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実は姿を消しつつある「丸いガスタンク」“リンゴ皮むき工法”でザクザク解体するスゴ技企業【がっちりマンデー!!】

今回、がっちりマンデー!!×NEWS DIGで取り上げるのは…「破壊業界」!

「新しい」ものを作るにはまず、「古い」ものを壊さなきゃ!
今より前に進むには、ジャマなものを壊さなきゃ!ということで、何事もグイグイ伸びていくためには、「破壊」は欠かせない…そんな、「破壊業界」の儲かりのヒミツに迫りました。
(※以下、がっちりマンデー!!6月11日放送分より)

りんごの皮をむく?ひたすら壊し方を考える会社の独自工法

 

東京都江東区にある「ベステラ」という会社。年商およそ54億円だそうです。

この「ベステラ」、解体工事会社なのですが、普通の解体工事会社とはちょっと違うんだそう。

創業者・吉野佳秀会長:
壊すことを考える会社。早く、安く、安全に壊せるか。壊し方を考える。

 

「ベステラ」は、壊すのが難しい物の斬新な壊し方を考えるのが得意だというのです。

吉野会長:
スカイツリーを見れば、どうやって壊そうかと考えるしね。作っている最中から思ってます。

では、そんな「ベステラ」の解体方法とは?

吉野会長:
りんご皮むき工法です。

「りんご皮むき工法」!? なんですかそれ…となりますが、「ベステラ」が誇るのが…

世界に一つしかないというオリジナルマシン。その名も「りんご☆スター」!

この「りんご☆スター」を使い「りんご皮むき工法」で破壊しているもの…それは…

吉野会長:
丸い球形のガスタンクでございます。

そう、町の郊外などにある「球形のガスタンク」。というのも…

球形のガスタンクは、ガス管の整備が進むにつれ、地域ごとにガスを貯めておく必要がなくなり、解体が始まっているんです。


でも、もともとの解体の仕方は

吉野会長:
大きなクレーンを置いて、難しい足場を上までかけなきゃいけない。作業員が切断をしてクレーンで吊るんですけど。

 

大きなガスタンクを、作業員が1枚1枚バラバラに切って、クレーンで下ろす…という、なかなか大変そうな作業をやっていました。「ベステラ」が考えた「りんご皮むき工法」とは…

 

吉野会長:
上から連続してりんごの皮をむくように切っていくと、自分の重みでですね、どんどん地上に落ちて。

「りんご☆スター」が、球体のてっぺんから、ガスバーナーでタンクの板を切りながら、くるくる回っていき、まるでりんごの皮がむかれるように、ガスタンクの「皮」が、下に落ちていき…結構、簡単に解体できちゃうというワケなんです!

 

そして、この「皮むき工法」と「りんご☆スター」、両方とも「ベステラ」さんがの特許を持っているんだそうです。

さらに会長によると、「ベステラ」さん、ガスタンク以外でも斬新な「破壊」の技をあみだしたといいます。それが…

吉野会長:
転倒工法がございます。

ん!?「転倒」!?しかも…

吉野会長:
がっちり!でしょうね!これから数千億のマーケットが拓かれていくんじゃないかなと思っております。

なんともデカそうなビジネスですが、果たしてその破壊するモノとは?

吉野会長:風力発電の風車ですね

風車!その数、世界に30万機以上というから、破壊ビジネスもかなりビッグになりそう。しかし、そこにはネックがあるらしく…

吉野会長:
間違いなく風の強いところにあるわけですから、非常に解体が難しいんです。

 

一般的な「風力発電の風車」の解体方法は、クレーンで上にあがり、羽根、発電機、鉄塔を強風の中で順番に下ろすというもの。でも、「ベステラ」の転倒工法は…

吉野会長:
「ワイヤーソー」というのが…所々に付いています。そこには、ダイヤモンドがついてて、これが回転することによって、コンクリートでも、鉄でも切断していく

このダイヤモンドがついた「ワイヤーソー」で、風力発電の風車を解体するとのこと。どうやるのかというと…

 

まず3つあった風車の羽根を、職人が切り取る所からスタート!

羽根をカットして本体だけにして、風車がタワー本体だけになったところで…「ワイヤーソー」で、風車の土台をスパッと切断。

 

高さ75mの風車の柱を、そのまま倒すという大胆すぎる「破壊」!

 

シンプルに見えますが、画期的だったのが…

吉野会長:
鉄でできた本体を切るということは、極めて難しいことです。脆弱になります。ですけど、その下に大きな基礎があると気づいたんです。この基礎をカットして転倒しやすくすると。この工法を考えたわけです。

金属製で中が空洞の風車本体の柱を普通に切ると、安定感がないのでいつ、どこに倒れるかが読めません。

ところが、風車の基礎である土台はコンクリ製で安定感があるだけでなく、締めてるボルトの本数をコントロールすることで、いつ、どこに倒すかがちゃんと計算できるのです。

吉野会長:
スカイツリーであろうとエッフェル塔であろうと、必ずコンクリートの基礎を持っています。ですから、これが世界中の解体の基本になっていくんじゃないかなと。

▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん: 2000年に大量の風力発電が建ったんです。耐用年数20年なんで。
加藤さん:風力発電って、20年しかもたないんだ。
森永さん:これから解体ラッシュが始まるんです。
吉野会長:風車は、ひとつの方向から風を受けて回り続けるんですね。鳥がぶつかったりもしますし、軸があるんですが、どうしてもガタガタするんですね。ですので、キャパの問題もありますが、長いこと使うのはなかなか難しいんです。
加藤さん:そういうことか。真ん中の軸がずれたら、ガタガタになってもうダメになりますものね。