猫の多頭飼育崩壊を防ぎたい 不妊去勢手術、基金で自治体支援
不妊去勢手術をするため、野良猫を捕獲する佐上邦久理事長=沖縄県うるま市で2017年10月29日撮影、どうぶつ基金提供
ペットが増えて管理できなくなる「多頭飼育崩壊」や、地域の野良猫がいつの間にか増えすぎるなど、動物にまつわる問題は後を絶たない。兵庫県芦屋市の公益財団法人「どうぶつ基金」は、こうした問題に頭を悩ませる自治体などに対し、猫の不妊去勢手術にかかる費用の支援に力を入れている。佐上邦久理事長(63)に活動にかける思いを聞いた。【まとめ・川地隆史】
――不妊去勢手術の費用を支援し始めたのはいつからですか。 ◆2004年度の12頭で、いずれも個人からの申請でした。自治体からの申請は11年度からです。今よりもずっと殺処分の数が多かった時期です。環境省の統計では、猫の殺処分数は04年度は約23万8900頭でした。21年度は約1万1700頭となっています。
――活動のきっかけを教えてください。
◆元々は、野良猫や野犬を保護し、シェルターで100頭前後を飼っていました。しかし、預かってもなかなか里親が見つからず、活動は足踏み状態に。野犬は減っていましたが、野良猫は減らない状況でした。そこで不幸な猫を増やさないためには繁殖を抑える、つまり不妊去勢手術しかないと考えるようになり、方針を転換しました。
――支援までの流れを教えてください。
◆どうぶつ基金の「さくらねこ無料不妊手術事業」に自治体が登録し、申請に基づいて全国の協力病院で使える「無料不妊手術チケット」を発行する形で支援しています。対象は野良猫と多頭飼育崩壊の猫です。23年11月時点で全国467自治体が登録しており、協力病院は195に上ります。
――どうぶつ基金の支援で、現在どれくらいの手術が行われているのでしょうか。
◆22年度は6万2116頭です。そのうち自治体からの申請は3万2243頭となっていて、行政がいかに対応に苦慮しているかが伝わります。基金からはワクチン接種やノミよけの費用を含めて、全額を支援しています。
――支援のための財源はどうしているのでしょうか。
◆ありがたいことに、ほとんど寄付でまかなわれており、そのうち個人が多くを占めます。ただ、本来は自治体がしっかり予算をつけて不妊去勢手術の費用を捻出すべきだと思っています。
――多頭飼育崩壊が起きた家の猫にも支援をしていますね。 ◆15年に初めて多頭飼育で崩壊した現場に支援をしました。大阪市営住宅の一室で、猫26頭が飼われていました。ふん尿が壁にこびりつき、障子はほとんど破けている状態で、「この場所で人間が暮らしていけるのか」と感じたことを覚えています。猫を一頭ずつ捕獲し、不妊去勢手術をしました。地元のボランティアと協力し、部屋を清掃することもあります。
――多頭飼育崩壊は近年増えているのでしょうか。
◆相談件数は増えていますが、多頭飼育崩壊そのものが増えたとは思っていません。元々ある問題だったのです。報道などを通して社会に知られるようになり、発覚するケースが増えたのだと思います。
――手術をした中で、多頭飼育崩壊現場にいた猫は何頭でしたか。
◆22年度の約6万2000頭のうち、1239頭です。
――多頭飼育崩壊における犬と猫の違いは何でしょうか。 ◆猫の方が繁殖力が強く、発覚しづらいです。猫は年に3回出産し、1回で5~6頭生まれます。最初は2、3頭でも不妊去勢手術をしないと、2年ほどで100頭まで増えてしまいます。悲惨なことに、増えすぎると新たに生まれた子猫はすぐに共食いされてしまいます。犬と違って鳴き声が小さく外に漏れづらいため、周囲の発見も遅れます。マンションの一室で多頭飼育崩壊が起きていても、隣人は気付いていなかったというケースもありました。
――なぜ多頭飼育崩壊に陥ってしまうのでしょうか。
◆高齢者や生活に困窮しているケースが目立ちますが、要因はさまざまです。一方、社会が野良猫の餌やりに対して不寛容になっているとも感じます。飼い主が「野良猫に餌をあげなければ死んでしまう」と思い込んで自分で飼った結果、増えすぎるというケースも多々あります。
――野良猫にはどのように対応すべきでしょうか。
◆けがをした野良猫を保護したり、腹をすかせた野良猫に餌をあげたりするのは悪いことではありません。もう少しだけ野良猫に寛容になってほしい。そして不妊去勢手術をして、
一代限りの命を優しく見守ってほしいです。
◇公益財団法人どうぶつ基金 1988年設立。不妊去勢手術の費用支援のほか、飼い主のいない猫を捕獲して不妊去勢手術を行って、元の地域に戻す「TNR活動」もしている。野良猫の不妊去勢手術費用を支援しやすくするため、自治体が条件として定めている「地域住民の代表の合意書が必要」の項目をなくすよう、要望書を11月1日に大阪市に初めて提出した。問い合わせはホームページ(www.doubutukikin.or.jp)から。

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名無し (日曜日, 12 11月 2023 16:45)
無許可で地域猫やるのが許されるなら住民は地獄の日々。
ただ餌やりしたいだけ。
野生動物呼びたいのか?
動物使ったテ○リストと言われても反論できないでしょうよ
ちなみにSNSで業者叩いてる人は、ほぼ皆無っすね
叩いてる人を叩く人はたくさんいますけどw
「保護が永遠に必要な世の中は御免こうむります、業者なくしたら、闇ルートしかなくなるので犯罪の温床にしかなりません、業者叩いてる人は闇ルート推しですかぁ?」
まともに愛護活動してる人は、生体販売反対の声(大)あげてる愛護でもなく、餌やりしたいとか、20年も地域猫やりたいなんて考えてませんし、
野良猫に出産させたいとか、考えてませんね
野良犬がいるのを歓迎するような人や、
飼い主が犬猫手放す(保護犬猫が居続ける未来)のを歓迎してる人もいませんよ
名無し (日曜日, 12 11月 2023 16:47)
熊を狩猟するのは大丈夫ですか?
名無し (日曜日, 12 11月 2023 16:47)
ただの害獣。こんな事言う人間はお腹もすかないし排泄もしないないのか
生まれてきたのは心ない人間と同じで生きていくしか選択肢がないって事もわからない好きで生まれて厳しい中生きてる訳ではない子供達に猫は害獣なんだと言えるのかと思うそんな人間もいる中、関係者の方々ありがとうございます
名無し (日曜日, 12 11月 2023 16:48)
言っておきたい
飼い主が去勢しないと、ペット税かかるかもよ
自治体と言うことは、住民税の一部を使っていると思われます
人間は避妊はできるが、ペットはない
その上、大事な事は、今熊、猪、鹿、猿、キョン
人間に及ぼす動物は、越冬したら、数増えてます
ましてや農家、畑をやっている世帯は泥棒にも気をつけなければいけない
その為の大義を付け
来年あるかも、次世代も育てる事ができないなら去勢
野獣は殺処分が必要
名無し (日曜日, 12 11月 2023 16:48)
多頭数の犬猫を飼う人って、だいたいだらしない人が多いよね。
まあ無計画だからそうなるんだろうね。
それで自分のペットさえ飼育出来ないくせに「熊を殺すな」とか電話をしているお婆さんとかいそう。
名無し (日曜日, 12 11月 2023 16:49)
保護団体そのものが多頭飼育を無視し、野良猫がいれば地域猫化するからどうしようもない。まったく、クズはペットを飼わないで欲しい。