
18歳のテリー・フォックスは、何気なく目にした雑誌の記事の中に、 希望を見出しました。
それは、自分と同じように片足を失った人が、 ニューヨークマラソンに参加したというものでした。
また、入院中に多くの子どもたちが、ガンで苦しんでいたことも、 彼の心を刺激します。
そこで、彼はカナダを横断して、 ガン研究のための募金を集めようと考えたのです。
「希望のマラソン」と名付けられた彼のチャレンジは、 1980年4月12日、大西洋に面したニューファンドランドの セントジョンズで始まりました。
最初、カナダの人たちは、 このマラソンにあまり関心を寄せなかったそうです。
しかし、1日にフルマラソンと同じ42㎞を義足で走りぬく姿に、 人々は心打たれ、次第に募金は増加していきました。
いつしか、多くの人が彼のチャレンジを 応援するようになったのです。
ところが、スタートしてから役4カ月経った9月1日、 5300キロを過ぎたあたりで、 ガンが肺に転移していたことが判明しました。
ここで、彼は生きてチャレンジを続けるため、 マラソンを中断して入院する道を選びます。
しかし、ガンは容赦なく、彼の体を蝕んでいき、 1981年6月28日、彼は22歳の若さで亡くなりました。
ただ、彼の意思は多くの人たちに受け継がれます。
カナダの各地では、彼がマラソン中断を余儀なくされた9月に 彼の名を冠した「テリー・フォックス・ラン」と呼ばれる チャリティマラソンが行われています。
そして、この活動はカナダのみならず世界各地に拡大し、 日本を含む多くの国々で、募金を集めるイベントが行われているのです。

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