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イ・ボミ、今週の日本ラストマッチが終わったら何をしたい?「とりあえず今は何も計画もせず、自由に生きてみたいです(笑)」

現在開催の「NOBUTA GROUP マスターズGC レディース」(10月19~22日)が日本での最後の試合になったイ・ボミが、大会前に来場するギャラリーやファンへメッセージをくれた。

最後は最高の笑顔で終わりたい

プロゴルファーのイ・ボミです。

いよいよ今週の所属先の「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」が日本での最後の試合になります。

所属先の大会なのでまずは予選通過を果たして、最終日までプレーして会場を訪れるギャラリーやファンの人たちには、いい形で締めくくるところを見せたいと思っています。 

先週、先々週の試合に続けて出ましたが、予選落ちが続いています。

そして今年は出場したレギュラーツアーは一度も予選通過できていないこともすごく辛い気持ちになります。

練習はしているのですが、よかったときのショットの感覚が戻ってこなくて、不安や心配が先走っていて、正直、今もとても複雑な心境です。 

 

すべての試合が終わったら、気持ちも晴れているのかなと思っているのですが、本当に日本での試合がこれで最後なんだと思うと正直なところ、寂しい気持ちがあったりもして……。

ときどき、ショットの調子がよければ、本当に辞めたいと思っているかな、なんて余計なことを考えたりもするんです。ただ、今週を最後に引退すると決めたので、ここはしっかりと集中して、後悔のないプレーを心がけたいです。 

最後の試合は、かつて専属キャディだったノリ(清水重憲)さんにバッグをかついでもらいます。私が2度の賞金女王になったときの功労者でもありますが、いろいろな思いを噛みしめながら、コースを回りたい。

そして、現地に駆けつけてくれる大切なオモニ(お母さん)と夫、現場で支えてくれたトレーナーとマネージャーにも最後は笑顔になってもらいたいし、ファンにも大きな拍手をもらうためにベストを尽くします。

悲しいとか辛いとか、緊張するとか、そういう気持ちを振り払って、幸せな気持ちで大会を締めくくりたい。すべてのことに感謝して、最後は最高の笑顔で終わりたいです。 

2011年に日本ツアーに参戦してからこれまでを振り返ると本当にたくさんのいい思い出があります。私のゴルフ人生を豊かにしてくれた場所ですし、日本はもう“海外”という感覚がなくて、とても愛着のある場所になりました。ここに来ればたくさんの友人や知人、ファンに会えますからね。 

最後の試合が終わったら何したいかって? 

とりあえず今は何も計画もせず、自由に生きてみたいです(笑)。まずは家族との時間を大切にして、これからの人生を楽しんでいきたいです。

INTERVIEW/Kim Myung Wook

PHOTO/HiroyukiTanaka

※週刊ゴルフダイジェスト2023年10月31日号「イ・ボミ、日本ラストマッチへ」より

「私が泣かないように」日本ツアーでしのぎを削った“戦友”・上田桃子が語る“イ・ボミ”

イ・ボミが今大会をもって日本ツアーから引退する。これまでボミとの時間を共有してきた人々に話を聞いた。

<NOBUTA GROUP マスターズGCレディース 事前情報◇18日◇マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6495ヤード・パー72>

「スマイル・キャンディ」として日本の多くのファンに愛されたイ・ボミ(韓国)が、今週の「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」で日本ツアーから引退する。その予選ラウンドは、日ごろから親交がある上田桃子、小祝さくらと同組になった。

貴重! 日本ツアーに初出場した時のイ・ボミ【写真】

37歳の上田と35歳のボミは、ほぼ同世代。日本ツアーでたびたび優勝争いを演じ、しのぎを削った“戦友”のような存在で、上田はボミに対しては特別な感情がある。今週、予選ラウンドを共にすることを知らされた時は、「同組はすごく光栄だなって。最後を見られるのはうれしいですし、たくさんのギャラリーの方も見に来てくださると思うので。人間の底力じゃないですけど、ボミは持っている選手なので、目に見えない力があると思うので、そういうのを感じながらそばでプレーさせてもらえるのはうれしいなと思います」と心を躍らせる。

先週の「富士通レディース」の前には“送別会”を行い、ボミ、上田、笠りつ子、小祝さくら、柏原明日架の5人が参加した。その送別会で上田は“号泣”をしたそうで、「今週は私が感情的になって空気を冷めさすようなことがないように、“私が泣かないようにしないと”って思っている。邪魔しないようにというのはすごく思っています」と自分が主役にならない様に気をつけるつもりだ。

年下の選手が引退していくのは寂しいかと問われると「年下も年上も年齢関わらず、やめていく選手がいるのは寂しいことですけど、キム・ハヌル(韓国)の時のもそうでしたけど、幸せになっていく過程が見える引退なので、そういう部分では羨ましさもあるかなと思います」とボミの新たな門出を応援していく。

「一時代を築いた選手の最後を一緒に回れるというのはすごくうれしいこと。小祝さくらちゃんもすごく仲良くしているので、感傷的になるだけじゃなく、3人ともしっかり予選を通りたい」と話した上田。大勢のギャラリーが集まることが予想されるこの組に、なにか“ミラクル”が起こりそうだ。(文・神吉孝昌)

「ボミさんみたいな選手になりたい」 予選R同組の小祝さくらがボミに感謝のプレゼント

予選ラウンドでイ・ボミと同組となった小祝さくらが秘話を明かした。

<NOBUTA GROUP マスターズGCレディース 事前情報◇17日◇マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6495ヤード・パー72>

「スマイル・キャンディ」として日本の多くのファンに愛されたイ・ボミ(韓国)が、今週の「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」で日本ツアーから引退する。その予選ラウンドは、日ごろから親交がある上田桃子、小祝さくらと同組になった。

貴重! 日本ツアーに初出場した時のイ・ボミ【写真】

小祝は、日頃からボミを尊敬しているという。「最後に一緒にプレーができるなんて、緊張する。ギャラリーの方がたくさん来られると思うし、私は邪魔かも」と恐縮気味だ。

アマチュアだった2016年の「ニトリレディス」でボミと初めてラウンドをした。「あんなに緊張したことないってくらい緊張した。まずは可愛いっていうのと、当時すごく飛距離も出ていパターも入るしすべて完璧なゴルフをしたので、すごいなという一言でした」と最高の思い出になっているようだ。

先週の「富士通レディース」では自ら声をかけて、ボミとともに練習ラウンドを行った。さらに、その終わりには小祝からシャネルのピアスをプレゼントした。「せっかくだったら、ボミさんが使えるというか、使ってくれそうなものがいいなと思って選んでみました」と日頃の感謝を伝えることもできた。

「ボミさんみたいに、ファンの方にも誰にでも優しい、そういった選手になってみたいなという憧れがあります」と尊敬の念でいっぱい。予選2日間は、好プレーで恩返しを届ける。(文・神吉孝昌)

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