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銚子ビールに新醸造所 増産向け、店舗跡をリノベーション カフェも併設

新醸造所を案内するチョウシ・チアーズの佐久間代表=銚子市

店舗跡の建物をリノベーションした新醸造所

魚や野菜など地元産食材を使ったビールカフェメニュー

 

 「銚子ビール」ブランドのクラフトビールを手掛けるチョウシ・チアーズ(銚子市)は、増産に向け市内に新たな醸造拠点「銚子ビール藤兵衛醸造所―Choshi Good Beer Cafe―」を開設した。地元食材を使ったメニューと一緒に楽しめるビールカフェも併設し、22日営業を始めた。

 銚子ビール事業はクラフトビールを通じて銚子を盛り上げたいと、同市出身の佐久間快枝代表(51)の発案で出発。2017年に委託生産から始まり、20年に自社の醸造所を開設した。市内などに提供が広がる一方、製造量の少なさのため引き合いがあっても断ることがあったという。

 新醸造所は同市垣根町に今春完成。既存の犬吠醸造所の設備を移転し、タンク容量を増強。従来の約5~7倍への生産能力拡大を見込む。犬吠の年間製造量約8千リットルに対し、新醸造所の1年目は3万リットル、将来的には年間6万リットルの製造を目指す。缶の充塡(じゅうてん)機を導入し、缶製品の製造にも乗り出す。

 佐久間代表の実家が200年以上営み、4年半前に閉店した「藤兵衛本店」の築約40年の店舗跡をリノベーションし活用。整備費の一部にクラウドファンディングによる支援を受けた。

 カフェ(20席)では、市内で水揚げされた鮮魚で作る「フィッシュ・アンド・チップス」や旭市産ソーセージなどを提供する。銚子ビールは5種類ほどで、新醸造所で初醸造された「All for One(オール・フォー・ワン) ―Build up IPA―」も提供予定。フルーティーでにごりが強いのが特徴で、飲みやすい仕上がり。グラス1杯660円(税込み)など。

 カフェ営業は午前11時~午後5時。月・火曜定休。23日は特別に営業。問い合わせは藤兵衛醸造所(電話)0479(21)3986。

イワシ、サンマ、サバ…、地元の魚と相性抜群 「銚子ビール」誕生

銚子エールを紹介する佐久間さん。ラベルには「銚子の初日の出」をモチーフにした絵をあしらった

 

 イワシやサンマ、サバといった銚子の魚に合うクラフトビール「銚子ビール」が誕生した。初の商品「銚子エール」は23日にも、銚子市内などへの流通を開始する予定。

 銚子ビールは代表プランナーの佐久間快枝さん(45)が発案。銚子の魚に合うよう、琥珀(こはく)色で辛口、キレのあるオリジナルレシピを開発した。昨年7月、起業家を応援するため同市で開催された「地域クラウド交流会in銚子」で優勝。同年10月に千葉市美浜区で開かれた「超域クラウド交流会」で「ちば起業家優秀賞」(県知事賞)を受賞した。

 小ロットでも対応できる醸造所を探した結果、石川県川北町の農業法人が銚子エールを製造することになった。希望小売価格は540円(飲食店はオープン価格)。銚子市内を中心に、飲食店などで販売する。

 

 佐久間さんは「(将来的に)銚子でしかできないビールを造りたい」と抱負を語る。地域に定着させ、2019年5月を目標に、同市内に醸造所を造ることを目指している。

 計画に賛同した市民らによる「銚子ビール・サポーターズ」も立ち上がり、同市内で試飲会も開かれた。試飲したメンバーからは「コクがあって味わい深い」「匂いのある魚にも合う」などといった感想が聞かれた。

 23日には飲食店向けの発表会を実施。28日には千葉市中央区の中央公園で開かれる青空ワインバルに出店し、販売する予定。佐久間さんは「銚子の魚に合うビールをぜひ楽しんでもらいたい」と呼び掛けた。

 取り扱いに関する問い合わせは佐久間さん、電話090(2470)1176。

 

「銚子ビール」で街おこし 灯台近くに醸造所完成 19日から仕込み

醸造所の内部を紹介する佐久間さん=銚子市の犬吠テラステラス

 

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る複合商業施設「犬吠テラステラス」内に、クラフトビールブランド「銚子ビール」の醸造所が完成した。地域を盛り上げようと、事業を展開する販売元の「銚子チアーズ」が、今月6日付で発泡酒の製造に必要な免許を取得。19日には最初に製造される「ファーストバッチ」の仕込みを始める。発案者で社長の佐久間快枝さん(48)は「長い間、自分たちで造りたいと思っていたが、ようやく実現する」と期待に胸を膨らませている。

 醸造設備は同施設の1階に約1千万円かけて整備。月1200リットルほど製造できるという。現在、同社が瓶詰めを販売しているのは辛口でキレのある「銚子エール」だけだが、今後はさまざまなレシピの商品を仕込み、瓶詰めして販売することにしている。

 施設内の隣地には昨年6月、先行してさまざまなクラフトビールを提供できる「タップルーム」を設置。銚子エールのほか、爽やかな味わいの「犬吠ホワイトIPA」が楽しめる。

 銚子ビールの構想は2016年、佐久間さんが立ち上げた。銚子エールは同社設立前の17年春、酒の小売業免許を持つ佐久間さんの実家が販売元となり売り始めた。一方、実際に製造しているのは石川県川北町の農業法人となっている。

 発案者の佐久間さんは当初から「犬吠埼灯台のそばで醸造したい」という夢があった。18年12月にプレオープンした同施設に、醸造所を設置することにした。

 事業に合わせ、地元農家がホップと麦を作り始めている。「将来的にはこれを活用して仕込みたい」と語る佐久間さん。「(事業を通じ)みんなに声援を送り、人々をつないできたい」と意気込んでいる。

 ファーストバッチは4月上旬に完成する。5月ごろにはオープニングセレモニーを実施する予定。