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保険の「不正請求疑惑」めぐり大手損保が大揺れ 中古車大手ビッグモーターの組織的関与が焦点

損害保険会社に対する車両修理費の水増し請求が発覚した中古車販売大手のビッグモーター(編集部撮影)

車両保険金の水増し請求をめぐって、大手損害保険会社が揺れている。

疑惑の渦中にいるのは、中古車販売大手のビッグモーター(東京都港区)だ。広告チラシなどで「年商6500億円! 社員数6000人!」と業界大手であることを強調している同社は、中古車の買い取り、販売のほか自動車保険の代理店事業や自動車修理などの板金事業も手掛けている。

実はその板金事業において、車両修理費用の水増し請求を組織的に行っている疑いが浮上し、取引のある大手損保各社が今まさに対応に右往左往しているのだ。

ビッグモーターの複数の関係者によると、水増し請求が表面化したのは2021年秋のこと。損保の業界団体に「上長の指示で過剰な自動車の修理をし、その費用を保険会社に請求している」という旨の内部通報があったことがきっかけだ。

全国の工場で水増し請求の疑い

内部通報を受けて、ビッグモーターと取引のある損害保険ジャパン、東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険の3社は2022年2月以降、修理費の請求書類を各社それぞれ数百件抽出してサンプル調査を実施。すると、全国に33ある整備工場のうち25の工場で、水増し請求が疑われる案件が合計80件超見つかったという。

中には、損傷のない車両のパネル部分に板金塗装を施したり、中古部品を新品と称して付け替えたりといった不正が疑われる悪質なケースもあったようだ。

そのため、3社はビッグモーター側に自主的な調査を要請。大手3社ともにサンプル調査で疑いのある案件が見つかった関東地域の4工場について、さらに詳しく調査をさせたところ、4工場すべてで水増し請求が確認されたという。

問題はここからだ。ビッグモーターによる自主調査の結果、複数の工場で水増し請求が発覚したとなれば、各工場における社員個人の過失というより、組織的な関与が疑われることになる。であれば、弁護士など第三者の協力も得ながら、詳細な追加の実態調査が当然必要になるはずだ。

ところが現在、一丸となって対応するはずの大手損保3社で、足並みが乱れる状況に陥ってしまっている。

その要因は大きく2つある。1つ目は、ビッグモーター側の姿勢だ。同社は水増し請求について「工場と見積作成部署との連携不足や、作業員のミスなどによるもの」「意図的なものでないことを確認している」などと整理し、兼重宏行社長の指示をはじめ組織的関与はないと主張しているためだ。それゆえ、水増し請求の対象になった車両の持ち主に経緯説明を行っていない。

早期の幕引きを図った損保ジャパン

2つ目は、ビッグモーターが保険代理店として所属する会社(代理申請会社)の損保ジャパンの対応だ。損保ジャパンはビッグモーターの自主調査や独自のヒアリングなどを基に、同社の主張をほぼ鵜呑みにするような形で、組織的関与はないと早々に結論づけてしまっている。

そうした判断を行った理由について、損保ジャパンは東洋経済の取材に対し、「組織的な不正の指示がなかったことを確認できたため」「(事務の)仕組みや作業員などの技術力不足が当該事象の真因であることから、全国的に同様の事象が発生しているとの認識のもと、会社として全社的な再発防止策を速やかに実施していることが確認できたため」と説明している。

だが、関東地域4工場の調査以後、追加の実態調査が行われていない段階で、仕組みや技術力不足などが「真因」と言い切れるのか甚だ疑問だ。

一方で、東京海上と三井住友海上の2社はどうなのか。ビッグモーターの関係者によると、2社は追加調査の必要性をビッグモーター側に訴えているという。ただ、年間の収入保険料が100億円以上にのぼり、大型の保険代理店であるビッグモーターへの忖度もあるのか、追加調査を求める圧力はお世辞にも強いとは言えないようだ。

大手損保3社のビッグモーターへの対応が及び腰に見えるのは、自動車保険をそれぞれ数十億円も売ってくれている大型の保険代理店であり、各社の営業成績に与える影響を無視できないからだろう。

損保ジャパンがビッグモーターの主張をほぼ丸のみし、早期の幕引きを図ろうとした7月以降、「東京海上と三井住友海上の自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)を扱わないという通知が社内であった」(ビッグモーターの関係者)という。これは、ビッグモーター側に水増し請求をこれ以上深く追及して来ず、水に流してくれそうな保険会社とだけ付き合おうとする素振りのように映る。言い方を変えれば、厳しく調査を求めるべき損保が振り回されているわけだ。

金融庁も損保各社の今後の対応を注視

ビッグモーターをめぐる組織的な不正請求の疑惑について、損保ジャパンから報告を受けている金融庁のある幹部は、「必要十分な調査をしたうえで、組織的関与はないと判断し幕引きしたのだと思っていた。彼ら(損保ジャパン)の当初の説明内容と現状がだいぶ異なっている。改めて確認したい」と憤慨した様子で話す。

そもそも板金事業における水増し請求といった不祥事案は、保険業法上の報告義務がない。損保ジャパンは監督当局に対する任意の報告であることを逆手に取り、最小限の説明で幕引きを図ったとみられる。だが、金融庁は関心を強めているだけに、ビッグモーターをめぐる一件は早期の幕引きとはならず、今後大きな問題に発展しそうな気配だ。
 

ビッグモーターに37人出向の損保ジャパン「不正を認識していた出向者はいない」

 自動車保険の保険金不正請求を行っていた中古車販売大手「ビッグモーター」に対し、損害保険ジャパンが2011年から計37人の出向者を派遣していたことがわかった。三井住友海上火災保険と東京海上日動火災保険も出向者を出しており、不正請求を見抜けなかった損害保険会社の姿勢を問う声が上がる可能性がある。

損保ジャパンは、ビッグモーターの板金や営業、品質管理部門に出向者を派遣していた。一時期はビッグモーターの第2位株主でもあった。損保ジャパンによると、現在は資本関係はないという。

 損保ジャパンは取材に対し、「不正を認識していた出向者はいない」としている。一方で社外弁護士による調査を検討しているという。

 ビッグモーターに対しては、三井住友海上は17年度から計3人を板金部門、東京海上も20年度から計3人を営業部門に出向させていた。3社はいずれも現在、出向を取りやめている。

