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【六代目山口組の餅つきに密着】参加者は「PCR検査必須」、会場はさながら高級ブランドのファッションショー、高山若頭は50万超のフランス製ダウンジャケット

年の暮れも迫った2023年12月28日。分裂抗争中の六代目山口組が恒例の餅つきを行なった。会場からは「よいしょ!よいしょ!」と明るい声こそ響くものの、警察が鋭い視線でカメラを回し、組員も神経を尖らせる緊張した雰囲気だった。

 餅つきが行なわれたのは愛知県瀬戸市にある六代目山口組傘下組織の瀬戸一家本部。以前は神戸市の六代目山口組総本部で行なわれていたが、暴対法による特定抗争指定により総本部に立ち入りができなくなってからは指定区域外にある傘下組織施設で組の行事を行なっている。12月13日に行なわれた納会も静岡県内の傘下組織が会場になっていた。

 朝7時20分、瀬戸一家本部のシャッター前に着くとすでに警察関係者が7~8名ほど鋭い視線を送っていた。シャッターは半開きで中の様子が窺え、テントが複数張られ、紅白幕が会場を囲うように張られているのが確認できた。

 7時40分、六代目山口組の森尾卯太男本部長(大同会会長)が組員2人を引き連れ、姿を現わした。抗争中ゆえシャッター前まで車で来ると思われたが、森尾本部長は会場近くで車を降りたようで、会場前の道路20メートルほどをゆっくりと歩いて会場に入った。

「本部長は組長、若頭の次でナンバー3の立場です。それほどの立場の幹部が分裂抗争中に堂々と道を歩くというのは普通なら考えられませんが、六代目山口組からすれば“すでに分裂抗争には決着がついた”と考えている表れではないか。しかし、2023年4月に六代目山口組の三次団体の組長が、自身が経営するラーメン店で射殺されるという事件も起きている。犯人は逮捕されていませんが、分裂抗争中の敵対組織幹部の犯行とも言われている以上、危険な状況は続いていると思うのですが……」(地元テレビ局記者)

 本来、暴力団は組の行事ではスーツにネクタイといった装いが求められる。しかし、餅つきでは私服が許可されているため、普段とは違った印象を受ける。

「直参組長らの私服は警察やマスコミの間でも関心が高い。司忍組長は海外の高級ブランドを愛用していると言われていて、過去の餅つきでは警察関係者たちが“今年は司組長、グッチだったな”と話していました」(週刊誌記者)

 その後、8時30分過ぎまでに幹部が相次いで会場入りしたが、直参組長、組員らの服装は目立っていた。司組長、高山清司若頭の出身母体である弘道会の竹内照明会長は50万円超のルイ・ヴィトンの新作ダウン、同じく弘道会の野内正博若頭はモンクレールの高級ダウンだった。モンクレールは人気のようで津田力若頭補佐(倉本組組長)など複数の直参組長、組員が愛用。動きやすさを優先したナイキなどのスポーツブランドのスウェットに身を包んだ直参組長もいたが、記者が確認できただけでもバーバリー、フェンディ、バレンシアガ、シュプリーム、フラグメントデザインなどハイブランドが多くを占めていた。

 また、会場に到着した直参組長や組員は封筒や書類を手にしていた。参加者の名簿か、新年の挨拶を記した紙かと思いきや、新型コロナのPCR検査結果だという。

「参加者は全員、直前にPCR検査の受診を義務づけられていて、検査結果を持参する必要がある。マスクの着用こそ各自の自由ですが、会場でのアルコール消毒も徹底させていた。幹部陣は健康に気をつけているとはいえ、司組長は81歳、高山若頭も76歳。万が一があってはいけない。六代目山口組にとって警戒するのは“見える敵”もさりながら、“見えない敵”ということでしょう」(前出・週刊誌記者)

 シャッターは基本、半開きになっていて、下の隙間から組員らが準備のためにせわしなく出入りしている様子がわかる。宴会で使うであろう食材や器材を抱えていて、確認できただけでもみかん、お茶のティーパック、食器、弁当、なかには551の豚まんの袋を抱えた組員もいた。

 8時40分頃にシャッターが全開されると、若頭補佐ら幹部がずらっと一列に並んでいた。8時51分に高級車がシャッター前に到着し、幹部陣の「おはようございます」の声とともに降りてきたのが高山若頭だ。総勢40名近くの警察、マスコミが車を取り囲み一斉にシャッターを切るが、ベルルッティの黒いダウンに身を包んだ高山若頭は意にも介さず、会場入りした。フランスの超高級ブランドであるベルルッティは、100万円超のダウンも珍しくない。高山若頭の着ていたモデルは分からなかったが、最低でも50万円は超えているとみられている。