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横浜・18歳刺殺「全てに疑問悲しみ憤り」 遺族コメント全文

 横浜市鶴見区で大学1年の冨永紗菜さん(18)が刺殺された事件で、紗菜さんの遺族が30日、コメントを発表した。全文は次の通り。

 犯人はなぜ娘の命を奪ったのか

 こんなひどい方法を選んだのは何故なのか

 仕方のないことかもしれないけれど4回警察に相談しても有益なアドバイスをもらえなかったこと

 助けてはもらえなかったこと

 誤った情報がまことしやかに報道されていること

 悪意のある情報操作

 私たちの住まいはもちろんのこと さなの祖父宅にまで押しかける報道陣のモラルのなさ

 この全てのことに疑問悲しみ憤りがあります

 でも1番許せないのは私たち親がまぬけだったこと

 さなを守れなかった

 理解し難い彼の娘への執着 度を越す愛情表現 監視し制限することにさえ そうしてしまう気持ちに寄り添う努力をしながら何度も話し合ったことは無駄だった

 犯人にわかってもらおうなんて無理なことだったのにそれをわかっていなかった

 悠長なことを伝えてる場合ではなかった

 家に入ってきたのがわかった時に躊躇なくすぐに通報すべきだった

 彼の人生のことを何故考えたのだろう 逮捕されたら可哀想だなんて何故思ってしまったのだろう

 甘かった 伝わらない 身勝手な解釈しかできない相手だったのに

 激痛と恐怖

 さながこの先得られたであろう幸せを一瞬にして奪われた 無念でしかない

 これが夢だったら

 時間が戻せたら

 引越ししていたら

 ボディガードをつけていたら

 危険な状況なことをもっとしっかりと理解していたら

 いっときも目を離してはいけなかった

 私たちの認識の甘さ

 すぐに通報していたらこんなことにはなっていなかったのだろうか

 後悔ばかりが押し寄せてきます

 あの子がくすっと照れた笑顔で「ママ」って呼ぶことはもう2度とない

 気持ちの整理がつかず悲しみに暮れています

 好奇心を満たすための憶測や誤った情報で娘をこれ以上傷つけないでください

 どうかそっとしておいてください

 お願いします

「別れるなら殺すと言われた」 半年前に相談 横浜女子大生刺殺

横浜市鶴見区のマンション駐車場で住人の大学1年、冨永紗菜さん(18)を刺殺したとして、元交際相手の自称会社員、伊藤龍稀容疑者(22)=同区=が殺人容疑で逮捕された事件で、冨永さんが2022年12月に伊藤容疑者と交際を巡ってトラブルになった際、対応した警察官に「別れるなら殺すと言われた」と説明していたことが、神奈川県警への取材で判明した。県警は交際トラブルが事件につながったとみて、経緯を調べている。

 県警によると、22年12月12日、伊藤容疑者宅で男女が言い争う声を聞いた近隣住民が通報。現場に駆けつけた警察官に、冨永さんは「別れ話をしたら急に怒りだし、首をしめられた。別れるなら殺すと言われた」などと話したという。冨永さんに被害届を出す意思はなく、県警は冨永さんの親族に今後トラブルにならぬよう見守りを依頼した。

 県警は23年1月に冨永さんに連絡を取り、冨永さんが「あの後すぐに仲直りした。今後はトラブルがないように関係を続けていきたい。警察からの連絡は大丈夫です」と話したことから、対応を終えたという。

しかし、事件発生の1週間前の6月22日、冨永さんから交際トラブルがあったと110番があり、県警が双方から事情聴取。今後の交際について、2人とも双方の親を交えて話し合う意思を示していた。この後、交際関係は解消したとみられる。県警は一連の対応について適切だったかを調査する。

 冨永さんは今月29日、鶴見区の自宅マンション敷地内で血を流して倒れているのが見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。

横浜刺殺、女性は18歳 交際男性とけんかで警察4回出動か

29日午前10時20分ごろ、横浜市鶴見区東寺尾中台のマンション敷地内で「娘が血だらけになっている」と家族から通報があった。神奈川県警によると、刺されたのはこのマンションに住む大学1年生の冨永紗菜さん(18)で、病院に搬送後、死亡が確認された。その後、20代の男性が凶器とみられる包丁を持って県警鶴見署に自首した。「彼女が家から出てくるところを待ち伏せして刺した」と供述しているという。同署は容疑が固まり次第、殺人容疑で逮捕する方針。

