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「どうする家康」浅井三姉妹集合に歓喜から悲しみへ

第47回「乱世の亡霊」より初(鈴木杏)、江(マイコ) - (C)NHK

 10日に放送された松本潤主演の大河ドラマ「どうする家康」(毎週日曜夜8時~NHK総合ほか)第47回で茶々(北川景子)、初(鈴木杏)、江(マイコ)の浅井三姉妹集合場面に沸き立つも、その後の哀しい展開から心痛の声に変わった(※ネタバレあり。第47回の詳細に触れています)。

【画像】浅井三姉妹集合シーン

 第47回「乱世の亡霊」では徳川と豊臣の「大坂・冬の陣」が和睦により終結。しかし、真田信繁(日向亘)をはじめとする乱世に固執する荒武者たちが絶えず、家康は豊臣を亡ぼさない限りは平和は訪れないと悟る。一方、引くか、引くまいか葛藤する茶々の、家康に対する知られざる思いが浮かび上がっていく。

 秀吉の正室・寧々(和久井映見)は、茶々は「心の中は揺れ動いているのではないか」と言い、親の仇にめとられ、その子を産み、家を乗っ取り、天下を取り戻そうとする茶々の想像を絶する苦しみに思いを馳せた。江いわく、家康はかつて茶々の「あこがれの君」だった。家康が「本能寺の変」ののち明智光秀(酒向芳)に命を狙われ逃れていた際、茶々は一心に家康の無事を願い、家康が「信じる者を決して裏切らず、わが身の危険も顧みず、人を助け世に尽くす」者だと信じていたという。しかし、母・お市(北川景子、一人二役)が助けを求めた時、家康が裏切ったことから、あこがれは憎しみに変わることとなった。

母・江に千姫(原菜乃華)は…

 茶々の家康への愛憎が明かされていくなかで、江は家康が茶々にしたためた手紙を手に、初と共に茶々のもとへ。浅井長政(大貫勇輔)とお市の三姉妹が集合する喜ばしい場となるはずが、初と江が姉・茶々に引くよう説得する緊迫に満ちた場面に。さらに、江は愛しい娘の千姫(原菜乃華)と久々の再会を果たすもあまりに哀しい結末に。家康と自身からの土産を贈り「豊臣と徳川、両家をとりもって秀頼さまとよう話し合い…」と激励しようとするも、千姫は表情を硬くし「母上、千は豊臣の妻にございます。お達者で」と土産を突き返し、これには秀頼(HiHi Jets作間龍斗)や茶々も驚きの表情を浮かべていた。

 かつて豊臣に嫁ぐのを嫌がるほど祖父・家康を慕っていた千姫の変貌。その残酷な展開に、娘の拒絶にうちひしがれる江への同情も寄せられたが、前話では家康が大坂城に大筒を向け茶々や千姫の命をも危うくしたことから「これは仕方ないよな」「そりゃそうなるわ」「恨むよそりゃ」「覚悟が決まってしまった千姫」と千姫への共感が多くみられた。

 ラストは初、江、家康の願いもむなしく、母・茶々に選択を託された“乱世が生み出した最後の化け物”秀頼が“覚醒”する場面で幕を閉じ、家康がつぶやいた「乱世の亡霊」や大野治長(玉山鉄二)の母・大蔵卿局役でサプライズ出演した「大竹しのぶ」のほか「茶々さま」「憧れの君」などのワードがXのトレンドにランクインした。(編集部・石井百合子)

「どうする家康」最終回で“本当の家康”が明らかに 演出・村橋直樹「難しかった」

最終回「神の君へ」より - (C)NHK

 松本潤が徳川家康役で主演を務める大河ドラマ「どうする家康」(毎週日曜夜8時~NHK総合ほか)が17日に最終回を迎える。本エピソードの演出を務めた村橋直樹が、放送を前に「1年間の総決算」となる最終回に臨んだ心境を語った。

