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解体現場の墜落事故で建設業者を送検 禁止業務に派遣された労働者が被災 福岡中央労基署。安全第一で今日も1日宜しくお願いします。Apex product

 福岡中央労働基準監督署は、ビルの解体工事中に労働者が墜落し死亡した労働災害で、㈱大塚工業(福岡県福岡市)と同社の職長を労働安全衛生法第21条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで福岡地検に書類送検した。

 労災は平成29年2月21日に、同社が解体工事を請け負う同県博多区内の雑居ビルで発生した。45歳の男性労働者がガスバーナーで鉄骨の溶断作業をしていたところ、ビルの5階から墜落した。労働者は救急搬送されたが同日死亡が確認された。

 労働安全衛生法では、高さ2メートル以上の作業床の端など、墜落の危険がある場所で作業をさせる場合、囲い、手すりなどを設けなければならないと定めている。囲いなどを設けるのが著しく困難なときは安全帯の使用が認められる。

 解体工事現場は囲いなどを設けるのが著しく困難な場合に当たっていた。同社の職長は労働者に安全帯を使用させる必要があったが、それを怠っていた。被災労働者は腰に安全帯を装着していたが、どこにも引っ掛けずに作業していたという。

 被災労働者は同県糟屋郡にある別会社の労働者であったが、同社の職長が指揮命令を行っており、実態は労働者派遣だった。労働者派遣法の読み替え規定を適用し、派遣先事業者として同社と職長を送検している。

 建設業務への労働者派遣は労働者派遣法により禁止されている。違反した場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される。今年2月には、青森県むつ警察署が、青森労働局からの告発を受け、建設業務への派遣を行った事業主を禁止業務派遣により送検している。こちらの事案も解体工事現場で墜落事故が起きたもので、福岡労働局でも対応を検討しているものと考えられる。

【令和元年6月10日送検】

禁止業務派遣で建設会社を送検 死亡災害契機に労働局が告発 むつ警察署

 青森県むつ警察署は、禁止業務派遣を行ったとして、㈲佐々木鉄筋工業(青森県下北郡大間町)と同社の代表取締役を労働者派遣法第4条違反の疑いで青森地検に書類送検した。青森労働局(請園清人局長)が平成30年3月12日に同警察署に告発していた。

 同社は㈲村田組(同県むつ市)に労働者を派遣し、同県下北郡東通村の工場の足場組立解体工事現場で働かせた。派遣事業の許可事業主でもないため、無許可派遣にも該当するが、「建設業への派遣は許可の有無にかかわらず違反になることを重視し、こちらの違反で告発した」としている(同労働局需給調整事業室)。

 違反は労働災害発生により発覚した。28年8月3日、同社の労働者が約23メートルの高さから墜落し、死亡した。被災労働者は工場の7階で足場の解体作業をしていた。

 足場には手すり・囲いなどは設けられていなかった。むつ労働基準監督署は29年2月27日に、同工事現場の元請けの星和工業㈱(東京都千代田区)と同社の青森営業所課長、㈲村田組と同社の専務を労働安全衛生法と派遣法違反などの疑いで青森地検に書類送検している。

【平成31年2月4日送検】

派遣労働者に無資格でクレーン運転させ送検 型枠が激突し死亡 熊谷労基署

 埼玉・熊谷労働基準監督署は、無資格の派遣労働者にクレーンを運転させたとして、派遣先でコンクリート製品製造業のエヌケー・ロジステクノ㈱(北海道札幌市)と同社製造課長を労働安全衛生法第61条(就業制限)違反の疑いでさいたま地検に書類送検した。派遣労働者にコンクリート製品の型枠が激突し、死亡する災害が発生している。

 災害は、令和3年4月9日に発生した。派遣労働者は、同社から型枠や鉄骨を片付ける作業を指示されていた。無線操作式の天井クレーンをリモコンで操作して片付けようとしていたところ、ずり落ちて来た型枠が激突している。

