まず「海外旅行に一緒に連れて行く」という人が現われ、 さらに復興を支援する団体が手を上げてくれたのです。
NPO法人「ガーネット宮城」(宮城県村田町)が、 「お任せください」と窓口役を買って出たのです。
それから1年。
ふたりの人形が旅したのは、タイやフランス、米国など 20の国・地域に上ります。
協力を申し出た人々が行く先々で、 まるで人形が観光を楽しんでいるかのような 写真を撮ってくれたのです。
2016年の4月には、 サッカーJ1の強豪浦和レッズが手を差し伸べました。
人形は浦和レッズに引き継がれて、 オーストラリアのシドニーへ、 選手とともに旅立ち、観客席で試合を観戦しました。
写真のように本田圭佑選手も、 このプロジェクトに賛同してくれました。
また11月には、支援者の仲介で、 珠莉ちゃん本人がフィンランドのサンタクロース村を訪問。
「あっちを見てごらん」。
サンタが指さした先には、 ふたりの人形が飾られていました。
人形と一緒に旅をしたとサンタに告げられると、 珠莉ちゃんははにかみました。
「サンタクロース村はたくさん雪が降っていたよ。 雪でたくさんお姉ちゃんと遊んだことを思い出したよ。 お姉ちゃん、大好き」。 旅行後、姉に宛てた珠莉ちゃんの手紙には、 こう記されていたのでした。
多くの人が協力した人形の写真アルバムは、 クリスマスイブの12月24日朝、 サンタからの贈り物として珠莉ちゃんに届けられました。
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