東京電力福島第1原発処理水の海洋放出開始後、放出とは無関係な日本国内の個人や団体に中国から迷惑電話が相次いでいる問題で、福島県でも飲食店や市役所などに
中国の発信とみられる迷惑電話が相次いでいることが26日、県警などへの取材で分かった。被害者によると「ショリスイ」「バカ」などの発言があった。県警は県や市と連携して実態把握に努めているとした上で「必要な調査・捜査を行う」としている。
福島県内で複数の飲食店を経営する男性(42)によると、処理水放出のあった24日の翌25日に中国の国際電話の国番号「86」から迷惑電話が多発。多い時には1分ごとにあった。外国語中心だが「ショリスイ」「バカ」「シネ」などの単語も聞こえた。
中国の発信とみられる迷惑電話が相次いでいることが26日、県警などへの取材で分かった。被害者によると「ショリスイ」「バカ」などの発言があった。県警は県や市と連携して実態把握に努めているとした上で「必要な調査・捜査を行う」としている。
福島県内で複数の飲食店を経営する男性(42)によると、処理水放出のあった24日の翌25日に中国の国際電話の国番号「86」から迷惑電話が多発。多い時には1分ごとにあった。外国語中心だが「ショリスイ」「バカ」「シネ」などの単語も聞こえた。
処理水の海洋放出が始まった東京電力福島第一原子力発電所=2023年8月24日午後2時26分、福島県双葉町、大熊町、朝日新聞社ヘリから、岩下毅撮影
在中国日本大使館は26日、東京電力福島第一原発の処理水海洋放出が24日に行われたことに関して、中国から日本にいやがらせの電話が相次いでいるとして、これらは「犯罪行為だ」とする文章を中国のSNS「微博(ウェイボー)」に投稿した。投稿は、大使館が中国政府に対し、法律に基づいて厳正に対処するよう求めたとしている。 【写真】中国のSNS「微博(ウェイボー)」で、在中国日本大使館が、いやがらせ電話に関して「犯罪行為だ」と指摘した投稿 中国のSNSでは、中国人とみられる若者が「海洋放出の理由を尋ねる」などとして無作為に日本に電話をかける動画も出回っている。
同大使館は24日以降、中国で暮らす日本人に対し、不測の事態が発生する可能性が排除できないとして、「不必要に日本語を大きな声で話さない」などと注意を呼びかけている。
関係者によると、24日以降、無言電話など同大使館への嫌がらせ電話が増えているほか、26日に大使館内で開催予定だった音楽イベントが安全上の配慮から中止になったという。26日時点で邦人や日系企業からトラブルの報告は寄せられていないという。 ◇
福島県警によると、24日から26日にかけて飲食店など県内の複数の事業者に、中国の国番号「86」が表示される電話の着信が相次いだ。電話の内容は処理水放出に関するものとみられ、県警は対策として「国際電話の受信の一括拒否設定」などの措置を取るよう呼びかけている。 県内のある飲食店主によると、「86」で始まる電話は24日から始まり、26日までに40~50件あった。「もしもし」「こんにちは」と日本語で始まり、その後は中国語のような言語で一方的に話していたという。
仲間の飲食店にも同様の電話がかかっているといい、店主は「まさか自分の店が直接的な迷惑をかけられるなんて思ってもみなかった。これも処理水の放出に伴う海外の反応の一つだと思う。政府は外交ルートできちんと対応してほしい」と話した。 東京都江戸川区総合文化センターにも24日から26日にかけて、「86」と表示される番号の着信が多数あった。センターへの電話がつながりにくくなり業務に支障が出ているとして、区は警察に報告している。
朝日新聞社
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