 天井クレーンには…

【令和4年5月12日送検】

ブロック塀倒壊で派遣労働者死亡 安全対策怠った建設工事業者を送検  熊谷労基署

 埼玉・熊谷労働基準監督署は、コンクリートブロック塀の倒壊防止措置を講じなかったとして、建設工事業の㈱富田工務店(埼玉県深谷市)と同社現場責任者を労働安全衛生法第21条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いでさいたま地検に書類送検した。派遣労働者がブロック塀の下敷きとなり、死亡する災害が発生している。

 災害は令和3年2月15日、埼玉県深谷市の側溝布設替工事で発生した。同社に派遣されていた派遣労働者は側溝を敷設するため、地面の掘削作業を行っていた。長さ4.5メートルに渡るブロック塀が倒壊し、下敷きになっている。

 同労基署によると、一般的なコンクリートブロック塀はL字型で、底の部分を地面に埋めて支えているケースが多いとしている。災害が発生した際のコンクリートブロックは型が古く、支えがなかった。「工事前にコンクリートブロックの状態を調べ、支えなどを設置して補強すべきだった。倒れることを想定せず、工事を進めていたようだ」と話している。

【令和3年9月17日送検】

 

派遣労働者が高さ3メートルから墜落 建築工事業者を送検 川越労基署

 埼玉・川越労働基準監督署は、労働者の墜落防止措置を怠ったとして、木造建築工事業の㈱番匠屋(埼玉県比企郡)と同社代表取締役を労働安全衛生法第21条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いでさいたま地検に書類送検した。同社に派遣されていた71歳の労働者が高さ3.4メートルから墜落し、硬膜下血種などの重傷を負っている。

 災害は令和3年7月30日、木造家屋新築工事現場で発生した。労働者は屋根の骨組みの上に立ち、屋根を構成する部材を取り付ける作業をしていた。労働者が乗っていた骨組みは、12センチメートル四方の幅の角材だった。

 同社は墜落制止用器具の着用や、防網を張るなどの墜落防止措置を怠った疑い。

【令和4年2月1日送検】

建築工事業者を送検 ピットから労働者の遺体見つかる 富士労基署

 静岡・富士労働基準監督署はピットの開口部に丈夫な柵を設けるなどの墜落防止措置を講じなかったとして、建築工事業者と同社の建築設備部部長代理、個人経営の建設塗装事業者を労働安全衛生法第31条(注文者の講ずべき措置)など違反の疑いで静岡地検に書類送検した。

 違反があったのは富士市内で同社が施工を担っていた製紙工場の建屋の改修工事現場。平成29年6月中旬、同現場の床のピット内で、二次下請けの労働者が遺体で発見された。労働者は個人経営の建設塗装事業者に雇用されていた。現場の状況からピット内に転落したものとみられるが、労働者が転落時にどのような作業をしていたのか、どのような状況で転落したのか現認していた者はいなかった。

 労働安全衛生法では、注文者が高さ2メートル以上のピットを使用させるとき、危険箇所に手すりなどを設けなければならないとされている。また、事業者は労働者が転落する恐れのある場所には危険を防止するため高さ75センチ以上の丈夫な柵などを設けなければならない。しかし、同現場のピットの開口部には手すりなどが設けられていなかった。

【平成30年2月15日送検】

 

古紙崩壊に巻き込まれ労働者が死亡 作業中に関係者以外を立ち入らせた製紙会社を送検 富士労基署

静岡・富士労働基準監督署は積み替え作業後に古紙が崩壊し、崩壊に巻き込まれた64歳の男性労働者が死亡した労働災害で、松菱製紙㈱(静岡県富士市)と同社の代表取締役を労働安全衛生法第21条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで静岡地検富士支部に書類送検した。

 同社は古紙からトイレットペーパーなどを製造している。労働災害は平成30年4月24日、同社の古紙置き場で起きた。古紙置き場には圧縮・拘束した古紙が4段に積まれ保管されていた。古紙は直方体で、1個の大きさは縦90センチ、横80センチ、高さ160センチ、重さは600キロほどだった。