 損保各社はビッグモーターと保険代理店の契約を結んでおり、自動車保険の契約者に対し、同社を修理工場として紹介していた。

 金融庁は、ビッグモーターの保険代理店としての実態などについて、損保各社に報告を求めることを検討している。

損保ジャパン、ビッグモーター不正を黙認・利用し契約増の利益享受か…問題体質が露呈

 大手中古車販売会社・ビッグモーターが、顧客から事故車の修理を請け負った際に、故意にゴルフボールを入れた靴下を車体に打ちつけて傷を付けたり、ドライバーで車体に引っかき傷を付けたりし、損害保険会社に自動車保険の保険金を水増し請求していたことがわかった。14日付「東洋経済オンライン」記事は、不正を受けて三井住友海上保険と東京海上日動火災保険がビッグモーターの修理工場への、自動車事故を起こした保険契約者の紹介を停止していたなか、損害保険ジャパンのみが再開し、それによってビッグモーターを窓口とする自社の自賠責保険の契約数を増やしていたと報道。同記事によれば、損保ジャパンはビッグモーターの不正の舞台となった自動車修理事業部門に5人の出向者を送り込み、重要な会議にも出席していたといい、損保ジャパンの責任を問う声も広まっている――。

 

問題が表面化したのは昨年。前出の損保3社に水増し請求を行っていたと各メディアで報じられたが、ビッグモーターは当初、組織的関与を否定していた。一般的に修理工場がこのようなことを行うのは、業界では常態化しているのか。それとも、ビッグモーターに特有のことなのか。中古車販売店経営者で自動車ライターの桑野将二郎氏はいう。

「自動車保険が適用される修理の際に、整備工場が修理見積を多少高めに算出することは、ないといえば嘘になるかと思われます。当初の想定より部品代が高くついたとか、問題ないと考えていた箇所も修理が必要だったなどという正当な理由で金額が上がることも当然ありますし、そうなることをあらかじめ見越して見積額を高めに設定するという場合もあります。ただそれは、あくまでモラル的に容認される範囲内であって、保険会社も暗黙の了解というか、忖度できる程度のことは大目に見てくれるという認識がお互いにあるでしょう。

 ビッグモーターの件について、大きな問題と考えられるのは、故意に損傷を広げて請求額を上げるなどの悪質な不正行為が全社的に行われていたことです。個人経営や中小企業の整備工場が、さすがにそこまでのことはやらないと思います。不正が明るみになった時のリスクも考えるし、保険会社との信頼関係もありますから。ビッグモーターは組織的に不正を行うことで、整備士一人ひとりの罪の意識を薄めていたというのと、保険修理の売上を上げるための手法についてマニュアル化していたことなどが報道で明らかになっています。

 また、保険会社とのパワーバランスも影響していたのでしょう。これだけのスケールの専業店になると、任意保険の契約数もトップレベルでしょうし、指定工場を多数構えていることから、自賠責保険の販売面でも保険会社にとってはビッグクライアントになるでしょうから、不正行為に対して黙認していた部分もあるのかもしれません」

 ビッグモーターは世間からの批判の強まりを受けて今年1月に特別調査委員会を設置し、「お客様、お取引先様をはじめ関係する皆さまに多大なるご不安・ご⼼配をお掛けしますことを心よりお詫び申し上げます」とする「お知らせ」を発表したが、その後もラジオなどで積極的にCMの放送を継続。さらに、調査委員会が今月7日に報告書をまとめたが、日刊自動車新聞の報道によれば、損保3社には報告書の抜粋版のみを提出し、悪質な行為の内容や経緯を隠蔽。報告書の内容はいまだに対外的には公表されておらず、5日に出された「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」もわずか400文字足らずで、「関係者の皆さまにはご迷惑とご心配をお掛けしておりますことを深くお詫び申し上げます」などと記されているにとどまっている。

「通常、不祥事を起こした企業は、しばらくの間はHPの目立つところに謝罪やユーザーへの説明の文章、問い合わせ窓口の連絡先などを掲載するものだが、現在もビッグモーターHPのトップページ上には不祥事に関する記述は見当たらず、大きく『クルマを売るならビッグモーター』『6年連続買取台数日本一』『安心BIG車検は年間26万台の車検実績』などの宣伝文句が踊っている。さらに驚くのは、インフォメーションページをみると、今月5日に『特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ』をリリースして以降も続々と新規出店やチラシ公開を告知する宣伝リリースを出している点。昨年に問題が発覚して以降、経営陣が会見などを開いて釈明することもなく、ここまで徹底的に『完全スルー』戦術を取る例は珍しい」(全国紙記者)

 15日付「テレ朝news」の報道によれば、第三者委員会の調査を受けた社員の4人に1人が不正行為に関与していたといい、組織的な関与が疑われている。そんななか、前出「東洋経済」記事で報じられたとおり、損保ジャパンが問題を認識しつつ黙認することで、自社商品の契約増という利益を得ていた疑いも指摘され始めている。ディーラーと損保会社の関係とは、どのようなものなのか。前出・桑野氏はいう。

「自動車保険の契約数や自賠責保険の販売額などの面で、保険会社にとってお得意様となるディーラーや大手中古車販売会社との関係は、それなりに深いといえるでしょう。例えば、小さな町工場が不正行為を繰り返していると、保険会社のブラックリストに挙げられて契約解除になる、という話は多々聞かれますが、大手に対してはそこまでの制裁が与えられているかは知るよしもありません。

 しかし、今回のビッグモーターのような、保険修理に対する故意の悪質な不正が横行するというのは異常だと思います。ここまで常態化した事実が発覚すると、ビッグモーターという企業が不正な利益によって経営されてきたということになります。保険会社から騙し取ったお金で、社員の給与を支払っていたという見方にもなりますよね。一方で社員は、会社の利益追求に従い、上司から託されたマニュアルに沿って、間違った愛社精神で不正を行ってきたわけです。企業責任という面で非常に重い罪を犯していることになります。

 ASV(先進安全自動車)の技術進歩とともに交通事故が減っているなか、自動車販売店や整備工場にとって『おいしい事故対応の仕事』が減っているのも事実。見積金額を上手につくれば儲けが出る、なんていう昔の話を今でも続けようという浅ましさが、大企業を窮地に追い込んでしまったのかもしれません。流通や燃料のコスト面、物価や通貨のリスクと、利益率が下がる一方の自動車業界は、最近あまり良いニュースが聞かれなくなりました。そんななかでも社会的モラルだけは失うことなく、こうした不祥事にキチンと制裁を施す社会であってほしいと願うばかりです」

