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子どもの貧困が、なぜ日本という豊かな国で生じているのか?

今、苦しさを抱えている子どもたちが日本にいます

給食が主な栄養源で、朝や夜はたまにしか食べられない。
親は朝から深夜まで働きづめでいつも家では一人きり。
洋服は季節ごとに数着しか持っていないため連日同じ服を着ている。
体操服のサイズが小さくなっても、新しいものに買い替えてもらえない。
学校が終わって家に帰ると、働く親の代わりに幼いきょうだいの世話や家事に追われて自分の時間や勉強する時間が持てない。
 
はたから見ると、「普通の子ども」にも見えるかもしれません。
飢餓状態でもなければ、住む家もあり、小学校へ通うこともできています。
しかし、心身ともに健全な暮らしとは到底言うことができません。
 
このような、経済的に不安定な家庭に育つ「貧困状態の子ども」たちが、日本において9人に1人もいることを、あなたはご存じでしょうか。
 
少子化が進んでいるにも関わらず、子どもの虐待件数、自殺者数は増え続けています。
 
経済的に豊かな国と言われる日本で、この記事を読んでいる今、苦しんでいる子どもたちがいるのです。

空っぽの棚や冷蔵庫を前に…明るい笑顔の裏にある苦悩

小学3年生のあやちゃん(仮名)は、母親と幼い妹の母子世帯で生活保護を受けて暮らしています。

母親は朝から夜遅くまで働いているため、夜は姉妹のみで過ごすことが少なくありません。
生活保護での生活は、余裕のある暮らしとは言えません。
さらに物価高の影響を受け、日常の食材を買うのも苦労するようになってきました。
 
あやちゃんは激務の母親と幼い妹を支えたい一心で家事を積極的に手伝っています。
手伝うというよりも、多くの家事をあやちゃんが担っていると言っても過言ではありません。
決して栄養バランスの取れたメニューとは言い難いですが、不在の母親の代わりに平日の夕飯はあやちゃんが作っています。
 
ある日、いつものように夕飯を作ろうと冷蔵庫をあけたところ、ほとんど食材がありませんでした。激務が重なり、母親が買い物にいく時間を取れずにいたのです。
料理のレパートリーが少ないあやちゃんは、残っている食材で何を作ったらよいかわかりません。お菓子でもないかと棚を探しましたが空っぽでした。
 
するとまだ幼い妹がお腹がすいたと泣き出してしまいました。
 
あやちゃんは必死で泣いている妹をなだめ、ただただ母親の帰宅を待つしかありませんでした…。
 
あやちゃんは、このような生活のため学校では疲れから授業中に眠くなってしまうことがあります。
妹の世話や家事に追われ、宿題をする時間が取れないことも多く、先生には怒られてばかり…最近はすっかり勉強についていけなくなってしまっています。
 
あやちゃんは、自分たちのために一生懸命働く母親を支え、まだ自分のことができない妹の世話を引き受けることが何よりも大切で喜びだと感じています。
 
小学3年生であればまだまだ親に甘えたい時もあるはずです。
家での手伝いがあるので、友達と遊ぶこともほとんどありません。
それでも、あやちゃんは家族を支えることは自分の役目だと思っています。
 
明るく元気なあやちゃんには、たくさんの友達がいます。
けれど自分の家庭環境や勉強について、自分の悩みを誰かに打ち明けることはありませんでした。
習い事をしたり、家族で食卓を囲んでいる話をする友達と比べては、「こんな生活をしているのは私だけ…」と明るい笑顔の裏に孤独を抱えています。
 

大人たちも必死にがんばるものの、適切な「支援」につなげられない現状。あやちゃんにとって本当に必要な「支援」とは?

あやちゃんはスクールソーシャルワーカーから、地域にある「こども食堂」を紹介され、妹と共に夜ごはんを食べに通うことになりました。
※スクールソーシャルワーカー:問題を抱える児童・生徒を取り巻く環境へ働きかけたり、関係機関等との連携・調整を行ったりする人
 
しかし、あやちゃんの通うこども食堂は月に一度の実施。
もちろん月一だけでもあやちゃんたちにとってはとてもありがたい場所ではありましたが、彼女たちの「居場所」とはなりきれていませんでした。
 
学校は人手も時間も足りない状態です。
児童相談所も重篤な状態となり、介入が必要にならない限りは、予防的に関わることが難しい状況です。
ソーシャルワーカーも子どもの困りごとに対応したくとも、地域に子どもたちを受け入れる社会資源がなければ繋がりを届けることはできません。
 
大人たちも自分たちの出来る範囲内で、精一杯の努力をしています。
しかし、あやちゃんのように、重篤な虐待と判断されたり、著しい健康被害が生じているわけではない子どもたちは支援に繋げることが難しいのです。

あやちゃんが出会った「第三の居場所」とは?

そんな時、あやちゃんはこども食堂を通じて、とある「居場所拠点」と出会います。
 
こども食堂には、Learning for All (以下LFA)という「子どもの貧困に、本質的解決を。」をミッションに掲げる、教育支援・居場所づくりを中心に活動する団体がヒアリングのために訪れていました。
 
こども食堂には、あやちゃんだけではなく似たような困りごとを抱えている子どもたちが複数通っていることが分かりました。
子どもたちは一様に「週5日程度、通える居場所」な状態です。
 
そのようなニーズからあやちゃんの地域に居場所拠点が新設され、あやちゃんたち姉妹も週5日通うことに。
 
LFAの居場所拠点は、6~18歳までの子どもたちに食事の提供や学習のサポートなどを毎日行っており、子どもたちは無料で通うことができます。
 
あやちゃんは、LFAの居場所拠点に通うようになり夜ごはんを週5日しっかり食べられるようになりました。
すっかり授業についていけなくなっていた学習面も、居場所拠点のスタッフに丁寧に教えてもらえるようになり、少しずつですが遅れを取り戻しはじめています。
 