 古紙置き場の前を通りかかった代表取締役は、古紙がずれているのを見つけた。このままでは崩れる恐れがあるとして、自らフォークリフトに乗り、積替え作業に当たった。しかし、積替え直後に古紙は崩壊し、清掃中の64歳の男性労働者が巻き込まれた。労働者は頭を打ち、病院に搬送されたが同日死亡が確認された。

 労働安全衛生法は積まれた荷の塊である「はい」の積替え作業を行う場合、崩壊や荷の落下により労働者に危険を及ぼす危険性のある場所に、関係労働者以外を立ち入らせてはならないと定めている。しかし、同社の代表取締役は人がいるのか確認することなく、積替え作業を始めたという。

【平成30年10月16日送検】

 

撹拌機に巻込まれ労働者が死亡 飼料製造会社を送検 富士労基署

 静岡・富士労働基準監督署は撹拌機に巻き込まれ労働者1人が死亡した労働災害で、青木信㈱(神奈川県平塚市)と同社の静岡支店の支店長を労働安全衛生法第20条(事業者の講ずべき措置)違反の疑いで静岡地検富士支部に書類送検した。撹拌機の運転開始時の合図と合図者を決めておかなかった結果、死亡事故が起きている。

 同社は家畜用飼料の製造販売を営んでいる。労働災害は平成31年3月2日、同社の静岡支店で発生した。被災した44歳の男性労働者は、2人の同僚とともに撹拌機を使い、飼料の製造・積込み作業に従事していた。男性労働者が撹拌機の中で飼料の取り出しをしていたところ、中に人がいるか確認せず、同僚が撹拌機を起動させた。男性労働者は…

【令和元年7月19日送検】

 

ベルトコンベヤー付近の清掃中に巻き込まれ死亡 覆いなど設けず 北大阪労基署

 大阪・北大阪労働基準監督署は、ベルトコンベヤーの歯車に覆いなどを設けなかったとして、道の舗装などに使うインターロッキングブロックを製造する荒木産業㈱(大阪府大東市)と同社工場長を労働安全衛生法第20条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで大阪地検に書類送検した。

 平成31年3月、同社工場において、労働者がベルトコンベヤーの下の床を掃除していたところ、ベルトコンベヤーのチェーンと歯車の間に作業着が巻き込まれ、頸部圧迫により死亡する労働災害が発生した。同社は、覆いなどを設けるといった労働安全衛生規則第101条で定められた危険防止措置を講じていなかった。

【令和元年7月2日送検】

解体業・事業主 飛来防止措置講じず書類送検 無資格運転の容疑も 北大阪労基署

 北大阪労働基準監督署は、令和2年6月に発生した労働者が重傷のケガを負った労働災害に関連して、「MK企画興業」の名称で解体業を営む事業主(大阪府大阪市住之江区)を労働安全衛生法第20条(事業者の講ずべき措置等)などの違反の容疑で大阪地検に書類送検した。物体の飛来により労働者に危険が生じる恐れのある箇所に労働者を立ち入らせた疑い。

 労災は、大阪府寝屋川市の文化住宅解体撤去工事現場で発生したもの。同事業主が解体用つかみ機を使用して作業を行っていた際、廃材が労働者に直撃している。

 また、同事業主は、解体用つかみ機の運転資格がないにもかかわらず自ら運転していたとして、同法第61条(就業制限)違反の容疑でも送検されている。

【令和2年9月30日送検】

囲い・手すりなど設けず送検 解体工事業で労災 大垣労基署

 岐阜・大垣労働基準監督署は、令和3年3月に発生した労働災害に関連して、解体工事業の㈲J’s works(岐阜県不破郡垂井町)と同社現場責任者を労働安全衛生法第21条(事業者の講ずべき措置等)違反の容疑で岐阜地検大垣支部に書類送検した。高さ2メートル以上の作業床の端に、囲いや手すりなどの墜落防止措置を講じなかった疑い。