 鶴見署によると、2021年10月から今月にかけ、冨永さんと交際相手の男性とのけんかで、警察官が現場に駆け付けたことが計4回あったという。同署は交際が続いていたかなど動機を詳しく調べる。現場はJR鶴見駅の西約1キロの住宅地。

【横浜・女子大生刺殺】「女にフラれると『自殺する』とLINEに」…親友が語った伊藤龍稀容疑者(22)の素顔と複雑な家庭環境「親に冷たくされ家出、仕事を転々として蒲田の飲食店で出会ったのが紗菜ちゃんでした」

横浜市鶴見区のマンション駐車場で6月29日午前、住人の大学1年生、冨永紗菜さん(18)が刺殺された事件で、神奈川県警が殺人容疑で逮捕した同区の伊藤龍稀容疑者(22)が事件直前に冨永さんの自室に侵入していたことがわかった。別れ話のもつれから、2人のトラブルは県警が何度も対処するまでにこじれており、伊藤容疑者は歪んだ恨みをつのらせていったとみられる。

中学時代はサッカー部でキーパー


調べによると、伊藤容疑者は同日朝、合鍵を使って冨永さん宅に侵入したものの、家族に見つかって合鍵を取り上げられて追い出された。その後、伊藤容疑者はマンションの2階階段付近にいるところを複数の住人に見られており、紗菜さんが出てくるところを待ち伏せして持っていた包丁で上半身をメッタ刺しにしたと見られる。

2人を巡っては交際時のけんかなどで鶴見署が一昨年から計4回出動。直近は今月22日で、この際に紗菜さんが伊藤容疑者の車内に置き忘れたバッグから鍵がなくなっていることが翌日に判明。同署が家族に鍵の交換をすすめていたという。


偏執的な犯行に及んだ伊藤容疑者とは、どんな人物なのか。横浜市内の中学校で同級生だった男性は、こう当時を振り返った。

「龍稀は中学2年の初めくらいに転校してきました。栃木県の方から引っ越してきたはずです。部活動は複数掛け持ちしていたような気がするけど、サッカーに本腰を入れていました。運動神経はかなりよくてサッカーも上手で、ポジションはキーパーだったと思います。
外交的で誰とでも仲よくなるタイプで、少年院に入っちゃうような子とも仲がよかったんですよ。本人は全く悪いことはしてなくて、いいヤツすぎるぐらいだったんですけどね。だから校内では結構な人気者でした。マジックに凝ってるときもあって、何かの集まりで校長先生たちにマジックを披露して大盛り上がりしたこともありました」

しかし、数年後に偶然再会したかつての「人気者」は、見る影もないほど「ヤンチャ」になっていた。

「進学先が違ったので、その後に龍稀が何をしてるか全然知らなかったんですけど、高校を卒業したくらいの時期に横浜でたまたま見かけたんですよ。黒服の格好して夜のお店のキャッチをしてました。髪型も横を刈り上げて前髪は上げて、ヒゲも生やしてて、中学時代と見た目が全然違うから、『あー、グレちゃったんだ』って思いました。そこにきて今回の事件、犯人がまさか龍稀だとは思わなかったんで、正直鳥肌が立ちました。どこでそんなに人が変わっちゃったんですかね」

金を借りて紗菜ちゃんにネックレスを買った


中学時代に同じクラスだった別の男性も、伊藤容疑者の変ぼうぶりに驚きを隠せなかった。

「転校生なら普通緊張したりするのに、2年の最初に転校してきた伊藤くんは初日から『よろしく!』と元気よくあいさつして、あっという間に溶け込んでいましたね。ひょうきん者で冗談を言ってみんなを笑わせたり、クラスの中心人物でムードメーカーでしたね。授業中に仲のいいメンバーと騒いだり、ふざけたりしていて先生に一番怒られていた印象があります。

地元のサッカークラブに入っていたらしくすごく上手で、中学の球技大会でもサッカーで大活躍していました。勉強はあまりできる方ではなくて、女性にモテるイメージもなくて、バレンタインデーでは自分から女の子に『チョコちょうだい!』とせがんでいました。でも、トラブルを起こすような、いわゆるヤンチャな感じではなかったので、今回の事件にはびっくりです」

モテないキャラも「売り」にする、ひょうきんな人気者。しかし、親友には一途で思い込みが激しい一面と、精神的な脆さもさらけ出していた。中学時代からの親友だったという男性が表情を曇らせて言う。

「ハルキとはもともと同じグループで、3年前まですごく仲がよかったんです。でもあいつは紗菜ちゃんと付き合い出してからだんだん変わっていって、結果的に俺らから離れていきました。紗菜ちゃんとも会ったことがあります。当時はおとなしくて普通っぽい可愛らしい子って感じでした。ハルキは18歳ぐらいから飲食店でボーイとして働きはじめて、2年前に蒲田の飲食店に移り、そこでキャストとして働きだした紗菜ちゃんと知り合いました」

