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国内 【速報】“私人逮捕系ユーチューバー”「煉獄コロアキ」本名・杉田一明容疑者(40)を名誉棄損容疑で逮捕 女性にチケット転売の言いがかりつけ動画投稿

“私人逮捕系YouTuber”として活動する男が女性に対し「チケットの転売をしていた」と言いがかりをつける動画をネットに投稿し、名誉を傷つけたとして逮捕されたことがわかりました。

捜査関係者によりますと、名誉毀損の疑いで逮捕されたのは、“私人逮捕系YouTuber”と呼ばれ「煉獄コロアキ」の名前で活動する東京・武蔵野市の杉田一明容疑者(40)です。

警視庁はきょう午前、神奈川県内にいた杉田容疑者に任意で同行を求め、その後、逮捕。関係先にも家宅捜索を行い、スマートフォンなどを押収しました。

杉田容疑者は今年9月、帝国劇場にいた10代の女性に対し「チケットの転売をした」と言いがかりをつけて詰め寄る様子を撮影して、「転売ヤー」「パパ活女子」「8万円返せ」などの文言とともに動画をYouTubeに投稿し、女性の名誉を傷つけた疑いがもたれています。

捜査関係者によりますと、警視庁は女性がチケットを転売した事実は確認できていないということです。

杉田容疑者は別の女性にも同様の言いがかりをつけ、追いかけてタクシーから引きずり下ろそうとするなど、行き過ぎた行為に批判が集まっていました。

杉田容疑者はこのほかにも、買春をしていた可能性のある男性らを撮影してYouTubeなどに投稿。

一連の動画を注視してきた浦川祐輔弁護士は「私人逮捕は警察官を呼んでいる余裕がない場合に警察官の代わりとして例外的に認められているが、警察官もやらないような危険なことをやっている」と指摘。

「杉田容疑者だけではなく、後から参入したYouTuberは二番煎じなので、閲覧数稼ぐために激しいことをやっている」と、今後、動画の内容が過激化していくことを危惧しています。

杉田容疑者にあらぬ疑いをかけられ、撮影された女性がJNNの取材に応じました。女性は、動画を見て女性が違法行為をしたと信じ込んだ人物から中傷の書き込みをされたといいます。

女性は「冤罪であっても一度出された動画は消えず、“デジタルタトゥー”として残るので、弁明の余地なく犯罪者の烙印を押されたまま一生を過ごすことになる」「人生を壊す行為で名誉毀損や侮辱では済まされない。冤罪を生み出した側を罪に問えるようにしてほしい」と話しました。

また、「動画を見た人は、犯行現場がハッキリと写っていないものに関しては動画の内容が正しいのか良く考えてほしい」と訴えています。

私人逮捕系YouTuberが収益停止処分に。活動継続のためクラファン呼びかけるも「自費でやれ」の声

 私人逮捕系YouTuberとして物議をかもしているYouTubeチャンネル『ガッツch』が、YouTubeから収益を停止されたことを11月17日に発表し、クラウドファンディングを呼びかける事態となっています。

YouTube運営から収益停止処分に。今月入る予定の収益も没収

 私人逮捕系YouTube『ガッツch』を運営する中島さんが、自身のXアカウントで同チャンネルの広告収益が11月8日時点で停止されたことを発表しました。

 

 また、この収益停止処分により、今月入金される予定だった過去の収益も振り込まれなくなったとのことです。

活動継続&政治団体設立のためクラウドファンディングを呼びかけ

 こうした事態を受けて中島さんは「痴漢被害をなくす」という名目の元、『ガッツch』の活動継続のためにクラウドファンディングの開始をあわせて発表。

 

 集まった資金は『ガッツch』の活動費にくわえ、中島さんと撮影スタッフの生活費、そして“犯罪撲滅を目的とした政治団体”を年内に設立するための費用に使われるとのことです。

「自費でやれ」「結局、金か」の批判の声

 しかし、この発表に対してXでは「自費でやれ」、「結局、金か」、「警察官になればいい」といった批判の声が多く挙がっています。

 

 『ガッツch』を代表とした私人逮捕系YouTuberに対しては、JRなどの鉄道各社から「撮影や投稿を認めていない」といったコメントが出される事態となっており、私人逮捕そのものの危なさから一般的なSNSユーザーからも「暴力的で危ない」、「冤罪だったらどうする」といった批判がなされています。

 

 一方、痴漢被害にあったことがあるとみられるアカウントからは「頑張ってほしい」、「応援してます」といった応援の声も出ていますが、全体としては批判が多いです。

 

 筆者の意見としては、動画投稿やクラファンの呼びかけはお金目的のためとしか思えず、私人逮捕の行為そのものも危険なため、普通に働きながら私人逮捕をしない痴漢撲滅のためのボランティア活動を続ければ良いのではと思います。

 

 それを認めてくれる人が増えてくれば、活動のための資金も募金で集まることでしょう。

ITジャーナリスト

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。スマホ、ネットの話題や炎上などが専門。ファクトチェック団体『インファクト』編集員としてデマの検証も行っています。最近はYouTubeでの活動も。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで