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水戸京成百貨店の元社長、詐欺容疑で逮捕…雇用調整助成金1億3300万円をだまし取った疑い

 新型コロナウイルス禍による従業員の休業日数を水増しし、国の「雇用調整助成金」(雇調金)をだまし取ったとして、茨城県警は18日、水戸京成百貨店(水戸市)の元社長で無職斎藤貢容疑者(66)(千葉県柏市)を詐欺容疑で逮捕した。県警は元社長の指示の下、百貨店側が雇調金詐取を繰り返していたとみて調べている。

 発表によると、斎藤容疑者は百貨店の社長だった2020年8月、他の従業員らと共謀し、同年4~5月の従業員約400人分の休業日数を水増しした虚偽の申請書を茨城労働局に提出。同年10月までに雇調金計約1億3300万円を百貨店名義の口座に振り込ませて詐取した疑い。

 百貨店は昨年1月、22年8月までの約2年半にわたり雇調金など計約3億円を不正受給していたと公表。親会社の京成電鉄が内部調査を行い、不正に関与した元総務部長が「社長から指示を受けた」と主張したが、報告書では指示が確認できなかったと結論付けていた。

 一方、県警は昨年3月、百貨店や元総務部長の自宅を捜索し、従業員の勤務データやスマートフォンなどを押収。従業員らへの任意の聴取のほか、メールやSNSのやりとりを調べた結果、斎藤容疑者が不正受給を主導した疑いが強いと判断した。