· 

春風亭小朝師匠が聞いた声なき声とは?

【春風亭小朝師匠が聞いた声なき声とは?】
https://yuru2club.com/wp/?p=5372
落語の春風亭小朝師匠、
15歳のときに春風亭柳朝師匠に弟子入りしました。
それ以来、いろんな教えを柳朝師匠にいただきました。
しかし、小朝師匠が言うには、
今まで自分を支えてくれた言葉の中で、最も深く影響を受けた言葉、
・・・それは柳朝師匠の「最期の言葉」だそうです。
柳朝師匠にはお子さんがいらっしゃいませんでした。
それもあり、小朝さんのことを実の子のように可愛がっていたのです。
柳朝師匠がお亡くなりになる前、
「柳朝」の名を誰に引き継ぐかという話が出たとき、
小朝さんを含む誰もが、当然、「小朝に」となると思っていました。
ところが、柳朝師匠は、小朝さんではない別の人を指名したのです。
この世界では、師匠が弟子に名前を譲ると言えば、
弟子はそれを拒否できません。
その瞬間、小朝さんは、
柳朝師匠の声にならない言葉を聞いた気がしたといいます

朝さんが聞いた声なき声。

しかし、それは強く確実に小朝さんの胸に届いたといいます。

『おまえは俺の名前を超えていけ』と。

柳朝師匠がお亡くなりになって、しばらくのち、 おかみさんが小朝さんに語りました。

小朝には名前を残さない。

あいつには、名前を超えて大きくなってほしい。

そんな言葉を柳朝師匠が残していたそうです。

そうか、やはり師匠と固い絆で結ばれた弟子の間には、 聞こえない声も聞こえてくるものだ。

小朝師匠は、そう確信しました。

そして、こう述べています。

言葉を発し、語りで人を楽しませるのが落語家。

でも僕の運命を決めたのは、柳朝師匠の言外に示した”愛情”だったのです。