 労災は、大垣市内の木造2階建て家屋解体工事現場で発生した。同社労働者が地上から3.6メートル付近の家屋屋根上で、屋根材の剥離作業を行っていた際に墜落し、頸椎などを骨折する重傷を負った。

【令和3年7月19日送検】

ロール機に巻き込まれ左腕切断 染色整理業者を送検 大垣労基署

 岐阜・大垣労働基準監督署は、労働者にロール機を使用させる際の安全対策を怠ったとして、染色整理業者と同社主任を労働安全衛生法第20条(事業者の講ずべき措置等)違反の容疑で岐阜地検大垣支部に書類送検した。平成29年3月、同社労働者が左上腕部を切断する労働災害が発生している。

 被災した労働者は、生地を加工するロール機の運転中に清掃作業を行った際、ロールに両手を挟まれ両手に熱傷を負っている。同社は、ロールとロール機の隙間に囲いを設けるなどの危険防止措置を講じていなかった。

【平成29年11月9日送検】

無資格者に玉掛けさせた金属製品製造会社を「事前送検」 1年以上指導するも是正されず 大垣労基署

 岐阜・大垣労働基準監督署は無資格者に玉掛け作業をさせたとして、㈱福島製作所(岐阜県大垣市)と同社の代表取締役を労働安全衛生法第61条(就業制限)違反の疑いで岐阜地検大垣支部に書類送検した。同社では違反を理由とした労働災害は発生しておらず、いわゆる「事前送検」となる。

 同社は工作機械の部品などを製造している。代表取締役は平成30年8月8日、無資格の労働者につり上げ荷重2.83トンのクレーンの玉掛け作業を行わせた。同労基署の監督官が現場を確認した。

 同社では無資格者による玉掛け作業が常態化していた。同労基署は1年以上に渡り行政指導を続けていたが、是正がみられなかった。代表取締役は「忙しくて資格者の配置がうまくいかなかった」と供述しているという。

 労働安全衛生法は技能講習を修了した者以外に、つり上げ荷重1トン以上のクレーンへの玉掛け作業を行わせてはならないと定めている。

【平成31年2月5日送検】

賃金40万円以上支払わず 農業用ビニールハウスの設置業者を送検 大垣労基署

 岐阜・大垣労働基準監督署は、労働者に賃金を支払わなかったとして、農業用ビニールハウスの設置工事業の「ファーム技研」を営む個人事業主を、最低賃金法第4条(最低賃金の効力)違反の疑いで岐阜地検大垣支部に書類送検した。

 平成29年6月21日~同年9月30日、労働者1人に対し賃金合計44万8,140円を支払わなかった疑い。違反は労働者からの相談で発覚した。

 同労基署によると、違反の理由として、賃金以外の支払いを優先していたことを挙げているという。

 労働者が起こした民事訴訟によって賃金は支払われた。

【令和2年4月2日送検】

フォークリフトの用途外使用で送検 27枚積んだパレットに労働者が乗り作業 大垣労基署

 岐阜・大垣労働基準監督署はフォークリフトの用途外使用で個人事業主であるSK物流スモト倉庫(岐阜県大垣市)の代表者を労働安全衛生法第20条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで岐阜地検大垣支部に書類送検した。フォークリフトにパレットを27枚積み上げ、その上に労働者を乗せた結果、パレットが崩れて労働者が重症を負う労働災害が発生している。

 労働災害は平成30年7月28日に大垣市内の倉庫で起きた。代表者と労働者は倉庫の雨漏りの応急処置のため、天井にブルーシートを貼る作業をしていた。天井の高さは9メートルほどあり、フォークリフトにパレットを27枚重ね、その上に労働者を乗せて作業に当たらせた。パレットを27枚積み上げた高さは約3.3メートルになる。これまでも電球の交換などは同様の方法で行っていたという。