 また、ディーラー関係者はいう。

「地味な話なので普段は注目もされないが、実は損保会社と自動車ディーラーは切っても切れない関係にある。車を購入した人は、そのディーラーを窓口にして自賠責保険に入る。つまり、損保会社にとってディーラーは重要な販売チャネルの一つ。また、自動車の修理工場にとっては、損保会社とその代理店は保険契約者の事故車修理を仲介してくれる存在であり、その自動車修理事業も手掛けるビッグモーターと損保会社の関係は自ずと深くなる。もし仮に報道のとおり、不正発覚を受けて他の損保会社がビッグモーターへの事故車修理の紹介を停止しているなかで損保ジャパンだけが抜け駆け的に再開し、それによって自賠責保険の売上を伸ばしていたのだとすれば、保険業界トップクラスの企業として倫理的に明らかに問題といえる。今後、損保ジャパンの関与の有無が焦点となってくるだろうが、不正の責任の一端が損保ジャパンにもあるといわれても仕方ない」(同)

「ガツガツした営業」が特徴の損保ジャパン

 保険業界関係者はいう。

「東京海上日動や三井住友海上と比べて、損保ジャパンは営業力が強かった旧安田火災と旧日本興亜損保を母体としていることもあり、損保業界のなかでも『ガツガツした営業』で知られる。なので、今回のニュースを聞いても『損保ジャパンなら、これくらいはやるだろう』という感想で、あまり驚きはない。コンプラ重視にうるさくてお行儀のよい東京海上日動や三井住友海上なら、こんなことはやらないだろう」

 当サイトは2020年1月11日付記事『損保ジャパン、過失割合10対0でも補償金“払い渋り”…右足切断の被害者へ冷酷な対応』で損保ジャパンの企業体質を報じていたが、以下に改めて再掲載する。

※以下、呼称・役職・数字・時間表記等は掲載当時のまま

――以下、再掲載――

 損害保険ジャパン日本興亜(損保ジャパン)の交通事故対応をめぐり、昨年末ごろからインターネット上で被害者を名乗る人たちが続々と声をあげている。被害者への保険金未払い、担当者の不誠実な対応などに関する証言や、事故当時の生々しい写真なども続々と上がり、批判の声が収まる気配を見せていない。

「過失割合10対0でも支払いなし」

 今回の騒動は12月12日、Twitter上で「高速道路で追突事故に遭い、相手10:0で示談交渉中、相手方保険会社の損保ジャパンから連絡があり修理費・買い替えにかかる費用も支払わないと連絡があった」との投稿が端緒になった。その後、続々と損保ジャパンの対応に関する批判が相次いでいだ。

「この間のうちのもらい事故、信号停車中に追突されたんですが車の方は全額支払い完了しましたが、治療費8回分は支払えないと言ってきました 弁護士特約を使って戦うか、治療費を自分の保険から出る一時金で賄って終焉させるか、、、。尚、相手方は損保ジャパン」(原文ママ、以下同)

「私の友人。交通事故に遭い損保ジャパンから慰謝料の提示をうけたが、不服だったようで交渉の為、理由等を記入した書類を10月末に送付したが未だ届かず。可否の連絡くらいよこせばいいのに」

 相次ぐ批判に、損保ジャパンは公式Twitterアカウントを承認制に移行。一連の批判に対して「現役損保メン」と名乗る人物が発端となる投稿に対して保険業界のルールをあげたうえで、次のように反論した。

「自動車保険会社のできること・できないことはどこも同じです。なぜなら、保険会社の役割は『加害者が法的に負う範囲を補償する』立場にあるからです。

 今回の件は被害者の方には申し訳ないですが、本当によくあることなのです。加害者の保険会社がどこであろうと被害者は同じ事を言われています。

 これを機に損保ジャパンを悪く言っている方も大勢いらっしゃいますが、違う保険会社の口コミも確認してみてください。どこの保険会社も同じようなことがいっぱい書かれています。

 なぜなら、どこの保険会社も『支払いができるもの』『支払いができないもの』は決まっており、同様の経験をされた方が多くいらっしゃるからです。自動車事故はお金が絡むこともあり、感情的になりやすいのです」

 確かに自動車保険を有効活用するためには専門的な知識がいる。仮に事故に遭って混乱している状況にあっても、法律的なものの見方も必要になる。上記の反論にあるような保険業界の「常識」や「ルール」は、時代の移り変わりに沿った実情に即しているものなのだろうか。

 当サイトでは昨年末から損保ジャパン広報部に今回の炎上の件で見解を問い合わせているが、返答は得られていない。

7年に及ぶ損保ジャパンとの闘い

 事故に遭わなければ、知ることのない保険業界の不可解なルールがある。損保ジャパンと約7年にわたる弁護士を交えた論争をしてきた交通ジャーナリストのジャンクハンター吉田氏に自身の経験を聞いた。

【吉田氏の証言】

 私が事故に遭ったのは、20007年12月、東京都千代田区岩本町の靖国通りをバイクで横断しようとしていた時でした。右方向から信号無視した乗用車が直進してきて、とっさにハンドルを切って、植え込みに頭から突っ込みました。

 頭から地面に落ち、頚椎と右腕、右足を強打。東京大学付属病院に運ばれました。現場で乗用車の運転手さんは信号無視を認めていました。残業明けで、意識がもうろうとしていたとおっしゃっていました。事故後に謝罪にも来て頂きました。過失割合は10:0ということでしたが、警察は損害に関しては民事なので介入しないとのことだったので、相手側の保険会社である損保ジャパンと交渉することになったんです。

 当時、私は編集プロダクションで雑誌付録のDVDの制作をしていました。バイクには仕事で使うDVDと業務用のカメラを積んでいたのですが、すべて全壊しました。首の怪我はかなり重く、右半身にマヒが出ていました。歩くのもおぼつかない状態でした。

バイク店に「安くしろ」

 まず、事故で壊れたバイクの修理費の見積もりを出してほしいということだったので、10数年前から懇意にしていたバイク屋の店主にお願いしました。ところが、数日後、バイク店の店主から驚きの連絡があったのです。『保険会社の担当者が修理代の見積もりが高すぎる。安くしろと言ってきている。こんなことは長年バイク店をやっていて初めてだ』。

 修理費と工賃で約38万円だったと思います。すぐに損保の担当者に電話をして事実関係を問い合わせたところ、「そんなに高いとは思わなかった」と言うんです。

 そもそも38万円も出せば、新しいバイクが買えるので、改めて新車購入費用を担当者に求めたのですが、今度は「そんな予算はない」という返答でした。予算とはいったいなんのことなのか。さっぱりわかりませんでした。挙句の果てに、前出のバイク店の店主に対して、「でも吉田さんは別に車とぶつかっていないですよね。高すぎます」と言い始めたんだそうです。

