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「ルール違反ですよ!」人が住む家を“強制取り壊し” 所有者の女性は激怒…都市計画のため“行政代執行”に 熊本市

11日、熊本市で人が住んでいる建物を、強制的に解体する行政代執行が行われた。
解体理由は、都市計画で県道の幅を広げるため。市は所有者と交渉を続けてきたが、所有者は応じなかった。

人が住む家を強制的に取り壊し

職員がシャッターに顔を近づけ、中の様子をうかがっている。

リポートが「行政代執行対象の建物で、シャッター越しに交渉が行われていましたが、今シャッターが開けられ、職員が住人とやりとりをしています」と伝えた。

11日、熊本市で強制的に建物を解体する、行政代執行が行われた。対象となったのは、住人2人が住む住宅だ。

建物から出てきた所有者に、職員が説得を続ける。職員は「答えられなければ、行政代執行を実施します!」と言うと、所有者は「違いますよ!」と返した。
職員は「お答えください今!もう時間がありませんので!」と、ついに行政代執行の開始を宣言した。

解体工事に向け、立ち入り調査が行われる。
所有者は「ルール違反ですよこれ!ほら始まった。見てください。ちゃんと伝えなきゃ!とんでもないことですよ!」と、怒りをあらわしている。

市が交渉も所有者は応じず

人が住んでいる建物を、なぜ解体することになったのだろうか。

それは、都市計画で県道の幅を広げるためだ。
市は、これまで所有者と交渉を続けてきたが、所有者に応じてもらえず、2022年からは面会もできなかったという。
早ければ、11月中旬から解体工事を始めるということだ。
(「イット!」 10月12日放送より)

所有者は「これはルール違反」と訴えるもこれまで交渉応じず…熊本県で初 現住建造物への行政代執行に着手

熊本県は、県道の拡幅工事の予定地にある住宅について、所有者の女性への説得を続けてきたが応じてもらえず、強制的に建物を解体する行政代執行に着手した。人が住んでいる建物の行政代執行は、熊本県内で初めてだという。

用地交渉にも応じず 行政代執行を請求

土地収用法に基づく行政代執行が始まったのは、住民2人が住んでいる熊本市中央区西子飼町の木造2階建ての住宅1棟だ。

この住宅がある約33.9平方メートルの土地は、熊本市が進める熊本都市計画道路事業 坪井龍田陳内線の一部で、県道の拡幅工事などを行う予定だ。

これまで熊本市は、住宅の所有者と用地交渉を続けてきたが応じてもらえず、訪問を繰り返したものの、2022年からは住民が面会にも応じない状態が続き、2023年2月に熊本市はこの住宅について、行政代執行を熊本県に請求していた。

作業開始の予定時間迎えても説得続く

そして10月11日午前9時、作業開始の予定時間を迎えても、対象の建物でシャッター越しに住民と熊本市と熊本県によるやり取りが続けられた。

建物の外に出てきた所有者の女性に対し、職員の説得が続いた。

職員:
答えられなければ行政代執行を実施します!

所有者の女性
違いますよ!

職員:
答えてください今! もう時間がありませんので!

所有者の女性「ルール違反」と訴えるも

そして午前10時、担当職員が「行政代執行」を宣言し、解体工事に向けて建物への立ち入り調査が実施された。

所有者の女性:
これはルール違反ですよ! ほら始まった。見てください。ちゃんと伝えなきゃ! とんでもないことですよ!

人が住んでいる建物の行政代執行は熊本県内で初めてで、熊本県は早ければ、11月中旬にも建物の解体工事に着手する予定だ。

(テレビ熊本)