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こわいオジさんが小さな不良の自分を矯正してくれました。青空と向日葵の会

【こわいオジさんが小さな不良の自分を矯正してくれました】
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私が高校2年生の時の話です。
私は体質的に筋肉質で喧嘩の腕っぷしに自信があり、
毎日のように喧嘩をしていました。
今思えば、とても恥ずかしい話です。
そんな不良だった私を叩き直してくれたオジさんのおかげで、
私はまともになれました。
当時は、先輩後輩の間がギクシャクしており、
後輩から先輩に対して、突っかかっていくことがよくありました。
もちろん、その先頭は決まって私でした。
先輩の中でも私の噂は広がり、からまれることが多くなっていきました。
しかし、喧嘩に自信があった私は先輩を負かし、
日に日に誰もからんでこなくなりました。
天狗になった私は、繁華街に出て自分から喧嘩を売るようになり、
喧嘩づくしの毎日になりました。
ある日、いつものように繁華街で喧嘩相手を探していると、
一人のオジさんが、仲間と思われる強面の人たちを
3人ほど連れて歩いてきました。
私はわざとぶつかり、
「どこ見てんだ、じじぃ!殺すぞ!」
と喧嘩を売りました。
もちろん、その3人は私を囲んでやる気満々です。
その時、そのオジさんは
「やめねえかお前ら。
 たった1人に3人が群がって恥ずかしくねえのか」
と言いました。
3人は「すいません」と言い、
オジさんの後ろに戻りました。
オジさんは続けて言いました。
「おめえ、自分より大人数に喧嘩を振れるなら、たいしたもんだ。
 だけど、おめえさん知らねえだろ?自分より強い奴を。
 何なら俺が相手してやるから来てみな」
そう言われた私は、そのオジさんに向かっていきました。

は向かっていったのですが、 オジさんの目の前で止まってしまいました。

なぜなら、オジさんのとんでもない威圧感に圧倒されたのです。

オジさんの目を見ると、 さっきまでの穏やかそうなオジさんとは思えない、 まるで鬼のような目つきに変貌しています。

私はその目を見て身体が震え、冷や汗も止まらなくなったのです。

喧嘩で感じた初めての恐怖でした。

オジさんは、 「それがおめえの実力だ。  圧倒的な実力をもつ者の前では、  おめえなんてちっぽけなひよこだ。  本当に強いやつは自分の弱さを知ってる。  おめえはまだ若い。  こんなことしなくても、おめえを認めてくれる人は大勢いる」

そう言うと、オジさんは私の頭を撫でました。

その時、私はなぜか泣き崩れました。

続けて、 「それでいい。人に自分の弱さを見せろ。  そうすれば、皆おめえを迎え入れてくれる。  強くなりたいなら、自分の弱さを知ることだ。

 おめえは、これからもっと強い人間になれる。  なぜなら、おめえは人に涙を見せられる優しいいい人間だからだ」

そう言って、頭をポンポンとし、 にっこり笑って帰っていきました。

この日から私は喧嘩をしなくなり、 段々と穏やかになっていきました。

今までの分からない不安もなくなり、 自然と友達も増えていき、高校も卒業。

無事就職も出来て、よい人生を歩んでいます。

あの時のオジさんには頭が上がりません。本当に感謝しています。

私の体験からではありますが、 もし心に余裕のない方、何か不安を持っている方がいらっしゃるとすれば、 ささやかながら、アドバイスができるかもしれません。

そんな方は、人に自分の弱みを積極的に見せてみてください。

涙を人に見せてみてください。

そしたら、余裕がなく、不安を持つ自分のことでも、 許すことができるのではないかと思います。

自分で自分を許すことが出来れば、 まるで肩の荷が下りたように、気分がスッキリするかと思います。