副社長に言ったら「すぐ支払います」

 当時、私の伯母が銀座のクラブを経営していて、そこに損保ジャパンの副社長が来ていることがわかりました。一連の担当者の対応を伯母を通じて、副社長に伝えたところ、すぐ担当者から電話がかかってきて「すぐにお支払いします」ということになりました。

 現場レベルではダメで、トップダウンならすぐにお金が支払われる。いったいどういうルールと仕組みで、損害保険は回っているのかと正直疑問でした。

 のちほど、交通ジャーナリストとして仕事をする中でわかったのは、保険会社の事故担当者は1円でも支払いを安くすることが個人の成果に直結するという事実です。

 その後、負傷により歩けない時期が45日間あったので、仕事での移動で担当者にタクシー利用の許可をもらって使い始めました。総額で30万円くらいになったのですが、それも「使いすぎだ」として支払いを拒否されました。結局、その担当者は解雇され、新しい担当者に代わりました。それで話がスムーズにいくと思ったのが間違いでした。

「新しい事故を起こすと保険会社が引き継がれる」

 事故後も右手、右足のマヒとしびれ、痛みはずっと続いていました。それでも編プロの仕事をしないと食っていけないので、病院に通うのも週2日に抑えて働いていました。それについて、新しい担当者は「通院回数が少なすぎる。吉田さんもう大丈夫なんじゃないですか」と言われました。

 そして08年4月、また事故に遭ってしまいました。仕事でバイクを運転していたところ、神田神保町付近の靖国通りでタクシーの幅寄せに巻き込まれて、ガードレールとドアに挟まれてしまったんです。幸いこの時は、ほとんど大きなけがもなく、バイクやタクシーにも大きな損傷はありませんでした。

 そこでタクシー側の三井住友海上保険の担当者から、またしても驚きの提案を受けることになったんです。

「損保ジャパンさんから補償を引き継ぐことになったので、よろしくお願いします」

 今回の事故ではほとんど損害は受けていません。どうして三井住友が前の事故の補償も請け負うことになるのか尋ねたところ、『新しい事故が起こった際が、保険業界のルールとしてそうなります』との説明でした。

 納得がいかなかったので、何度もお願いし、結局、損保ジャパンに引き続き事故の補償を求めていくことになりました。

休業補償は自営業者には出せない

 自分自身でカメラを回せなかったので、代わりのカメラマンを雇ったり、事故で没になってしまった作品などに関する見積もりを取引先に出してもらいました。おおよそ500万円くらいになりました。これらの損害に関して、休業補償を求めようとしたところ、「雇用者なら出せますが、フリーランスや自営業者には出せません」と断られました。理由を聞くと「補償できないルールになっています」との回答でした。

 もはやどうしようもなくなり、損害賠償というかたちで補償を求めることになりました。そうしたら損保の担当者は「加害者と相談する」と話し、その2~3週後、同社の顧問弁護士から「私を訴える」と連絡がきたのです。まるで同社が加害者をけしかけて、訴えたように見えます。私も知人の弁護士を立てることになりました。

 その後、右半身のマヒがひどくなり、後遺障害が出始めていることを損保に訴えたのですが、損保は自社指定病院での診断を要請してきました。その結果、後遺障害はないと診断されました。

 2015年まで弁護士を通じて話し合いが行われました。その間、約200万円の費用がかかりました。最終的に裁判所から、「損保ジャパンが和解案を提示してきた」と連絡があり、悩んだ末にこれを受け入れました。和解案は損保ジャパンが損害賠償として250万円を支払う。そして、後遺症などが出ても損保ジャパンは一切関係ないというものでした。和解案を受けるということは、民事訴訟では一定の勝利と見られます。今から考えれば、あれでよかったのかと考えさせられます。

 ちゃんと法廷で戦って、判例として結果を残すべきだったのかもしれません。事故から11年後の2018年、ずっと不調だった右足の神経が壊死してしまい、切断しました。今は義足で生活しています。あとに弁護士に聞いた話ですが、保険会社としては、どのようなかたちになるにせよ、この件が判例として残ることを強く恐れていたということです。

【以上、吉田氏の証言】

 交通事故時の損害保険会社の対応は、どのようなあり方が正しいのか。法律的な見解を山岸純法律事務所の山岸純弁護士に聞いた。

山岸弁護士の見解

 交通事故の被害者側弁護活動においては、大抵の場合、(加害者)保険会社と示談交渉をすることになります。ここで、一概には言えませんが、確かに損保ジャパンは、比較的、支払が“渋い”というイメージがあります。

 もちろん、他の損保会社と同様に損保ジャパンの担当者が過去の同様事例を勉強・研究し、不当な請求は確実に排除し必要な範囲において保険金を支払うという損保会社においてきわめてスタンダードなスタンスをとっているのであれば、なんの非難も受けようがありません。

 しかし、 交通事故の被害者側弁護活動を長年やっていると、損保会社によって「気前がいい」「手厚く支払ってくれやすい」「支払いが“渋井”」「難くせつけて、結局支払わない」などといった態度の違いはあり、 交通事故の被害者側弁護活動に 数多く携わる弁護士達の意見としては、損保ジャパンは後のほうの態度をとる場合が多いとされています。

 ただ、今回の“炎上”について、可能性の問題として考えられるのは、交通事故の保険処理等は一般の方にはとても難しく(我々弁護士も、毎回、手続きを調べながらやっています)、「相手方の保険会社の説明がうまく理解できず、ただ、『払わない』という点だけが印象に残ってしまった」という場合が多いのではないでしょうか。

 今回の真相はわかりませんが、私は少なくとも以下の点を強調したいと思います。すなわち、多くの損保会社は著名な俳優を起用するなどしておカネをかけ、立派なCMを作り保険を販売しています。その中で「事故の際もご安心ください」などと事故対応の手厚さを強調していますが、事故は、自損・単独事故を除き、こちら側(被害者、加害者)と相手方(加害者、被害者)があります。

 このため、「自分のところの被保険者」に対して手厚いだけではなく、 そもそも、自動車損害保険とは、もともとは相手方の損害を補償するためのものなわけですから、 相手方のケアに対しても手厚いことをあわせてアピールすべきと考えます。

 

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「入庫1件に対して自賠責5件」ビッグモーターが損保に100億近い水増し請求 ”共犯関係”の実態

ビッグモーター保険金不正請求が黙認されてきた理由

7月25日、ビッグモーターは保険金の不正請求の問題で初めて会見を開き、兼重宏行社長(手前から2人目)が辞任を表明。宏行社長の息子で、副社長を辞任した宏一氏は出席しなかった(撮影:加藤博人)

