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愛するものとの別れの時を作った病院スタッフ【青空と向日葵の会】

ギリスに住むシェイラ・マーシュさん。 余命わずかと宣告された彼女の最後の望みとは…。

イギリスの競馬場で働いていたシェイラ・マーシュさん、77歳。

動物好きの彼女は6頭の馬、3頭の犬、3頭の猫を飼っていました。 その中でも特に可愛がっていたのが馬の「ブロンウェン」でした。

彼女の愛馬であるブロンウェンは、 25年間も面倒をみてきたまるで家族のような馬だったのです。

馬術においてもブロンウェンとシェイラさんは良きパートナーでした。

しかし別れはやってきます…。

彼女は末期ガンと診断され、 余命はあとわずかと診断されてしまったのです。

入院したシェイラさんは、家族が連れてきてくれた犬達と 病室で別れを告げることができました。

しかし一番大事にしてきたブロンウェンに、 もう一度会うことは出来ません。

体の大きいブロンウェンは病室に入ることは出来ないからです。

シェイラさんは会いたいその気持ちを抑え あきらめるしかありませんでした…。

シェイラさんの最後の望みを叶えてあげたい病院スタッフ。 何とかしたいと考えました

院スタッフは、病院の駐車場にブロンウェンを連れてきてくれたのです。

シェイラさんはベッドに寝たまま、 駐車場に降りていき、ブロンウェイと会うことが出来たのです。

願いが叶ったシェイラさんは 「とても美しい一時だった」とその喜びを語りました。

 

看護師がその時の様子を語りました。 「ブロンウェンはシェイラさんにゆっくり近づくと、  優しく首を傾けて、最後の別れを伝えるように彼女の頬にキスしたの」

長年連れ添ったブロンウェイは、 これが最後の別れと本能で感じたのかもしれません。

その光景を見た周囲の人の多くが涙したといいます。

願いが叶ったシェイラさんは、 ブロンウェイと再会した次の日の朝、家族に看取られ息を引き取ったといいます。

シェイラさんの娘さんは 「母の最期の願いを叶えてくれた病院のスタッフには  感謝の気持ちでいっぱいです」と語っています。

病院側は 「彼女の最期の時間をこのような形で  手伝えることができたのを光栄に思っている。  これからも患者さんの人生の終わりにおいて、  そのご家族ともども、思いやりと尊厳あるケアを受けられるために、  努力していきます」と伝えました。

たくさんの人達によって叶えられた最後の別れ。

きっとその献身的な協力のおかげで、 シェイラさんは安らかな眠りにつくことができたでしょう。