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20歳で6500万円フェラーリを現金一括購入、一体何者なのか 14歳で起業→学ラン姿で営業 驚きの人生

20歳で6500万のフェラーリオーナーに【写真:本人提供】

スーパーカーを現金一括購入 ネットで話題の若手起業家の素顔

「ガキの頃3000万のフェラーリなんてどんな金持ちが乗ってんだろうと思ってたけど、、20歳になったら6500万のフェラーリ乗ってた」。こんな刺激的なワードで、SNS上で注目を集めたのが、裏路地男(@Axfp_8)さんだ。弱冠20歳にして、高額なスーパーカーを現金一括購入とは驚くばかり。しかし、その人生を聞けば、両親の自営業の倒産により14歳にして起業。中高時代は授業が終わると同時に、学ラン姿のまま営業活動に奔走するという異色の経歴の持ち主だった。裏路地男さんのこれまでの人生に迫った。

「ガキの頃3000万のフェラーリなんてどんな金持ちが乗ってんだろうと思ってたけど、、

20歳になったら6500万のフェラーリ乗ってた。

んー。人生わからぬ」

 裏路地男さんが愛車の写真とともに率直な思いをつづった投稿は、6300件のいいね、240万件の閲覧回数を記録。「裏路地男さん凄すぎます」「夢あるわぁかっこいい」「どうやって6500万貯めたかだけ教えて欲しい」「一生働いても自分には買えません」「ウチの家より高い…」などの声が次々と寄せられた。

 いったい、どんな人物なのだろうか。もしかして、触れてはいけない人物?

 そんな気配を察したかのように言った。

「裏路地男の由来は、僕がどれだけ謙虚に振る舞おうが、若いというだけで好き勝手憶測を言われるんだろうと思っていたんですよ。なので、だったら自分から逆にちょっとダークな雰囲気を出してエンタメとして楽しんでもらったほうがいいのかなと思って、そういうふうに連想されるような名前でやっています。裏路地を歩いてきているわけではないです」

 愛知県出身の裏路地男さんは、自ら「東大家系」というほど頭脳明せきなDNAを持つ一族に生まれた。母は東大出身。姉は有名大の医学部に在籍しており、自身も小学生のときは全国トップクラスの成績を収めていた。卒業後は県内屈指の進学校である中高一貫校に入学。授業料の一部が免除され、将来を嘱望される存在だった。

 ところが、中学2年時に大きな転機が訪れる。自営業を営んでいた両親が4000万円の借金を抱えて倒産。家族はとたんに、どん底に突き落とされる。このことが、裏路地男さんにとって、本来やりたいことに突き進むきっかけとなった。

「それまでは結構、『勉強、勉強』してた家庭で、僕も医者か弁護士を目指すようなタイプだったんですけど、元々勉強嫌いで起業をやってみたいなという気持ちがありました。親も自分たちが倒産しちゃっているので、『勉強しろ』とは言いにくくなるじゃないですか。それで、起業のほうにシフトしていったという感じなんです」

 最初に立ち上げたのは僧侶を派遣するサイトだった。身内に不幸があった際、近所の寺に依頼する地域古来の風習をデジタル化。ネットで調べれば、全国どこからでも寺に葬儀を依頼できる仕組み作りを目指した。

 サイトは友人に頼み込んで、7万5000円で開設。14歳のときに法人登記を済ませた。学生服姿のまま地元の寺を飛び込みで回り、地道に登録寺院を増やしていった。

「右も左も分からなかったんですけど、登録するだけで向こうも損はしないので、受けてくれるところは多かったですね。それで、サイトがたまたま運よく検索すると1ページ目2ページ目ぐらいに出てくるようになったんですよ。そうなってくると逆にお寺のほうから、『登録してくれませんか?』と電話がかかってくるようになって、徐々に増えていきました」

 中学生で社長に就任したが、「最初は会社にするとかそういう頭もなくて、事業をやっていく上で利益がちょっと出たので、周りに『会社にしたほうがいいよ』と言われて、会社にしたっていう感じですね」。僧侶の仕事を理解するために自らも寺で修業し、髪の毛をそり落とした。宗派によって基準は異なるものの、当時最年少(16歳)で僧侶の資格を取得する。

 そして、高校では周囲が大学受験に向け、猛勉強を始める中、さらなる新規事業にまい進した。

「僧侶の派遣自体は割と単価が安くて、規模的には全国展開をしたんですけど、そんなに利益は上がっていなかったんですね。そこで当時はまだ珍しかった、お寺で葬儀というのを始めました。今は広まりつつある『お寺葬儀』ですが、日本で初めて組織的に運営をし始めたのは僕だと勝手に思っています」

 葬儀会館などで営まれていた葬儀を寺で執り行う。すでに寺のネットワークは持っており、さらに有効活用するためのアイデアだった。寺を貸し切って行うため、従来の葬儀会館で行われる葬儀よりも豪華に、価格も大幅に安く設定した。会社は成長し、19歳のとき、会社をM&Aで売却。10億円近い利益を得る。その後も上場企業からの30億円規模の資金調達を元に、納骨堂の運営や動物を供養するペット葬儀に事業を拡大させた。