7月5日ビッグモーターは保険金不正請求について認め、同18日には第三者委員会による調査報告書の全文が公開された。そして25日には突如として兼重社長らの会見が行われ、兼重宏行社長、兼重宏一副社長の辞任が発表された。新社長には和泉伸二氏(専務取締役)、新副社長には石橋国光氏(取締役営業本部 部長店舗開発本部長)が就任することになった。 【画像】すごい…!社員に出されていた衝撃の「指示メール」入手…! 2021年秋、ビッグモーター社員の内部通報により「上長の指示で本来、自動車の修理代を実費より高くして、その費用を保険会社に水増し請求している」ことが判明した。14万円前後の利益を乗せることがノルマとして課されていた保険金不正請求では、水増し請求された側の損保各社がビッグモーターに対して怒り、水増し請求分の返還を要求している。すでに、ビッグモーターでは損保各社への返還をはじめている。 表面上は損保が「被害者」になっているように見えるが、現場ではうすうす不正請求であることに気づいていたのではないか?という声が確実に増え、それでも厳しく取り締まらなかった実態が判明した。 関係者への取材で分かったことは、過去5年間だけでも水増し請求を含めた各種の不正請求分は複数社の合計で100億近くになると言われており、5年で100億もの巨額不正請求分を損保が気づかないはずはない。当然、分かっていて“黙認”してきたのである。 では、なぜ不正請求だと分かっていて“黙認”してきたのか?それは、損保は不正請求を“黙認”する代わりに、ビッグモーターからビッグなご褒美がもらえるからである。そのご褒美のひとつが「自賠責保険の獲得」だったのだ。ビッグモーターの関係者は以下のように明かした。 「損保からビッグモーターの板金工場に入庫誘導した件数に応じて自賠責保険を使ってもらえる密約がありました。入庫1件につき自賠責5件です。損保によっては7件の場合もありました」 つまり、事故車1件の入庫をビッグモーターに誘導してくれた保険会社には、見返りとして5台分、損保会社によっては7台分の自賠責保険をその保険会社と契約する、ということだ。 ビッグモーターの関係者の証言にある「入庫誘導」とは何か。 事故を起こすと、まずケガをした人がいれば救護を行い警察に通報。警察の到着を待つ間など、多くの人は損保会社の「事故受付センター」に電話をする。保険を使う、使わないに関わらず事故報告と自走できなくなった車を運ぶレッカー車の手配などを行うことが目的だ。 そして、事故報告の際に必ず聞かれるのが、「入庫する工場はお決まりですか?」のひとこと。たいていの人はそこで、「特に決まっていません」と答える。そうすると、保険会社の受付は「では、ビッグモーター〇〇店はいかがでしょうか?」などと提案してくる。了承するとレッカーが来て事故車両をビッグモーターに運びこむことになる。これが「入庫誘導」だ。

修理費50万円以上でもアジャスターの立ち合いなしで修理した会社 「入庫誘導」によって、無事ビッグモーター板金工場へ入庫されたあとは事故車の損傷個所の確認が行われる。通常、20~30万円以上の大きな事故の場合は、損保側の「アジャスター」が登場する。保険修理の際、重要な役割となる担当者で、保険金の額を公正に算定するのが本来の仕事だ。損傷の状況と見積もり状況を照合し、修理工場との間で修理金額の「協定」を行う。 昨今、損保会社の払い渋りの傾向が強く、たとえば修理代の見積もりが30万円と出ても、アジャスターの力で15万円程度まで下げられるような状態が続いており、最近では「アジャスター」はできるだけ修理代を低く見積もるのが仕事になっている。しかし、ビッグモーターに対してはこれが当てはまらなかった。 ビッグモーターで数年前まで板金部門の責任者だったAさんは以下のように教えてくれた。 「契約者が損保ジャパンをはじめ特定の保険会社の場合、アジャスターの立ち合いはもちろん、協定すらなくビッグモーターの言うままに修理金額が決まっていました。損保ジャパン、共栄火災の損保2社については一番甘く、案件によっては50万円を超えても立ち合いがありませんでした。 三井住友と東京海上は見積もり金額によって対応が必ずしも決まっているわけではなく、ケースバイケースでした。たとえば、修理代50万円の見積もりの場合でも画像のみで終わるときもあれば、30万円でもアジャスターの立ち合いが来るときもありました。損傷が分かりにくい、前回りの見えない部分が多い案件は立ち合いをしていた印象です。 あいおいは修理代15万円以上になれば、全件立ち合いでした。損保の会社によって基準はまちまちでしたが、お客様が車を確認してくれという案件に対しては、金額や損傷関係なく、損保ジャパンと共栄火災の2社も含めて全件立ち合いをしていました」 損保ジャパンや共栄火災のように、ビッグモーターの言うままに水増しした見積もりを認めてくれる保険会社には特別なご褒美が用意されていた。それが、先ほどの繰り返しになるが、入庫をビッグモーターに誘導してくれた保険会社と、1件につき5台分の自賠責保険をその保険会社と契約することだった。 車の所有者は、定期的に行う車検のときに自賠責保険の契約を義務付けられている。24ヵ月で17000円程度と安価ではあるが、車の所有者全員必須の契約だ。車検台数が年間26万台のビッグモーターでは車検時に発行する自賠責保険だけでも年間約45億円になる。 前出のビッグモーターの関係者の話で、少なくとも自賠責保険を取り扱う損保5社と関係していたことが分かるが、その風向きが変わったのは、今からちょうど1年ほど前の7月中旬。ビッグモーターの全国の店舗や直営板金工場にこのような通達が行われた。

 

内部告発の発端となったビッグモーター酒々井店。かつては損保ジャパン以外にも多くの損保が「指定修理工場」「優良工場」「提携工場」などとして紹介していた

 

社員に出された指示のメール。昨年の7月14日以降、東京海上と三井住友の2社に対しては、自賠責保険の契約をストップするよう、指示したものと考えて間違いなさそうだ

FRIDAYデジタル


会見で涙を見せた新社長に就任する和泉伸二氏。信頼回復につなげられるだろうか(撮影:加藤博人)

そもそも中古車販売業者やディーラー、修理工場で保険の契約ができてしまうシステムが間違い。修理業者と保険会社がwinwinにならない関係にすべき。アメリカでは保険会社と修理業者は完全に敵対関係にあり、損傷した部位や修理費の争点があればすぐ裁判です。関係性の見直しが必要。世直し桃太郎より

