着用可能な下着を説明しないのは不親切であり、教えるべきだった」と釈明した。この問題を受けて、留置されている女性に対し、Tシャツ型であれば着用できることを説明し、要望があれば貸し出しや購入ができるようにしたという。こうした改善策を2月7日、大阪弁護士会にも説明した。松本弁護士は「全国の警察でも同様の対応をすべきだ」と話している。
 ◇京都府警でも問題化、警察庁が初の通知
 容疑者のブラジャー着用を巡っては、これまでも問題になっている。2023年10月に大麻取締法違反容疑で京都府警に逮捕された女性(当時19歳)が「ノーブラを強いられている」と訴え、弁護人の貴谷悠加弁護士(京都弁護士会)がタンクトップ型のブラトップを差し入れたが、許可されなかった。貴谷弁護士によると、府警に改善を申し入れて12日後にTシャツ型を差し入れたところ、一転して認められた。理由の説明はなかったという。
 警察庁は23年12月、京都府警のケースなどを受け、ブラトップの使用に関する基準を全国の警察に初めて通知。半袖Tシャツ型▽伸縮性がなく破れにくい素材▽ワイヤなどの金属類を使っていない――などの条件を示した。半袖Tシャツ型に限定したのは、肩のひもが細いキャミソール型などだとひも部分を使って自殺を図られる恐れがあるからだという。
 担当者は「容疑者の人権を尊重しつつ、適切に処遇するための基準」と説明し、具体的な対応は警察ごとの判断になるとしている。

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コメント: 15
  • #1

    名無し (金曜日, 09 2月 2024 11:39)

    自殺防止という明確な目的があるなら仕方ないんじゃないですかね。
    誰が思い詰めて自殺するかわからない以上一括して禁止するのは羞恥心を煽るためではないのは明白だと思います。

    今後ブラジャーを着用させるなら、弁護士からの要望にさせ、何かあれば弁護士の責任にする制度にすればいいんじゃないですかね。

  • #2

    名無し (金曜日, 09 2月 2024 11:40)

    単にTシャツ型のならOKという周知がなされていなかっただけでしょ。
    周知すればいいし、ブラとか禁止は自殺防止で問題ない。
    拘置所に入ったら、こういう服装までOKですって書いておいて職員にも知らせておけばいいだけ。

    自殺リスクがあってもブラは権利ですっていう議論なら同意し兼ねますね。
    自殺は犯罪ではないけれど、特別な心理状態で発生することもあるでしょうし、署内で発生すると職員含めていろんな人に迷惑がかかります。防止対策する必要はあると思います。

    いずれにしてもこの方には謝罪は必要ですね。

  • #3

    名無し (金曜日, 09 2月 2024 11:40)

    記事にある通り頑丈なものだから縛ったりできるし、ワイヤーも強度がありそこに針金なり仕込んだりもできるからな。
    まぁ徹底するならそういう場所用の安全な下着なりをつくるしかないような

  • #4

    名無し (金曜日, 09 2月 2024 11:41)

    何というか、日本もゆとりができてきたという感じがします。
    今までの日本では、容疑者への細かい人権意識なんてありえませんでしたから。
    つい最近まで、取り調べ中に何があったか誰にも分かりませんでしたしね。
    良い方向ではありますが、今回の場合は自殺防止という目的もありますので、その辺りは事前にしっかり説明をしたうえで、粛々と行っていただきたい。

  • #5

    名無し (金曜日, 09 2月 2024)

    どのような経緯で刺したのか分からないから何とも言えないが、警察に捕まった全員がブラジャー等の下着の着用を認められていないのだろうか。例えば万引きとかいわゆる軽犯罪と呼ばれるような犯罪者は着用してもいいのかな。
    夏場でTシャツ一枚などで下着が付けられなければスケスケってこと⁈
    ブラトップがダメならタンクトップもダメなのかなとか色々と気になった。
    悪いことはしてはダメですね。

  • #6

    名無し (金曜日, 09 2月 2024 11:42)

    警察は誰にも公平に対応しているとは思わない。権力ある人や自分に不利になる人は何かと優遇していると思う(なんとなくやけど)
    小っちゃな事件が起きても、名前を公表するときとしないときの違いが判らないとか、取り調べの記録が映像で残さないとか。
    誰にでも同じように扱うならいいけど、もしも相手によって対応を変えているなら良くない事。
    公開の場じゃく証拠が残らないなら人権なんて考えていないんじゃないのと思ってしまう。
    悪い立場でくれぐれも世話にならないようにしましょう。