 しかし、シートがうまく貼れず、作業者を交代しようとリフトを下げたところ、一番下のパレットが破損、積み重ねたパレットが崩れた。労働者は約6メートルの高さから墜落し、左腕と骨盤、肋骨を骨折する重症を負った。労災が発生した翌日の7月29日には、台風12号が西日本を通過し、大雨をもたらすことが予想されていた。

 労働安全衛生法は労働者の昇降など、フォークリフトの主たる用途外の使用を禁止している。用途外使用の理由について代表者は「ほかに方法を思いつかなかった。以前勤めていた会社でパレットを積み上げ作業をしたことを思い出し、実行に移してしまった」と供述している。

【平成30年9月20日送検】

解体現場で頭に飛来物が直撃し死亡 建設会社を送検 立入禁止措置講じず 船橋労基署

 千葉・船橋労働基準監督署は、解体工事中に飛来物が派遣労働者に当たり死亡した労働災害で、㈱平成建設工業(千葉県船橋市)と、現場責任者である同社の会社員を労働安全衛生法第20条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで千葉地検に書類送検した。

 同社は建設業全般を営んでいる。労働災害は平成30年7月10日に、同社が一次下請として入場する、千葉県船橋市内の3階建ての遊技場の解体現場で起きた。同社はいわゆる「人夫出し」で2人の労働者を受け入れていた。そのうちの1人である、51歳の男性労働者が地上でほこりの舞い上がりを防ぐための散水作業をしていたところ、建物の解体カ所から飛来した物体が頭部に直撃した。労働者は救急搬送されたが同日死亡が確認された。死因は脳挫傷だった。

 労災発生時には建物の2~3階部分の梁を解体していた。解体で出たガラか鉄筋が落下してきたか、重機が弾き飛ばしたガラに当たったとみられる。被災労働者はヘルメットを着用していたが、事故後は陥没した状態になっていた。同労基署が捜査の過程で、重さ約5キロの石を2メートルの高さからヘルメットに落とす実証実験をしたところ、ヘルメットが凹むことはなかったという。相当な衝撃だったとみられる。

 労働安全衛生法は解体用機械を使い作業を行うとき、物の飛来の危険がある場所に運転者以外を立ち入らせてはならないと定めている。同労基署は「立入禁止にするか、重機を止めてから散水作業を行う必要があった」と話している。

 人夫出しで受け入れた2人の労働者の指揮命令は同社が行っており、実態は労働者派遣だった。同労基署は同社を派遣先とみなして送検した。なお、建設業務への労働者派遣は労働者派遣法で禁止されている。

【令和元年7月18日送検】

短期間に2件の労災かくし 建設会社を送検 船橋労基署

 千葉・船橋労働基準監督署は労働者死傷病報告を遅滞なく提出しなかったとして、建設業者と同社の代表取締役を労働安全衛生法第100条(報告等)違反の疑いで千葉地検に書類送検した。

 平成27年7月29日、千葉県習志野市内のマンション建設現場で当時63歳の男性労働者が右足にケガを負った。労働者はマンション部材の荷解き作業をしていたが、部材が崩れ右足に接触、16日間の休業を余儀なくされた。また、27年8月19日、同市内の別のマンション建設現場でも労働災害が発生した。足場の解体作業に従事していた当時42歳の男性労働者が、約9メートル下の地面に墜落、肋骨・胸骨・腰椎を骨折するケガを負った。休業期間は約50日に及んだ。解体作業時に安全帯は付けていなかったという。

 労働安全衛生法は休業4日以上の労働災害が発生した場合、遅滞なく所轄の労基署に労働者死傷病報告を提出しなければならないと定めているが、同社は2件の労働災害の報告をしなかった。報告を怠った理由について、同社の代表取締役は「関係者に迷惑をかけたくなかった。知られてしまうと現場で作業ができなくなると思った」と話しているという。

 事件は被災労働者が元請に休業の事実を告げ、元請が同労基署に報告したことで発覚した。同労基署は短期間に2件の労災かくしをしたことを重大視し、是正指導をせずに送検手続きに入っている。

【平成30年3月14日送検】