この問題は、自動車保険に加入している全契約者が、被害者となっている事に気が付かなくてはならない。
ここ数年、損害保険会社は自動車保険の収支悪化により、保険料の引き上げが行われて来た。
ビックモーターの保険金水増請求分は、数百億円にも及ぶと言う。
その結果が、自動車保険の収支悪化につながり、保険料を負担する契約者に回されて来たのである。
損保各社は直ちに、損害賠償請求を起こし、保険契約者に還元すべきであろう。もしそれが出来ない損保会社があれば、それは共犯であった可能性がある。
鼠小僧Zero吉より
調べたら、私も自賠責保険、火災保険共に損保ジャパンに入ってました。ビツクリ!してモーター!業者がかってに決めたのでしょう、癒着があったに違いないです。今後車業界に限らず、建築業界でもこのような事が、発覚すると思います!火災保険を利用した悪質業者との癒着、バンバン出できますよ!
桑田佳祐さん、早く損保ジャパンのCMから降りてくれー!頼む。加齢なる親父より

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コメント: 30
  • #1

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 08:53)

    車を保有する全ての個人、法人が被害を被った反社会的行為。
    ビッグモーターは勿論のこと、金融庁は損保ジャパンを徹底的に監査する必要がある。
    損保ジャパン=SOMPOホールディングスは日経平均銘柄の一つ、生ぬるい措置では国民は納得しない。
    車以外にも火災保険等にも影響していると考えるのが合理的。

  • #2

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 08:54)

    自賠責は時々安くなるけど、本来ならもっと安くなるべきなんですね。
    最近は自動車の安全性が上がり、死亡事故や重傷事故は減っているはずなんだから、もっと安くなってもいいと思っていたけど、保険会社にとってのドル箱だったわけですね。
    今後自賠責の価格にもメスを入れるべきだし、何十年も払ってきた自分としては、向こう何年か無料で保障しろよ、と思います。

  • #3

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 08:55)

    これだけを見るとビッグモーターが保険会社に損害を与えた様に見えますが、
    実際は保険会社は事故率が上がっている事を理由に保険料を上げていると考えられますので保険会社自体は実質損はないと思います。
    つまり今回の件は最終的に保険料を支払っている私達が不利益を被っており、今自動車保険料を支払っている人達全員が被害者です。
    それを踏まえた上で今回の件をしっかり調査して欲しいです。

  • #4

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 08:56)

    自賠責もそうだけど、任意保険の水増し請求についてはもっと深堀りしないといけない。

    任意保険は基本的に契約者の保険料によって成り立っているので、100億単位の金が動くとなると、ビッグモーターに何ら関係の無い全国の保険契約者が気付かないまま負担を強いられている可能性が高いということです。

    国交省はビッグモーターの店舗に立ち入り検査をしているが、保険会社に対してもビッグモーターの水増し請求が一般被保険者の保険料金には影響が無かったのか、金融庁にも徹底的に調べてほしい。

    個人単位では僅かな保険料でも、あの悪徳会社を大きくするためや社長の60億円豪邸や別荘、クルーザーの足しに少しでもなったのかと考えると非常に胸糞悪いです。

  • #5

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 08:57)

    「損保からビッグモーターの板金工場に入庫誘導した件数に応じて自賠責保険を使ってもらえる密約がありました。入庫1件につき自賠責5件です。損保によっては7件の場合もありました」

    これはビッグモーターに限らず、ディーラーでも新車の顧客を紹介すれば自賠が割り当てられるとか、不動産業者に賃貸の客を紹介すれば火災保険がもらえるとか、普通にある。
    他業種でも、取引先とお互いの顧客を紹介し合うことはあるんじゃないかな。

    今回の問題は、客を紹介して保険をもらうことでなく、入庫誘導した後のビッグモーターの水増し請求や、それを見て見ぬ振りして入庫誘導し続けた損保ジャパンが悪質だという話だよね。

  • #6

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 08:57)

    この件で驚いたのが「自賠責保険は儲かる」ということ。保険というのは本来払う保険料と受け取る保険金が全体として釣り合っていないといけないし、まして自賠責のような強制されるものは尚更そういう性格でなければいけないはずなのだが、それが巨額な収益となっていたのなら話が違う。ユーザーはまさに無駄に高額な保険料を払わされていたわけで、制度の根幹を揺るがす大問題だと思う。
    こういう保険会社が出てくるようなら制度設計を根本からやり直さないといけない。

  • #7

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 08:59)

    日本の商人の基本は、客良し・我良し・世間良しの三方良しだ。これが、日本国の信用となっている。これに反する企業が増えてきたことは、単にビッグモーターと損保ジャパンだけの問題にとどまらず、「日本」のブランドイメージが瑕だらけになってきたということだ。
    ドラッガーのマネジメントは、けっしてきれいごとの非現実的なものではなく、現実そのものであり、顧客(消費者・投資者・従業員・社会)の幸福に寄与できない企業は、存在価値がなく、淘汰される。
    他者を欺くことに激しい嫌悪感をもつ日本人の心を、大切にしよう。

  • #8

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 09:00)

    100億円なら創業家の個人資産から会社に補填したらすぐ解決するな
    ビッグモーターは未上場だけど、他の中古車販売の上場企業の時価総額みたら、大体予想できるけど、資産的には全然余裕だろう

    どちらかと言えば、金で解決するなら全く問題ないが、刑事事件化して執行猶予なしの有罪になるのが怖いと思う

  • #9

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 09:01)

    本当に損保ジャパンの経営陣、計算できないよね。こんな上司を持つと部下がかわいそう。

    ビッグモーターとお付き合いするのと、関係見直しするのと、どちらが得か考えられないんだから。

    こんな大事になるなんて、真面目に働いている従業員や代理店も大勢いるのに、損保ジャパンというだけで嫌味も言われるだろうね。

    しかも業務停止とか出たら、今の契約者全てに対応や説明いるから大変だ。本当に気の毒です。

  • #10

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 09:02)

    自動車事故処理で、もし個人がこんな保険操作をしたら、たちまち詐欺として摘発されるでしょう。それが罷り通っていたのは保険会社との連携がものを言ったとしか考えられません。
    前社長が会見で表明していた不正については全く知らなかったという言葉は信用できません。会社が莫大な利益を上げているのは違法とは言え現場の努力であったはずであり、その多大な稼ぎを何も評価していなかったとしたらただのお飾り経営者ということになります。今後の捜査で前社長の関与があったのかどうかが注目されます。

  • #11

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 09:02)

