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内装まるで高級クラブ…県庁の至近に「接待用マンション」確保か 北千葉道路汚職で逮捕の竹内建設社長

 千葉県発注の道路工事を巡る汚職事件で、贈賄容疑で逮捕された印西市の「竹内建設」社長、竹内一雅容疑者(51)=千葉市中央区=が、同区市場町2に個人で所有するマンションの一室を改装し、接待用の空間として使用していた疑いがあることが、捜査関係者への取材で分かった。(吉田拓海、小川直人)

 同容疑者とともに、県警は11日、収賄容疑で逮捕された県北千葉道路建設事務所長の白藤徹容疑者(54)=千葉市緑区=を送検した。白藤容疑者は、2023年4~10月ごろ、竹内容疑者から複数回に分けて、現金計20万円や総額40万円相当のコンパニオンによる接待を受けたとされる。
 マンションは、県庁から直線距離で約60メートルの場所にあり、地上13階建て。竹内容疑者は、自宅とは別に高級クラブのような内装の1室を所有し、大型のソファやテーブルを設置していたという。県警は、この部屋で接待を繰り返していたとみている。
 また、竹内建設が受注した成田市馬場の北千葉道路の関連工事の入札では、県の工事価格の基準となる「調査基準価格」の最低基準をわずか約1万円上回る1億1101万2000円で応札し、落札していた。県警は、白藤容疑者が入札情報を漏えいした可能性もあるとみて調べている。

◆背景や課題検証 第三者委設置へ 知事、会食の自粛指示

 県北千葉道路建設を巡る贈収賄事件を受け、熊谷俊人知事は11日の定例会見で、外部有識者による第三者委員会を近く立ち上げて事件の背景や課題の検証を実施すると発表した。公共工事の発注が多い部局に利害関係者との会食の自粛を指示したことも明かした。
 第三者委員会は、2017年度の官製談合防止法違反事件を契機に制定された県職員倫理条例を基にした過去の再発防止の取り組みも検証する。同条例では、職員が利害関係のある事業者から金銭、物品、供応接待を受けることを禁止する他、ともに飲食する場合は届け出る制度などを定める。
 熊谷知事は「対策を強化する」と明言。北千葉道路建設について「県民や経済界が期待する重要な道路で整備に遅れがあってはならない。体制を立て直して工事は着実に進める」と強調した。

北千葉道路汚職 竹内建設、千葉県工事を4年で55億円受注 価格は2番目だったが技術点で評価と説明

 「千葉県民の期待が大きい事業で不正があり、大変申し訳ない」。県北千葉道路建設事務所長の白藤徹容疑者(54)が収賄容疑で逮捕されたことを受け、千葉県土整備部の池口正晃部長は10日、記者会見で謝罪した。
 県によると、白藤容疑者は1992年に土木の技術職員として入庁し、昨年4月に県北千葉道路建設事務所長に。勤務態度に問題はなかったが、県は10月末、白藤容疑者から「警察に呼ばれている。迷惑をかけて申し訳ない」と報告を受け事態を把握した。
 県警は白藤容疑者が竹内建設(印西市)に対し、道路工事入札で便宜を図ったとみている。同社は2023年7月、成田市道を北千葉道路の下に通す工事を約1億1100万円で落札。価格以外も考慮する「総合評価方式」で実施され、応札が有効だった3社のうち2番目に安い金額だったものの、技術点が高く評価されたという。
 同社は、同事務所が2023年度に発注したほかの3件にも応札したが、落札には至らなかった。県の発注工事では、少なくとも19年以降の4年間で計約55億円受注しているという。県は10日付で同社を12カ月の指名停止とした。
 県は17年11月に県土整備部職員が官製談合防止法違反で逮捕されたことを受け、県職員倫理条例を制定している。熊谷俊人知事は「県民の皆さまに大変申し訳なく思う」とコメントした。(吉田拓海、加藤豊大)

40万円相当のコンパニオンによる接待+現金20万円で便宜図ったか 北千葉道路建設事務所長らを逮捕

 千葉県発注の道路工事入札で、建設会社に便宜を図る見返りに60万円相当を受け取ったとして、千葉県警は10日、収賄の疑いで、県北千葉道路建設事務所(成田市)所長の白藤徹容疑者(54)=千葉市緑区=を逮捕した。贈賄の疑いで、印西市の「竹内建設」社長竹内一雅容疑者(51)=千葉市中央区=も逮捕。県警は2人の認否を明らかにしていない。
 白藤容疑者の逮捕容疑は2023年4~10月ごろ、入札情報を漏らした謝礼として、竹内容疑者から複数回に分けて現金計20万円を受け取ったとされる。また、竹内容疑者が所有する千葉市中央区市場町のマンションの一室で、40万円相当のコンパニオンによる接待を受けたとされる。
 県警によると、白藤容疑者は入札や契約に関する事務を統括する立場だった。23年7月25日に入札を実施した成田市の国道464号の工事に際し、竹内容疑者に便宜を図った疑いが持たれている。