【画像】最終回タイトルは「神の君へ」 場面写真<7枚>

 『コンフィデンスマンJP』シリーズなどの古沢良太が、三河の田舎大名だった家康がのちに徳川幕府を開き、乱世に終止符を打つまでを等身大の目線で描いた本作。当初から貫いていたコンセプトが、家康を偉人ではなく弱き白ウサギという「個」として描くこと。最終回「神の君へ」では、秀吉(ムロツヨシ)の側室で本作の“ラスボス”となる茶々(北川景子)とその息子・秀頼(HiHi Jets作間龍斗)を相手にした「大坂の陣」という最後の戦を経た、家康の行く末が描かれる。

 最終回の撮影を終えた心境を問うと、「最終回、難しかったなあ……と」と率直な胸の内を明かす村橋監督。そもそも最終回の演出を担当するのはどんな気持ちなのか。

 「1年間やってきたものの総決算にあたるわけで、幸せなことではありますけど、プレッシャーも大きいですね。基本的には大河ドラマって主人公が亡くなるところまでを追うもので、長い時代の中で多くの死を描いていくわけです。特に終盤は家康の家臣たちが次々に亡くなっていきましたが、最終回ではある意味で役者さん全員の“最後”を描くことになる。視聴者の方々は家康をはじめそれぞれの各キャラクターへの思い入れがあるので、納得していただけるように描くのは本当に難しいなと」

 なおかつ、本作が最終回を観ない限り完結しない展開になっているところにも身構えたという。「大河ドラマの多くは、最終回前にほぼテーマ的なことは描き切っていて、最終回は例えばツール・ド・フランスの最終日に戦いを終えた選手たちがシャンゼリゼを走るイベントのような展開になることが多いですが、今回は違って。僕らは1年をかけて家康の本当の姿みたいなものを描いてきた。いわゆる狸おやじでもなければ、神でもなく、弱き白ウサギだったのかもしれない……と。それは第47回の時点ではたどりついていないんです。第48回まで行ってようやく描けたことなのでそういう意味でもプレッシャーがかかるというか。これまで“家康公らしくない”あるいは“史実はこうだ”といったご批判、ご意見を受けながら描いてきた、僕らの思う本当の家康は最後まで行かないと見えないので、心の底から最終回まで観ていただきたいと思っています」

 脚本家の古沢は本作で描いた家康について「ここまで可哀そうな人になるとは思っていなかった」と話していたが、“本当の家康”とはいったい何なのか。

 「僕らはよく家康を神君だとか、偉大な人物だとか言う。人生で最高の時はいつだったのかと考えると、関ヶ原の戦い、あるいは大坂・夏の陣を終えたあとだとか、戦いに勝利した、天下をとった瞬間がマックスだと簡単に言ってしまう。世ではそういうふうにイメージが形成され、歴史書なども作られてきたかもしれませんが、本当にそれが家康の全てだったのだろうかと。最終回まで見守ってくださる視聴者の方には、それを感じて頂けるのかなと思っています」

 最後の戦を終え、悲願だった安寧の世を築いた家康はいかに人生の幕を閉じるのか。最後にどんな表情を見せるのか。(取材・文:編集部・石井百合子)

「どうする家康」最終回放送日に関連番組一挙!松本潤の1年5か月に密着する舞台裏SPも

大河ドラマ舞台裏スペシャル もうひとつの“どうする家康”より - (C)NHK

 大河ドラマ「どうする家康」の12月17日・最終回放送日に、先ごろ行われたファン感謝祭(59分版)や、作品の舞台裏に迫る関連番組がNHK総合で一挙に放送される。

【画像】「どうする家康」ファン感謝祭に殿&家臣団集結!

 17日午前0:40から1:39 まで(16日深夜)、大河ドラマ「どうする家康」ファン感謝祭~「皆のおかげじゃ!」~Vol.2を放送。11月27日、NHKホールで行われた同イベントに、徳川家康役の主演・松本潤をはじめ大森南朋(酒井忠次役)、山田裕貴(本多忠勝役)、杉野遥亮(榊原康政役)ら徳川家臣団キャスト陣が集結。音楽担当・稲本響とNHK交響楽団の生演奏も実現。さらに、豊臣夫婦を熱演したムロツヨシ北川景子もサプライズで参加して盛り上げた。