    自賠責、車両保険の制度(法律)に問題ありと思います。
    100億円もの水増し請求で会社経営が普通に成り立っていることが信じられません。
    一定以上の利益が出れば、次年度に保険料を下げて、利益が少なくなれば保険料を上げます。それを監督するところが金融庁です。
    今期の事故が少なく利益が予想以上に出そうであれば、保険料が下がるのを防ぐために、積極的に水増しにも支払って利益を減らそうとするでしょう。
    一番被害を被るのは保険料を上げられる国民です。
    自民党への献金も多いと察します。こういう制度は改革して、国民負担が少なくなる制度にしてほしいと思います。

  • #12

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 09:03)

    これって過去に類を見ないとんでもない不正行為なのではないだろうか?パワハラ体質の一企業が単に不正していたって話とはわけが違うと思う。自賠責は強制加入で性質的に税に近い側面がある。その負担者はユーザーなわけで、単純に自動車を保有しているすべてのユーザーが被害者っていうことになるのではないのだろうか?加担していた(黙認していた)損保会社も含めて徹底的に追求して真実を明らかにしてほしいです。

  • #13

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 09:04)

    ビッグモーターに限らず、大手中堅の中古車販売業者と損保会社は同様の
    自賠責保険&自動車保険スキームを行っています。そして、それは自動車
    ディーラーでも同様で自動車購入のお客さんをどれだけディーラーに紹介
    したかで、ディーラーが取り扱う自賠責保険&自動車保険のシェアが決まる
    仕組みです。どちらかといえば圧倒的にディーラーとの取引の方が大きく
    そちらもメスを入れないと自動車業界と損保会社とのズブズブの持ちつ
    持たれつの関係はなくなることはない。ビッグモーターは氷山の一角です。
    ビッグモーターなどの中古車販売店にはメスは入れれても、自動車ディーラー
    その先にある自動車メーカーは日本の基幹産業だし保険会社も特に大手の
    財閥系は政財界に人脈と相当なお金をまいているので、このスキームは
    なくならず、ズブズブの関係は続くでしょう。結局、消費者が損をして
    大手会社が利益を得る構図です。

  • #14

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 09:05)

    1代でここまで大きく築き上げた兼重宏行元社長に代わり代襲で社長を継ごうと重重宏一元副社長は副社長の座に就いた途端にその地位を利用してド過ぎたパワハラを繰り返す。そして全国的、取り扱い高ナンバーワンを維持、向上させるために現場に圧力をかけて保険金詐欺を強要させていたのだろうと誰が見ても 推測できる。宏行元社長は会見の中での証言はあまりにも稚拙で理路整然としなかったが、ある意味息子に大多数の業務を任せきりにして現場を見ない、知らなかったというのは本当かもしれない。会見場所に出ずに雲隠れしている宏一元副社長は今回の事件の張本人かもしれない。警察は宏一元副社長を全ての案件、(保険金詐欺、植栽除草剤散布)の容疑者として検挙すべきかと思います。

  • #15

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 09:06)

    自賠責保険は利益が出ないから、営業もそこそこに、支払いもそこそこに。そんな中、入庫1で契約5なんて、夢のような話。そりゃ、多少の不正は眼をつぶりますよ。

    自分も昔追突された時、保険会社に誘導されたけど、適当に修理されるの嫌だったから、速攻でディーラーに持っていった。キチンと仕事してもらって良かったです。

    本来は事故にあった人に支払いを渋るのではなく、適切に払うべきを払う。
    これが、なおざりになれば、何のための保険だか。

    結局、不正請求で支払ったお金は、本来支払うべき人に支払われていない可能性を示唆している。

  • #16

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 09:08)

    自動車の安全性が年々向上して事故の件数自体が減って、破損した車を修理する板金業者の仕事も無くなってきたという背景もある。利益確保のために、修理費用をかさ増ししたのだと言える。しかし、不正に保険金をせしめる行為は詐欺や背任行為と言える。本来ならば複数の業者で相見積もりで比較検証するのが良いが、事故という非定常かつ緊急な案件でもあるから、業者の言い値でやることになるのだろう。そこに不正の温床がありそうである。

  • #17

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 09:10)

    自賠責保険はユーザーが必ず加入しなければならない保険で、新車購入時や車検時に加入・更新しますね。
    それを融通する・優先的にというのはどういう意味だ?
    殆どのユーザーは任意保険は選択しても自賠責保険はどこかを選択しないで「加入させられる」ので、その保険を特定の保険会社のものに加入させると、加入時に会社をどれにするかだけ・・・1社に偏れば他が少なくなるだけ(任意保険はユーザーとの駆け引きがあり内容も様々なので保険勧誘員の手腕にかかってる。でも自賠責はどこでも同じ)。

    保険での修理金額が増えて翌年の保険料が「全ての保険支払者」の負担増の成ってるのは、許しがたい事だ。
    基本料金(ベース)が上がるという事実をもっと知らないと。

  • #18

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 09:11)

    保険は保険請求額によって保険代が決まる。つまり、不正割増請求によってまじめな加入者は多額の保険金を払わされていたことになる。全ての保険加入者にビッグモーターはこの分のお金を返還する必要がある。車の所有者全員が原告となって請求できるようなシステムを国は作らなくてはいけない。
    該当する期間の全ての保険の控えから返金金額を保険会社は算出し顧客に通知、顧客は返金口座を記入して返送、とか。
    なお、この件に関しては、時効を適用しないという法整備も必要だ。

  • #19

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 09:12)

    自賠責保険をどこにしますか、なんて話は車屋から購入者にされない。
    どこにしても金額変わらないから購入者は興味もないし、手続きをする車屋次第。
    ここが変わらんと大量の車を販売できる全国展開する中古車屋は保険屋に対して絶大な力を持ち続けられる。
    ビックモーターの再起は難しいと思うが、自賠責保険と任意保険のあり方を考え直さないとこの構図はなくならないだろうね。
    対人対物無制限は義務で強制、それ以外の付加保険は任意、そのどちらもどこの民間保険会社にするかを車を購入する人が決める、とかね。
    積立金の運用に関する利権もあるだろうから政治がそこまで踏み込まないのが一番のネックだけどね。

  • #20

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 09:13)

    損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、東京海上日動火災保険、この3社は10年以上前からビックモーターとズブズブの関係であったのは事実。業界で知らない会社は無い。今回の不正事案などが世間に知られることとなり、仕方なく動き出したというのが正解だろう。水増し請求だけに限らず、その他グレーな取引は損害保険各社にも責任があることを知るべきである。

  • #21

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 09:14)

    これ、損保ジャパンの保険料に上乗せされていますよね?
    もしくは自動車保険だけでなく、損保ジャパンの扱う火災保険等にも上乗せされていないでしょうか?
    もしそうであれば、過去に遡って顧客一人一人に上乗せしていた分を利子を付けて払い戻す必要がありますね。
    私は自動車保険を他社で加入しているのですが、他社でも同様の問題がないか規制当局には徹底的に調査して欲しいものです。

  • #22

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 09:15)

    この記事でわかる通り一番の問題は保険会社が利益追求に大幅に舵を切っている点だ。
    今回の損保ジャパンはもちろんだが、保険会社各社の重役が多額の報酬を得ている。これは契約者から金を集めて何か起こった際に保険料を支払うという保険会社という会社の役割から鑑みて果たして妥当なのであろうか?