「電車が来ていたら死んでいた」 睡眠不足と疲労で…ホームで失神

 地元では名うての若手起業家として知られるようになった。テレビ局から取材依頼が届くこともあった。今や両親も息子の会社に所属しており、倒産時の借金は完済し、両親の人生まで変えた。

 裏路地男さんは納骨堂建設のために宗教法人を取得し、住職として運営をしながら複数の事業を展開していく。

「アパレルとか健康グッズ作ったり、モデル事務所とかいろいろやっています。インフルエンサーと手を組んで女性用下着なんかも作っていました。今はカスタム時計製作に専念しています。もともと時計が趣味なんです。カスタムのロレックスとかそういう高級時計が今ちょっとブームなんですよ」

 香港とマレーシアに自社工場を構える。携わった事業は動画制作など細かいものも入れると、数十に上る。「最初は借金スタートですぐお金になるものが必要だったので、中学時代はビーチでイベントやったりとか、お化け屋敷を街中でやったりとか、意外とそういうこともいろいろやってきたって感じですかね」

 学校ではどのような生活を送っていたのだろうか。

「僕のモストフォーマル(正礼装)はいまだ学ランなんですよ」という裏路地男さんは、学校でも異色の存在だった。

「男子校ということもあり、どうしてもちょっと調子こいてるじゃないですけど、そういう感じに見られちゃうじゃないですか。それで陰で犯罪者扱いされたり、何か悪いことやっているなとか、そういうことは言われました。僕も調子に乗っている部分はありましたし、そのときはイラッとしましたけど、今思うと僕も悪かったなと思うところはあります」

 背も高く、格闘技の心得もあったため、直接言ってくる人はいなかった。その分、陰口をたたかれた。「まあ正直、嫉妬もあると思います。先生にもそういう方はいました」。クラスの友達は、「仲のいい人以外は信者とアンチに分かれていました」と、二分されていたという。

 一方で、青春も謳歌していた。恋人もいたし、アルバイトも経験した。意識していたのは、何かを削ることよりも、そのときどきで何を優先するかということだ。

「高校のときに働きすぎて、駅のホームで気を失ったんです。寝ずに仕事している時期があって、それこそ電車が来ていたら死んでいるじゃないですか。優先順位が間違っているなということに気づいて、今は健康に長く生きるために、いろいろ体を気遣うようになりました」

 ちなみに、アルバイトを始めたのは、「このまましなかったら一生バイトせずに死んでしまう」との思いがあったから。

「思いっきり経営している高校1、2年ぐらいのころに、ホテルでピアノ弾いたりとか、普通にウエーターみたいなことやったりしたんですよ。でも、すぐぽしゃった感じですね」

 うまくいかなかった理由は。

「人から言われてやることに人一倍ストレスを感じちゃうんですね。いろんな非効率なところが耐えられないというか、こうしたらいいのにとか思っちゃうんですよ。最近は言わないほうが波風立たないから言わないってことを覚えてきたんですけど」

フェラーリ乗っても「嫌な目で見られたりとかのことのほうが多い」

 20年という人生で、人の死に直面したことがある。中学3年生のとき、趣味だったスキーのバックカントリーで先に滑走した知人が雪のかかった岩に激突。目の前で帰らぬ人となった。2年前には米国から購入したばかりの船が海上で突然停止。テトラポットに衝突して転覆しかけ、命からがら泳いで脱出した。同乗の友人は血だらけになった。

「どう生きるか、みたいなことを考えさせられました。運がいいのか悪いのかみたいな人生です」と生きながらえた意味を考えている。

 起業家、経営者としての姿勢は「好きな作業から手をつける」と明かす。

「僕はそもそも勉強が嫌いで起業しています。でも、いざ起業すると勉強みたいなことがいっぱいある。映画で見るような経営者のかっこいい部分、理想像みたいなことだけを最初やって、嫌なこと全部後回しにするんです。そのせいで税務署がトリオでやってきたりもしましたが、その都度改善していけばなんとかなります」

 6500万円のフェラーリを購入したのは昨年11月。車への興味は薄かったが、「何事も経験」と思って手に入れた。

「正直機能はいいですけど、若者が乗っていると嫌な目で見られたりすることのほうが多いんですよ。あまり僕には合わないと思います。ただ、昔汗だくで営業で歩いていた道をフェラーリに乗って通ったりすると、ちょっと自分成長したなみたいなふうに感じるときはありますね」

 これからの夢、目標は。

「薄っすらですけど、選挙出たいなと思っていて」

 日ごろ野良猫を保護するたびに役所に連絡している。将来は殺処分ゼロなどペットのために役立ちたいという願いを持つ。

「まずは、自力で犬猫特区のようなすごくでっかい規模の施設を作りたいですね。30歳ぐらいまでに誰が見ても本気だなって思えるような規模のペット関係の施設を自費で作って、その上で政治参加できたらなと思っています」

 資金は可能な限り、蓄えていく。

「事業って基本的に何種類か並行してやるんですよ。短期的に小さい利益が出るものと短期的に大きい利益が狙えるもの、長期的に大きい利益が狙えるものや継続的に安定して利益を得られるものといろんな種類がある。それらを組み合わせながら、何とか資産を数百、数千億規模までいけたらなっていう感じです」と、裏路地男さんは結んだ。ENCOUNT編集部