通いはじめたころは緊張している様子もあったあやちゃん。
 
今では家庭や学校での悩みについてスタッフに話してくれるなど、スタッフに対しても信頼を寄せるようになりました。
 
居場所拠点に通う、自分と似た境遇の子どもたちの存在もあやちゃんにとってはホッとできるものでした。
 
一朝一夕では解決できることではないため、まだ大きな変化はありません。
それでも、LFAの居場所拠点が家庭でも学校でもない、あやちゃんにとって安心、信頼できる第三の居場所となっていることは確かです。

LFAが手を差し伸べるのは 「最もしんどい子」たち。

LFAは2010年に、貧困をはじめとした様々な困難を抱える子どもたちの学習支援からスタートしました。
現場での子どもたちのさまざまな事例、経験から「学習支援をするだけでは、子どもたちが抱える課題の本質的解決にはならない」と痛感しました。
 
教育は、日本だけではなく世界においても大変重要なものです。
 
教育を受けることによって、希望する職に就け、溢れかえる情報の中から自分にとって適切な取捨選択をできる手助けにもなります。
貧困の連鎖を断ち切るきっかけとして大きな役割となることは間違いありません。
 
しかし、子どもたちにとって生活の基盤は「家庭」です。
学習支援をしても、家庭内で問題があれば学習はなかなか進まず、進路決定にも支障をきたすことがあります。
 
そのようなことを踏まえ、現在LFAは以下5点の支援を中心に、子どもたちを「包括的にサポート」しています。
 

※ネットワークは一例
※SC:スクールカウンセラー SSW:スクールソーシャルワーカー

学習支援では、一人ひとりにフォローできるよう少人数に対し学習指導をしています。しっかりとしたカリキュラムを組み、子どもたちの学習向上のサポートをしています。
学校の授業がよくわかるようになり、学力テストでも平均10点以上の伸びが見られます。
 
居場所づくりでは、子どもたちが家庭・学校以外で安心して過ごせる場の提供をしています。居場所拠点にはあやちゃんのようなネグレクト傾向にある子どもたちもおり、生活習慣が身についていない場合も少なくありません。そのような子どもたちには生活リズムづくりをサポートしていきます。
 
食事支援では、温かいご飯を提供し、栄養のサポートと共に人と食卓を囲む温かさも子どもたちが感じられるようにしています。準備や片付けなどは子どもたちも積極的に参加するようにしています。
 
保護者支援では、どのように子どもと関わっていったら良いか等、保護者が抱える悩みに寄り添い、子どもと保護者がより良い関係性を築けるようサポートしています。
保護者アンケートでは、子どもへの声かけで「失敗したときにはげますこと」や、「結果が悪くても努力したことを認めること」が増えたと多くの方が回答しています。
 
これらの包括支援とは別に、LFAでは政策提言の活動にも力を入れています。
「制度、政策として国費で対応していく」ために、国や自治体へ働きかけを行っています。現在LFAだけではカバーしきれていない、全国のしんどい子どもたちに支援を届けることに繋げるための活動です。
 
そのほか、LFAでは、これまで培ってきた実践的な支援のノウハウを全国の子ども支援団体や企業に提供しています。
他の子ども支援団体とも繋がり、さまざまな地域でLFAの「包括的支援」を広げています。

30秒で終わる「Learning for All 」の活動に関するアンケート(3問)に答えて、無料でできる支援に参加しよう!

生まれ育った環境や与えられた教育など、様々な環境の差で子どもたちの人生の可能性が左右されている…逆に、生まれ育った環境が厳しいものだったとしても、教育など様々なサポートがあれば、子どもたちの未来は変わっていく可能性があるとも言えます。
 
私たちがこうしている今まさに、子どもたちは多くの困難を抱え苦しんでいます。
 
そんな子どもたちに学習支援だけでなく、居場所支援、食事支援や保護者支援など包括的なサポートを行っているLearning for All 。
 
このような活動を応援し子どもたちを支えることが、あなたにもすぐにできます。
それは、Learning for All の活動に関する3問のアンケートに回答するだけ。

今なら、30秒で終わる3問のアンケートに答えていただくだけで、10円の支援金をLeaning for All さんに届けることができます。

支援にかかる費用は、サポーター企業であるgooddo()が負担するため、あなたには一切費用はかからず個人情報なども必要ありません!※gooddo株式会社は、株式会社セプテーニ・ホールディングス(東京証券取引所 スタンダード市場)のグループ会社
2023年8月末時点で、なんと25万人を超える方が参加してくださり、250万円以上の支援金をLeaning for All さんにお届けできています!
▼「Learning for All 」代表 李さんからのメッセージ

アンケート内容は、私たち「Learning for All 」の活動内容に関する簡単なもので、たったの3問で全て2択です。アンケートを通じて、私たちの活動をもっと知ってほしいと思い、回答内容は今後の活動の参考にさせて頂きます。ぜひアンケートにご協力いただき、無料支援に参加いただけると嬉しいです!

ここまで読んで頂きありがとうございました。
「困難を抱える子どもたちのためになにかしたい!」
「子どもたちを支える現場の声をしっかり国に届けてほしい!」
 
このように思われた方は、ぜひアンケートに回答して無料支援に参加してみませんか?
 
あなたのご支援が、苦しんでいる子どもたちの未来を変える力となります。

 

情報提供:特定非営利活動法人 Learning for All
※子どもたちのプライバシーを守るため、実際にLerning for All が接している子どもたちの事例から、一部内容を変えて掲載しています。
※記事中で使用されている写真はイメージ画像です。