伊藤容疑者は出会ったばかりの冨永さんを『紗菜ちゃんは可愛い、可愛い』とぞっこんだったという。「だいぶハマっているな」と、親友だった男性は感じたという。

「ハルキって女を好きになると思いつめる傾向があって、『俺のものだから』って感じになるんです。中学時代に付き合っていた女性にフラれたときも、LINEのタイムラインに自殺するだの、もう死ぬ、とかメンヘラっぽいことを投稿してました。そういう一途な部分があるんです。
紗菜ちゃんと付き合うようになると、男友達の誘いを断ったりするようになりました。仲間から『家賃が払えないから』とお金を借りて、そのお金で紗菜ちゃんにネックレスを買った挙句、金を返さないようになりました」

さすがにこの時、男性は苦言を呈したと言うが、伊藤容疑者はそれに向き合おうとはしなかった。

「結果、ハルキは離れていってSNSで俺らをブロックしました。ケンカもできないヤツだったので、事件で紗菜ちゃんを刺したと聞いたときは本当にびっくりしました。これは推測だけど、『男友達を蹴ってお前を選んだのに』っていう思いもあったんだと思います」

「弟と妹は連れられていきましたが、あいつは置いていかれました」


伊藤容疑者は複雑な家庭環境で育ったようだ。親友が続ける。

「ハルキの家は中学のころから母子家庭でした。宇都宮の方から引っ越してきた時にはもう母親だけで、妹と弟のほかに一時期不良っぽい感じの義理の父親という人もいました。
ハルキは中学時代から『家にいたくない』『親といたくない』という理由で週に2〜3回は家を飛び出しては近くの公園に寝泊まりしてました。それで警察沙汰になり、余計に母親から冷たくされていたんです」

お調子者だが暴力的ではなく、友達同士でケンカになるとビビって謝る。また、プチ家出を繰り返して騒ぎになることもあった。高校に進学後もこうした状況は変わらなかったという。

「あいつは17歳で高校を中退したんですけど、ちょうどそのくらいの時期に母親が山形に引っ越すことになったんです。弟と妹は連れられていきましたが、あいつは置いていかれました。母親は再婚していたので、その関係かもしれませんが、詳しい理由はわかりません。あいつはそれから一度、山形に行って、『母親に冷たくされた』と帰ってきたことがありました。親から愛されてない感じはしましたね」

高校を中退し、ひとり取り残された伊藤容疑者は夜の街に生計を立てる術を見出した。

「ハルキは最初、鶴見駅の立ち飲み屋でバイトしていました。『建築関係の職場に修行しにいく』と宇都宮に出て行ったこともあったんですが、『仕事がきついから辞めた』とあっという間に戻ってきて、蒲田でボーイをしたり、横浜のキャバクラでもボーイをしていました。最近は内装業みたいなこともしていたと聞いたこともあります。
中学時代はフラれた女に暴力を振るうようなやつではなかったので、今回の事件は驚きましたが、紗菜ちゃんのこと、好きは好きだったんだと思います。でもニュースを聞いたときはショックというより、あんなことして許せねえって思いました」

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コメント: 11
  • #1

    名無し (土曜日, 01 7月 2023 13:41)

    自宅で一時的に保護していたらとも思うが、
    家族にも被害が及ぶと困ると思ってマンションに居たのか・・・
    マンションに侵入した時点で、不法侵入でしょ。合鍵を意思で渡してないなら。
    家族も説得して、被害届だしてほしかったと思ってしまう。似たような案件は警察でしか知らない位小さな事から大きな事まであるはずたがら警察ももう少し説得して対処できなかったのだろうか。

  • #2

    名無し (土曜日, 01 7月 2023 13:41)

    どうやったら防げるのだろう…
    たまたま惚れて付き合った人が、ストーカーどころか殺人気質を持っているなど分からない。

    警察に相談していても、一人で歩いているところを待ち伏せされて刺されたらそれで終わり。

    できるだけ、素性の分からない人とすぐに付き合わないとか、付き合って少しでも変ならば深入りしないうちにうまく距離を置くとかしないとかなぁ…
    この方も、何ども喧嘩して仲直りしてを繰り返していたようなので、もっと早くからフェイドアウトみたいに、周囲にも協力してもらいながらいけたら強い思いまでいかなかったのかも。