    税金を集めて給与を得る官僚・議員等と同じ構造へなっているのではないか?

    金融庁は既存の制度の異常性までも考慮に入れ対応しなければ将来に起こりうる同様の犯罪の抑制を防ぐことはできないであろう。

  • #23

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 09:16)

    カーディラー勤務です。
    車屋と保険屋はズブズブの関係です。
    自賠欲しさに保険屋は接待しまくりです。
    車屋は大手三社の保険代理店なので、どこの損保で自賠を切るかは自由です。
    この関係性がダメで、なんとか自賠欲しさに忖度が起きます。
    BIGモーター自社板金工場を損保指定工場にして事故車を誘導すればBIGモーターの売り上げになるし損保側も修理協定がスムーズに進みます。
    工賃単価のレパレートも未だに6000円台で協定してるので多少の過剰請求なんて損保からしたら痛くも痒くもありません。
    保険を使えばお客様の保険料があがるだけ。
    これぐらいの保険請求で自賠沢山もらえるなら黙認だったと思います。
    車屋と保険屋はwin-winの関係です。

  • #24

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 09:17)

    詐欺によって保険支払いが増したとしても、翌年以降の等級アップで数年で元が取れるからね。保険加入者死亡などの「回収見込みのない案件」以外は、共犯関係の方が旨味がある。

    日本が拝金主義だからでしょ。

    ずっと感じていたけど、日本人の価値観は物質的で無形よりも有形を好む。事業の可能性などといった不確定な要素より、土地などの有形資産を重視。こういった考え且つ、リスクゼロで利益アップを目指そうとするなら人件費カットや詐欺まがいの不正行為以外ないでしょ。

    信用を旨とする保険会社でこの有様だけど、損保会社の業務停止や資格取り消し等の行政処分が出来るかというと、それは決して出来ないはず。頼みの政治も企業寄りでしかなく、結果的に全ての負担は消費者・国民に。

    日本に退廃感を感じるけど、今後良くなりますかね。拝金主義って治ると思う?

  • #25

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 09:19)

    もと損保社員やけど、これはちゃんと取材した記事やな。
    ちなみに損保各社は20年以上前から、修理工場ごとに修理平均単価をはじめ、さまざまな情報を蓄積している。
    損害率の高い業者は、見積額に関わらず全件立ち会いを行うなど、当時から適正査定に向けた取り組みがなされている。
    つまり損ジャのように、知らなかったなどという言い訳は絶対にあり得ないのである。
    今回の件は、歯痒い思いをしている他損保からのタレコミもあったかもしれんな。

  • #26

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 09:22)

    100億どころでは無いと思うよ。
    五年で100億だよ一年で20億となる。
    全体の売上が年間で5800億だよ。
    たかが20億で危ない橋を渡るかな?
    実際の金額はもっと高い。
    そして不正は保険の不正請求だけではない。
    あっちで不正こっちで不正で何億かを稼いでいるのだろう。
    一つ一つは小さくても全体では巨額になる。
    要するに有りとあらゆる業務で不正が常態化していると考えられる。
    コーティングはしない、オイル交換もしない、整備はしない、だがお金は貰う。
    必要と偽って不当な手数料の請求などもあるだろう。
    はっきり言って中古車販売店や修理屋など儲かる仕事ではない。
    車は生活必需品だから確実な売上が見込めると言う業界だ。
    べらぼうに儲かりはしないが、安定性はあると言う業種なんだよ。
    そこで頭1つ2つ飛び出ると言うのは、まあ不正をするしかない訳だ。

  • #27

    名無し (日曜日, 30 7月 2023)

    保険って個人と保険会社の契約やのに悪さしたらアカンわな。たしかに任意保険で修理、
    自賠責保険って強制保険やけど、使う人いるんかな?任意保険の内容説明は受けるけど自賠責保険の説明って受けた事ないな。
    自賠責保険って保険会社のドル箱か?
    とにかく不正あった時点で保険代理店辞めさせなアカンわな。自賠責保険切れやんかったら車販売できやんし。出来んのかな?
    とりあえずはこの問題解決したら、今の取締役、幹部は総辞任して欲しいな。でないと納得できん。

  • #28

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 09:24)

    ウチは今、あいおいの案件が1台入庫してるけど、50万超えてるけど立会いはないよ。
    保険会社は怪しい修理工場には10万くらいでも立会いするよ。
    ビッグのような見返りがあれば別だろうけど。
    ウチの地域のDRP(保険会社からの直接入庫)指定工場は仕事が安定していて勝ち組だったんだけど、ビッグができてからかなり入庫は減ってたみたい。
    今回の件で一番喜んでるんじゃないかな。

  • #29

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 09:24)

    いや、もうこれ堅気さんの会社じゃないじゃない。この前社長って本当に素人さんなの?詳細を知るとフロント企業にしか見えない。

    >7月の自賠責発行依頼になります。
    >今月につきましては今日以降、
    「依頼になります」って社内の正式なメールでこんなどこかのバイトみたいな言葉遣いをしてるのもお里が知れる。
    保険会社に対して、会社の方針として甘くしたり厳しくしたりこまめに対応を変えている事だけを見ても組織ぐるみ、全社ぐるみだという事が判る。全てが立証されるまで大した時間は掛からないと思う。よくまあ、今まで陰でこんな不正を続けられたものだよ。もう廃業一択だな。廃業する前に倒産かも知れないけど。空売りでもするか、ってひょっとしてもう取引規制掛かっちゃってる?

  • #30

    名無し (日曜日, 30 7月 2023 09:28)

    損保ジャパンに加入してます。今年の更新時に、保険料が高くなりました。
    代理店に聞くと、部品代上昇、人件費(給与)アップ、が理由でした。
    しかし、このニュースを見てから、本当の原因がわかり許せない気持ちです。
    家族で損保ジャパンに入ってますが、身内の関係で他には変えれないので困ってます。