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製紙大手の4〜6月、全社が営業増益 値上げ進む

製紙各社は価格転嫁を進めた

製紙大手4社の2023年4〜6月期決算が10日、出そろった。日本製紙王子ホールディングス大王製紙北越コーポレーションの全社が営業増益を確保した。前期まで原材料価格の高騰が利益を圧迫していたが、価格転嫁が進んだ。

大王紙が10日発表した4〜6月期連結決算は営業利益が前年同期比9.5倍の27億円だった。印刷用紙や家庭向けの衛生用紙など幅広い製品で値上げが進んだ。発表を受け株価は急騰し、一時前日比102円50銭(9%)高の1264円と年初来高値をつけた。

日本紙は営業損益が前年同期の29億円の赤字から8億円の黒字に転換した。値上げ効果が出た。海外子会社の事業撤退に伴う特別損失を計上し、最終損益は52億円の赤字(前年同期は81億円の赤字)だった。

王子HDの営業利益は40%増の217億円だった。段ボール原紙や印刷用紙などで値上げが進んだ。北越コーポの営業利益は96%増の71億円だった。