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ミッキーが絵葉書をくれたんです【青空と向日葵の会】

【ミッキーが絵葉書をくれたんです】
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妹が八歳の時、夏休みにディズニーに行く計画が立てられました。
でも妹は、直前の検査で入院が決まってしまい、
計画は白紙になりました。
もともと妹は、入退院を繰り返していたため、
家族はすぐにあきらめがついたのですが、
妹にとっては、初めての家族旅行ということもあり、
なかなか立ち直れず、大分ふさぎ込んでいました。
そんなある日、絵葉書が一通自宅に届きました。
それは私宛で、差出人の名前はなく、ひと言だけ
「いつかきっとミッキーに会えるよ」
というようなことが書いてありました。
いったい誰からのハガキなんだろう?

は残念ながら、妹とは正反対の、現実的な子供だったので、 絵葉書は、とりあえず意味が分からんとスルーしました。

が、その日の夜、妹の病室に行くと、妹も同じ絵葉書を持っていて、 まさにベッドの上を飛び跳ねるくらいの勢いで、喜びまくっていました。

聞くと妹は、ミッキーがハガキをくれたのだと思い込んでいました。

だって、消印がディズニーランドだ! そう言われて、初めて私もそれに気がついたのです。

当時、私たちが住んでいたのは、 ディズニーに日帰りで行けない、地方の田舎です。

差出人に思い当たる人物はいませんでした。

不審に思いながらも、妹のあまりの喜びように押され、 私もハガキはミッキーがくれたのだと少しだけ信じました。

あれは、当時新米だったある看護師さん達がくれたのだと、 十数年経ったつい最近、知りました。

何でも出身の学校がディズニーの近くらしく、 妹のふさぎ込む様子に、お友達と連絡を取り合って 送ってくれたそうです。

妹はその後、元気になったらミッキーに会える、 と明るく療養生活を送りました。

また私も、両親が妹にかかりっきりな中で、 毎日、しっかりしなきゃ、…大人にならなきゃと思っていたのですが、 しばらく子供らしい、いい夢を見させていただきました。

あの時の新米看護師さん達、 本当にありがとうございました。

来月初めて、家族でディズニーに行きます。

懐かしい思い出として、うっかり口を滑らせた母は慌てていましたが、 私は謎が解けると同時に、心底感謝しました。

妹には、この先も差出人の正体は言いません。

私にまで気遣ってくれた看護師さん達、 今更だけど、本当にありがとうございました。

 

参考:2チャンネル「感動する話」より