
以下、ひすいこたろうさんのお話の引用です。
正観さんは講演でこうおっしゃったんです。
「人間はけなされてばかりだと枯れてしまいますが、 誉められてばかりでも天狗になってしまう。 理想的なのは、50%ー50%のとき。 そして、実は人間はどんな人でも、 自分への賞賛が50%、自分への批判が50%になっている」 というのです。
僕はこの日、正観さんの講演は初めてだったので、 「あ、この先生、間違っている」って思いました。 というのは、僕はそのころ、広告をつくるコピーライターとしての 仕事が絶好調で、褒められることが多く、 批判が50%あるとはとても思えなかったからです。 すると、正観さんはこう続けました。
「この話をすると、それは間違っています、と必ず言う人がいます」
うん。だって間違ってるもん。僕は思いました。 ところが……。
「そういう人は、逃げられないところに 痛烈にあなたを批判してくれる人がいるはずです。 例えば……奥様とか」
!!!
この瞬間、僕の天地がひっくり返りました。
50%-50%。 これは人数のことじゃなく、総量なんだそうです。
たとえば、自分を賞賛してくれる人が十人いて、批判者が一人いるとすると、 このたった一人の批判者が、ものすごい批判をしてくれるんだそうです。
で、その一人はたいてい自分が避けて通れない場所に存在しているのだとか。
そう、家庭とか職場です。
ここで僕は気づいたわけです。
僕が仕事で褒められることが多いのは、 妻が強力に僕を批判してくれていたおかげだったんだと。
たった一人で僕のために孤軍奮闘してくれていたのかって。 そう思ったら、 「辛口な妻よ、いつも僕をけなしてくれてありがとう」 僕は思わず妻を抱きしめそうになりました(笑)。
実は、それからほとんどケンカがなくなったんです。
初めての本に妻から「これありがちじゃない?」 と言われたときも、「お前らしいな」と僕は笑うことができました。
僕が笑えば彼女も笑う
お互いにケンカにならなくなったのです。
ちなみに正観さんの、奥様方へのアドバイスとして こんなのもあります。
ご主人を「隣のおじさん」だと考えてみようと、 正観さんは提案されました。
隣のおじさんが、毎月、稼いだお金を届けてくれたら、 ものすごくありがたいですよね(笑)。
参考:PHP特集「どんなときも、人生は楽しめる!」(PHP出版)
※小林正観さんは、2011年10月にお亡くなりになっています。 おっちゃんの同大学同学部で数年先輩でした。

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