【ヒトで言うなら、生みの親より育ての親】
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ニワトリの子供と言えばヒヨコです。
ただ、鳥は生まれて初めて見た「自分より大きくて動くもの」を
親だと思う習性があるので、人間を生まれて初めて見てしまったら、
ヒヨコは人間を親だと思ってしまいます。
それでは、逆に卵から孵(かえ)ったヒナがヒヨコではなかった場合、
ニワトリはどうするのでしょうか。
こんな疑問を持って、実際に実験を行った学者がいたそうです。
実験に使われたのはホロホロチヨウの卵。
ニワトリはその卵を一生懸命温めて、無事にヒナを孵します。
学者は、ニワトリはヒヨコを育てるのと同じように、
ホロホロチヨウのヒナを育てるだろうと考えていました。
ところが、そんな仮説をまったく覆す結果に、
実験参加者の皆が驚いてしまいました。
ニワトリはいったいどんな行動をとったというのでしょう?
ニワトリはヒナを藪の中へ連れて行くと、 アリ塚を掘ってアリの卵を取り出そうとしたのです。
ニワトリはアリを食べることはありませんが、 ホロホロチヨウは食べます。
ニワトリは、自分の子供(ホロホロチヨウ)が 食べたいものを食べさせてあげようとしたのです。
また、別の学者がニワトリにアヒルの卵を温めさせ、 ヒナを羽化させたところ、ニワトリはアヒルのヒナを 池まで行って泳がせたそうです。
実の子ではなくても、自分の子供が求めるものを察知して、 その子のために、一定の行動ができるのでしょうか。
生物の遺伝子に書き込まれた「設計図」の中には、 このような仕組みも含まれているのかもしれません。
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