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満員の中「あなたが座るのは当然です」と言われた【青空と向日葵の会】

【満員の中「あなたが座るのは当然です」と言われた】
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次女の通院で月に一度、大学病院に通っています。
待ち時間が長いので、なるべく早い順番をとるために
午前7時前には家を出ます。
診察が終わるとおおよそ10時頃。
帰りの電車はまだ朝の通勤ラッシュの名残があって、いつも満員です。
2~3台見送っても満員なので、
仕方なく私はいつものように片手で9キロの子供を抱え、
もう一方の手にはベビーカーと荷物を持ち、
来た電車に乗り込みました。
すると、私の姿を見たアジア系の方でしょうか。
たぶんフィリピンの方だと思います。
つり革につかまりながら「こっちへおいで」
と手招きをしているのです。
私はこんなに混んでいるのにと不審に思いながら、
その人の方に移動しました。
もちろん空席などありません。
するとその人は、たどたどしい日本語で言ったのです

るとその人は、たどたどしい日本語で、 席に座っている女子高生に向かって、

この人は赤ちゃんがいて大変だから、  席を譲って下さい」 と交渉しているではありませんか。

私はびっくりして、 「大丈夫ですから・・・・・・」 と遠慮すると、その人は、 「あなたが座るのは当然です」とおっしゃいました。

女子高生も気持よく席を譲ってくれました。

私は恐縮してお礼を言いながら、席に座らせていただきました。

自分の座席を人に譲ることでさえも勇気がいることなのに、 人が座っている席を他人のために譲ってくれるようにと言える、 そんな大きな勇気に私は感動してしまいました。

その人は、次の駅でまるで何でもないことのように、 笑顔で手を振って降りていかれました。

私にとってその席は、どんな座席より心温まる嬉しい席でした。

ありがとうございました。