 午前1:40から2:25まで(16日深夜)は 「どうする家康 大河たび」総集編スペシャル。ドラマのキャストたちが、ゆかりの地を巡る旅番組として4月から放送してきた「大河たび」。今回は、主演の松本を始め、松嶋菜々子細田佳央太板垣李光人広瀬アリス小手伸也、大森南朋、山田裕貴らの旅を一挙にまとめて放送。ナレーションは、ドラマで五徳を演じた久保史緒里乃木坂46)。なお、10日午後5:30~5:59まで、Vol.1(29分版)を放送。

 午後5:00から5:59までは「大河ドラマ舞台裏スペシャル もうひとつの“どうする家康”」。名シーンの舞台裏や、出演者たちが語る秘話、そして主演・松本が明かした葛藤と、問い続けた今の時代に徳川家康を演じる意味、たどり着いたひとつの答え。役づくりの1年5か月に密着する。

  午後9:15から 10:04まではNHK スペシャル「家康の世界地図 ~知られざるニッポン“開国”の夢~」。最新の歴史研究で明らかになってきた家康の知られざる一面に迫る。家康が開いた江戸幕府は200年以上“鎖国”したが、晩年の家康が抱いていた日本の将来像は、それとは全く異なるものだった。日本を開き、広く世界の国々と自由貿易を行い、グローバルな国を目指すという壮大な構想だ。番組では、外交顧問ウィリアム・アダムス(三浦按針)とのドラマを交え、“国際派・家康”の意外な実像を描き出す。出演はウエンツ瑛士(ウィリアム・アダムス役)、 語りは守本奈実アナウンサー。

 なお、午前4:00台から、R1・FMで放送中の出演者やスタッフが制作チームのこだわりを紹介する「ラジオ深夜便 もっと、どうする家康」に松本潤が出演。案内役は“えびすくい”などの芸能シーンに携わる、芸能指導の友吉鶴心。(編集部・石井百合子)

「どうする家康」ファン感謝祭に殿&家臣団集結!2,844人を前に裏話トーク

松本潤(徳川家康役)、大森南朋(酒井忠次役)、山田裕貴(本多忠勝役)、杉野遥亮(榊原康政役)、板垣李光人(井伊直政役)、音尾琢真(鳥居元忠役)、木村昴(渡辺守綱役)、松本若菜(阿茶局役)、松山ケンイチ(本多正信役)、北川景子(お市/茶々)、ムロツヨシ(豊臣秀吉役)、小手伸也(大久保忠世役※MC)

【どうする家康・最終回】15分拡大版!非情な決断を下す

最終回「神の君へ」より - (C) NHK

 大河ドラマ「どうする家康」(日曜、NHK総合・午後8時~ほか)の最終回(第48回)「神の君へ」が、17日に15分拡大版で放送される。

【画像】家康の首を…最終回(6枚)

 「どうする家康」は、「コンフィデンスマンJP」シリーズなどの古沢良太が脚本を手掛け、新たな視点で徳川家康の生涯を描く大河ドラマ第62作。大河ドラマ初出演にして主演を務める松本潤が家康を演じる。語りは寺島しのぶ。(清水一)

<最終回「神の君へ」あらすじ>
家康(松本潤)は豊臣との決戦に踏み切り、乱世を終える覚悟で自ら前線に立った。家康の首をめがけ、真田信繁(日向亘)らは攻め込む。徳川優勢で進む中、千姫(原菜乃華)は茶々(北川景子)と秀頼(作間龍斗)の助命を訴えた。だが家康が下した決断は非情なものだった。  
翌年、江戸は活気に満ちあふれ、僧・南光坊天海は家康の偉業を称え、福(のち春日局)(寺島しのぶ)は竹千代に“神の君”の逸話を語る。そんな中、家康は突然の病に倒れる。

松本潤、瀬名との別れは「ずっと引きずっていた」 「どうする家康」ファン感謝祭、当選倍率25.2倍

松本潤

 松本潤が27日、NHKホールで行われた大河ドラマ「どうする家康」ファン感謝祭に出席。「ファンが選んだもう一度見たいあのシーンベスト10」で「瀬名の最期」が1位に選ばれたことに、松本は「あの後、とにかく引きずった」と自身にとっても大きなシーンだったことを明かした。イベントには大森南朋(酒井忠次役)、山田裕貴(本多忠勝役)、杉野遥亮(榊原康政役)、板垣李光人(井伊直政役)、音尾琢真(鳥居元忠役)、木村昴(渡辺守綱役)、松本若菜(阿茶局役)、松山ケンイチ(本多正信役)のほか、サプライズゲストとしてムロツヨシ(豊臣秀吉役)、北川景子(お市/茶々役)も登壇。大久保忠世役の小手伸也がMCとして参加した。イベントの来場人数は2,844名。応募数38,701件、当選倍率25.2倍だった。