  • #7

    名無し (金曜日, 09 2月 2024 11:43)

    いや本当に失礼な話なんだけど60の方に羞恥心を与えるために下着着用の説明をしなかったなんてことはないでしょ。
    羞恥心を与えた事実を弁護しているのはわかるけど意図的でないのもわかるでしょう。
    ブラジャーのワイヤーが自殺防止のため禁止なんてのは結構周知されているだろうし要望があっても冷たい対応していたのなら容疑者にするべき対応ではないだろうから反省点ではあるのだろうけど。
    人権を守りすぎて本懐を遂げられないと意味がないので、そこはバランスをとって透明化を進めればいいと思う。

  • #8

    名無し (金曜日, 09 2月 2024 11:43)

    推定無罪の原則はあるし、冤罪の可能性もあるし、でも…
    何というか、やっぱり犯罪者(ではまだないとしても)が権利を主張することに多大な違和感を感じてしまう。この件は自殺防止という理由があってのことなのに。
    服着ててブラしてないだけで、生存権が脅かされるの?そうじゃなければ最低限度以上を主張してることにならないかなあ。

  • #9

    名無し (金曜日, 09 2月 2024 11:44)

    女性にとっては大問題ですよね。ちゃんとTシャツ型がオッケーって知らせないと。まだ刑どころか罪も確定していない人に対して酷いと思います。日本は法治国家、罰はちゃんと裁判結果によって受けることになるのだから、それ以前に罰に相当するようなことをするのは、法治国家としてダメだと思います。

  • #10

    名無し (金曜日, 09 2月 2024 11:44)

    留置所における自殺防止ためなのだから仕方ないのではないかと思う。
    毎年何人かは留置所で自殺しており、方法も着ているシャツなど布を首にくくりつけることが多いため衣類や下着に対して神経質になるのは当然。

  • #11

    名無し (金曜日, 09 2月 2024 11:45)

    3ヶ月拘留された経験ありますが
    ブラはもちろん認められませんでした
    生理中はタンポンもダメなのでナプキンのみ
    必要な分しか手元に置いておけないので
    その都度担当さん(男性)にお願いしてました
    犯罪を犯して拘留されてるので我慢するしかなく文句も言うつもりもありませんでした
    この経験で二度と犯罪を犯すのはやめようと心に近い20年経ちました

    最近は人権が~とか色々聞きますけど
    時代が変わったんでしょうかね

  • #12

    名無し (金曜日, 09 2月 2024 11:45)

    どういう理由での留置かは知らないけど、留置されてる身分でブラジャーがないとか気になるぐらいなら、もっと気にしないといけないことがあるんじゃないかな?

    何故ダメなのか、、、
    そーいうちょっと考えたら、正解じゃないにしろ、わかることを考えようともせずにいるのが、留置されるようなことをする人に値するんじゃないかな?

  • #13

    名無し (金曜日, 09 2月 2024 11:46)

    推定無罪の原則はあるし、冤罪の可能性もあるし、でも…
    何というか、やっぱり犯罪者(ではまだないとしても)が権利を主張することに多大な違和感を感じてしまう。この件は自殺防止という理由があってのことなのに。
    服着ててブラしてないだけで、生存権が脅かされるの?そうじゃなければ最低限度以上を主張してることにならないかなあ。

  • #14

    名無し (金曜日, 09 2月 2024 11:46)

    自殺に使われる恐れがあるという合理的な理由がある。なるべく許容するということでTシャツ型などは認められているみたいだが、それが十分に周知できなかったとしてもきわめて責任は小さい。報道する必要はない。

  • #15

    名無し (金曜日, 09 2月 2024 11:47)

    容疑者の人権を尊重しつつ、適切に処遇するための基準

    別に裸じゃないんだから良いとは思うが、もう一枚着せても良かったかな。
    自殺防止なら警察の懸念も一理あるが、やはり人権の観点からは取り扱いが難しいな。
    容疑者は犯罪者ではなく「推定無罪」の原則のとおり取り扱うのが良いのではと思う。