私は残念ながら、妹とは正反対の、現実的な子供だったので、 絵葉書は、とりあえず意味が分からんとスルーしました。
が、その日の夜、妹の病室に行くと、妹も同じ絵葉書を持っていて、 まさにベッドの上を飛び跳ねるくらいの勢いで、喜びまくっていました。
聞くと妹は、ミッキーがハガキをくれたのだと思い込んでいました。
だって、消印がディズニーランドだ! そう言われて、初めて私もそれに気がついたのです。
当時、私たちが住んでいたのは、 ディズニーに日帰りで行けない、地方の田舎です。
差出人に思い当たる人物はいませんでした。
不審に思いながらも、妹のあまりの喜びように押され、 私もハガキはミッキーがくれたのだと少しだけ信じました。
あれは、当時新米だったある看護師さん達がくれたのだと、 十数年経ったつい最近、知りました。
何でも出身の学校がディズニーの近くらしく、 妹のふさぎ込む様子に、お友達と連絡を取り合って 送ってくれたそうです。
妹はその後、元気になったらミッキーに会える、 と明るく療養生活を送りました。
また私も、両親が妹にかかりっきりな中で、 毎日、しっかりしなきゃ、…大人にならなきゃと思っていたのですが、 しばらく子供らしい、いい夢を見させていただきました。
あの時の新米看護師さん達、 本当にありがとうございました。
来月初めて、家族でディズニーに行きます。
懐かしい思い出として、うっかり口を滑らせた母は慌てていましたが、 私は謎が解けると同時に、心底感謝しました。
妹には、この先も差出人の正体は言いません。
私にまで気遣ってくれた看護師さん達、 今更だけど、本当にありがとうございました。
参考:2チャンネル「感動する話」より
コメントをお書きください