イニエスタ選手のユニフォームの下のアンダーシャツ。
それには、こんなメッセージが記されていました。
「ダニ・ハルケは永遠に我らとともに」
ダニエル・ハルケは、U-21スペイン代表にも選ばれ、 招来を期待されていたサッカー選手でした。
しかし、遠征中に26歳の若さで、 心臓発作により急死してしまいます。
彼らは別々のチームでしのぎを削り合うライバルであり、 しかし、ピッチを出れば大の親友だったのです。
ふたりはユース代表時代のチームメイトで、 家族ぐるみの付き合いもありました。
ライバルチームで急成長を見せていたハルケが、 A代表入りも間近と言われており、 イニエスタはいつかハルケと共に、 代表のユニフォームを着てプレーするのが夢でした。
そんなイニエスタ選手、 違反を承知の上で、亡き友人に ゴールパフォーマンスを捧げたのです。
ハードな決勝戦であったにもかかわらず、 イニエスタ選手はゴール後に警告を受けるまで、 ラフプレーを控えていました。
イエローカードを1試合で2枚受けると退場になってしまいます。
それは、ゴールを決めた後にユニフォームで警告を受けても、 チームに迷惑をかけないようにするためだったのです。
決勝戦から4か月後、イニエスタ選手はアンダーシャツを、 ハルケが所属していたクラブチーム「エスパニョール」に寄贈しました。
現在はエスパニョールのホームに展示されています。
寄贈したときのイニエスタ選手の談話です。 「このシャツはここにあるべきものだ。 あの得点と共に、ハルケも人々の心に ずっと残り続けるだろう」
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