【画像】殿&家臣団集結!2,844人を前に裏話トーク

 本作は、『コンフィデンスマンJP』シリーズなどの古沢良太が、三河の田舎大名だった徳川家康が、さまざまな困難のなか、葛藤しながらも天下統一を果たしていく姿を描いたオリジナルストーリー。松本が徳川家康を演じ、個性豊かな“徳川家臣団”たちとの絆をコミカルかつハートフルに描いたことでも話題を呼んだ。

 イベントの企画として「ファンが選んだもう一度見たいあのシーンベスト10」が発表。「家康と(石田)三成の天体観測」や「小牧長久手 四天王」など印象的なシーンが順位に入るなか、1位に輝いたのは、有村架純演じる家康の正室・瀬名を巡る「瀬名の最期」。織田信長(岡田准一)との関係から、妻である瀬名、息子・信康(細田佳央太)を自害に追いやらざるを得なくなった悲しいシーンだ。

 松本は「ちょうど25話から26話。物語としても転換期で、芝居の質が変わったシーン」と、演じるうえでもターニングポイントになったシーンだったことを明かすと「ビジュアル的にも、あの後から中剃りになるところで準備のために撮影が1週間空いたのですが、ずっと引きずっていました。家康公に起きたことだったのですが、自分自身にもかなりのダメージだった」と振り返る。

 さらに松本は「今回の作品を描く上で、一番アレンジが加わりオリジナリティが溢れているところが、瀬名をどう描くかということ」と述べると「古沢さんの瀬名の解釈によって、僕が演じる家康が最後に何をなすのか、どうやって戦国の世を生きていくのか影響されている」と物語のラストまで影響するシーンだったことを明かしていた。

 このシーンに立ち合った音尾は「現場で見ていても悲しい時間。ずっと見て泣いていました。二人とも素晴らしかった」と語ると、小手も「あのシーンは本当にくらったよね」と同調。

 松本は「家康は最後まで瀬名と信康のことを思い続けていたんだと思う」とつぶやくと、「家康はどんどん家臣団が離脱し孤独になっていきますが、最後彼は何を考えていたんだろうと思うと、家族はもちろん、いまは亡き家臣、武将など、そういう人たちに褒められたかったのかなと思いながらお芝居していました」と役への解釈を述べていた。

 最後に松本は、「僕にとってこの作品は、生涯忘れることのない時間になりました」とあいさつすると「今後とも表現を突き詰めていきたいです」と力強く俳優業への思いを語っていた。(磯部正和)

「どうする家康」総集編、12月29日放送

総集編放送決定! - (C)NHK

 松本潤主演の大河ドラマ「どうする家康」の総集編が12月29日にNHK総合、BSP4Kで放送されることが決定した。

【画像】ファン感謝祭で発表された名場面1位

 『コンフィデンスマンJP』などの古沢良太が三河の田舎大名だった家康がのちに江戸幕府を開き、乱世に終止符を打つさまを等身大で描く本作。総集編は、4章の構成で放送。第1章は午後1:05~2:14、第2章は午後2:14~3:24、第3章は午後3:29~4:39、第4章は午後4:39~5:49。

 第1章では駿府で平穏に過ごしていた松平元康(松本)が桶狭間の戦いを機に乱世の荒波にのみ込まれていくまで。第2章では家康、織田信長(岡田准一)VS武田信玄(阿部寛)の戦い、そして家康の妻・瀬名(有村架純)を巡る悲劇。第3章では信長が本能寺で討たれ、天下統一を果たした秀吉(ムロツヨシ)の時代。第4章では江戸に幕府を開いた家康が、秀吉の側室・茶々(北川景子)、その息子・秀頼(作間龍斗)との戦いになだれ込んでいくさまが描かれる。(編集部・石井百合子)