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【青空と向日葵の会】これまでの行いが今を生み出している

「これまでの私」が「今のあなた」を動かしている

私たちの本心には、過去からこれまでやってきたすべての行いが、力となって蓄えられており、その力が私を動かしているのだと仏教は説きます。
例えば、
「なんであんな人を好きになってしまったんだろう」と自分でも理解できないことがあります。頭で考えて、相手を好きになるということはないでしょう。理由はわからないけど、なぜか、ぐっと魅かれるものがある。それは、その人の業力によるものなのです。これまで体験してきた経験や行いが、その人を動かしたのです。

同じ人物に対して、ある人は、とても好意を持ち、ある人は、どうも好かないと印象が全く正反対になることもあります。
これも、それぞれのこれまでの行いや経験が違いますから、同じ人物に対しても、そこに抱く感情や思いが全く異なるのです。
2歳や3歳の時の記憶はなくても、その時の感じたことや、経験したことは、大人になっても大きく影響を与えています。
忘れてしまって、意識にはのぼらなくても、過去の行いは力となって、今の私を動かしているのです。

私たちは、食べ過ぎると太るとか、勉強をさぼると成績が下がるとか、見た目にも、行為の結果がわかることは、食べ過ぎないように気を付けたり、反省して、節制に努めたりできます。

ところが、「どうして、こんな人を好きになったのだろう」
「どうして、自分だけ人と違った受け止め方をしてしまうんだろう」
「どうして、あの人とあうとイライラしてしまうんだろう」という内面のことに眼を向けることはあまりないのではないでしょうか?

しかし、同じものや同じ人を見ても、人によって受け止め方や感じ方が違うのにも必ず、原因があります。それは一人一人のこれまでの行いや経験(業)が違うから、それぞれの見え方、感じ方に違いが出てくるのだとお釈迦様は、教えられています。

記憶になかったとしても過去の体験が、今のあなたの考え方や感じ方に影響を与えているのは間違いありません。
自分の行動が、自分でもよく理解できないときは、心を落ち着けて静かにこれまでの自分を振り返ってみましょう。
きっと「これまでの私」が「今のあなた」に忘れてしまった大切なことを教えてくれるはずです。