    執着がかなり強くなってから、急に別れようとか周りも別れさせようと説得しても、その執念は燃え上がりそうだから…

  • #3

    名無し (土曜日, 01 7月 2023 13:42)

    ご両親のコメントを読みました。
    身につまされる思いです。
    加害者の一方的な執着心が夢も希望もあった
    一人の女性の全てを奪った。
    被害者の方のご両親は自分の娘の事だけではなく、この加害者の事も同じように『先のある若者』として、出来れば穏便に解決しようとしてたのが垣間見えて、余計に悲しい。
    度々元カレ、元夫がストーカー化して、最終的に命を奪う事件がなかなか無くならないけど、通報された時点で強制的にカウンセリング受けさせるとか出来ないものなのかな。

  • #4

    名無し (土曜日, 01 7月 2023 13:43)

    ストーカー行為について日本は認識が浅すぎる。殺されてから検証始めてるような始末ではダメだ。
    厳罰による抑止力も盲目になってるから効きづらい。GPS発信チップを入れてつきまとわれた方にだけ居場所確認できるような方法じゃないと実害を防げない。

    加害者の人権よりも、被害者の人命に勝るものはない。

  • #5

    名無し (土曜日, 01 7月 2023 13:44)

    相手の事を顔で選ばず優しい人を選んで下さい。
    結婚して大事なことは思いやりだと思います。
    暴力を振るう人はダメです。
    優しい人をさがしてください。
    亡くなった女子大生は残念です、ご冥福をお祈り申し上げます。

  • #6

    名無し (土曜日, 01 7月 2023 13:45)

    【末期症状】これを警察は把握して手を打つ■概して警察は法律などで行動を抑制されている。そしてダメ出しが公務員の特性となる感性が高くない。先日の神戸児相においても本人の男児とは面接出来ずが続いても手を打たなかった。※今回の事件も末期的な環境で一週間は監視体制を引くべきであった。結果論ではない。

  • #7

    名無し (土曜日, 01 7月 2023 13:45)

    よりを戻したいって供述する割に複数回、めった刺しにする心理が全く理解出来ない…

    本当に自分勝手

    人とのお付き合いをする中で、人との距離感が上手に取れない人が一定数いる。
    最初に違和感を覚えたら深入りせずに距離を空けた方が良いと思う…

  • #8

    名無し (土曜日, 01 7月 2023 13:47)

    両親からしたら、一方的に娘に復縁を迫ってると勘違いして、
    都度娘の呼び出しに応じてたようだが、その対応も男からしたら
    ウザイ存在だろうし敵対心を持たれても仕方ないと思う。
    こうゆう男はろくに仕事もしてないだらしないんだから、
    それなりの手切れ金を用意して
    伊藤容疑者へ渡して絶縁するように選択させるべきだった。
    おそらく、今住んでる鶴見のマンションも引っ越しを余儀なくされるだろう
    お金を惜しんだ。
    そして、伊藤容疑者を甘く見すぎていた両親の対応も悔やまれる。

  • #9

    名無し (土曜日, 01 7月 2023 13:48)

    刑法を改正して殺人罪に対してはもっと刑罰を重くすべき今の法律では今回の犯人も今の判例からしたら20年ぐらいの懲役刑が妥当だろう
    殺人罪は強盗殺人罪同様に有期刑無しの無期懲役か死刑でも良いと思う
    そうしないと若くして命を奪われてた被害者が報われ無い

  • #10

    名無し (土曜日, 01 7月 2023 13:49)

    こんな自己中の殺人鬼でも一人殺しただけでは死刑にならないんだろうな。
    何か世の中狂ってるよ。

    恋愛は双方の気持ちがあって初めて成立するんだから、片方が覚めたらもう終わり。
    結婚してる人なら子供の為とかお金の事情で復縁とかもあり得るだろうけど、そんなのは気持ち関係ない所の話。

    これからは学校でもしっかり教えないとダメなんじゃと感じるくらいこういう事件が多い。

  • #11

    名無し (土曜日, 01 7月 2023 13:50)

    ご冥福をお祈りします。申し訳ないが、日本中が平和ボケですね。別れた彼氏を入れた時点でアウトです。軽い人間付き合いしかしてない今の世はいくら言っても理解できないでしょうね。昔と異なり今の世、日本教組が道徳教育していない学校がありましたからね、善悪判断人を想う道徳教育が無けれな、損得勘定と欲望で生きていく事になる。
    更に個性優先、本人主張優先等と勘違いしたした若者教育も欲望と主張が言えば何でも通ると犯罪を助長させる。
    犯人には極刑、更生も反省など無い損得勘定の落ち込みだけだ。