

千葉市若葉区の人気ラーメン店「千葉家」が3月下旬、ツイッターで突然「閉店する」と宣言し、行列の絶えない繁盛店だけに多くのファンの間に衝撃が走った。廃業を危惧する声もあったが、同店は続けて「休業する」と表現を変え、正社員の募集も開始。「人手不足?」「健康上の理由?」と憶測が広がる中、千葉日報社デジタル編集部は店主の苅部由治さん(47)に取材。休業に至った背景を聞くと、人気店でも直面する飲食店経営の過酷な現状が浮かび上がった。(デジタル編集部・平口亜土) 1999年にオープンした同店は濃厚な豚骨スープが売りの「家系ラーメン」の千葉県内の走りとして注目を集め、ずっと行列が絶えなかった繁盛店。店主の苅部さんと妻真由美さん(47)の二人三脚で営業を続けてきた。 ところが、同店は真由美さんのイニシャル「MK」の名で運営するツイッターで3月23日、「閉店いたします 今までありがとうございました」と突然投稿(現在は削除)。ツイートは瞬く間に拡散され、「まさか廃業?」と驚きの声が相次いだ。


続けて翌日、「精神的に限界です 助けて下さい 千葉家は続けたい 私達をサポートして下さる従業員の方を募集いたします(中略)千葉家は少しお休みさせていただきます」とツイート。廃業ではないことが分かったものの、書き込み内容の痛切ぶりから心配の声が広がった。


苅部さんによると、開店から23年間、ほぼ夫婦2人で店を切り盛り。朝は午前7時半に入店して11時の開店に向けて準備。午後8時の閉店後も片付けなどの仕事があり、終業は午後11時半。過酷な「16時間労働」も、若い頃は勢いで乗り切ってきたが、近年は夫婦共に体力の衰えを感じるようになった。特に真由美さんは耳鳴りなどの体調不良を訴えるようになっていた。 これまで人を積極的に雇わなかったのは、「結局自分たちがやった方が、いいサービスが提供できたから」(苅部さん)。1日の間に休憩時間を設ける案も、「火を入れ続けないとスープの品質が落ちるため難しい」。
「外の血」を入れる
新体制の必要性について、苅部さんは約4年前に13台収容の駐車場を整備したときから考えるようになった。「お客さんの路上駐車が多いのが長年の課題でした。駐車場を購入したとき、ようやくスタートラインに立てると思った」。 若い頃は「もうけたい」との一心で突っ走り、ラーメンの評判と店の知名度は十分に獲得できた。さらに駐車場の整備で「店の土台が出来上がった」と判断し、長い目で店の将来を考えるようになった。利益追求よりも、「お客さんの期待に応えないといけない」との思いが強くなった。 「例えば気分が乗らないときでも、昼休みにウチのラーメンを食べて〝活〟が入り、『また午後も頑張ろう』って思ってくれるとうれしいじゃないですか。そして、また元気になりたくて食べに来てくれる。ウチもいいモノを提供しようと力が入る。そういう関係が常連さんとの間で成立するのが飲食店の面白いところ。だから、お客さんのためにも、店は将来に向けて継続させないといけない」 いつまで休業するのか今のところ未定だが、新体制で再スタートできるメドが立てば再開したい考え。幸いにも、社員への応募者は続々と現れているという。再出発の暁には、さらに基盤が強固になった新生・千葉家が見られそうだ。

■ よこはまらーめん ちばや
■ 住所:千葉県千葉市若葉区みつわ台4-17-22 106号室
■ 営業時間:11:00~20:00
■ 定休日:月曜日(その他不定休に付き、Twitterを確認して下さい)


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名無し (木曜日, 30 3月 2023 18:59)
ラーメン屋・そば屋の夫婦コンビはプリキュアみたいに最強だけど、どちらか一人倒れると即廃業ってのが厳しい。
実際に何十年もやってきたコンビのタイミングって、やっぱり到達するのに十年は掛かるんよ。麺の茹で上がりを見計らって丼にスープの準備とか、体に染み込ませない限り微妙にストレスになるのよ。
名無し (木曜日, 30 3月 2023 18:59)
地元民で中学生の頃から未だに通ってますが、大変そうなイメージはありました。美味しいがゆえの体力の限界というのは非常にわかります。外野からで申し訳ないですが、廃業は避けてもらいたいです。
そしてゆっくり休んで数ヶ月後戻ってほしいです。
名無し (木曜日, 30 3月 2023 19:00)
店主が1人(+α)でやってきたラーメン店が、店主が倒れて廃業となるのを何店も見てきた。この方47歳というが、66歳の小生より老けて見える。苦労されたんですね。結局本部から送ってくるスープと麺でいくフランチャイジーか、スープ、麺とも外注で、茹でマシン使って今日来たバイトでも同じ味が出せる仕組みでないと体を壊す…でもそんなラーメンに千円も出したくないわな。
名無し (木曜日, 30 3月 2023 19:01)
真面目にお客様本位に考える人達によくあるケースですね。自店のピーク時間を把握し、準備時間として休憩時間を設け無ければ働き手も無いでしょう。ビジネスとはお客様本位も大切だが支持してくれる本当お客様の為に継続する事です。
名無し (木曜日, 30 3月 2023)
今後のことはともかく、奥さまの耳鳴りや体調不良が早くなおりますように。
実は自分も家のことや母親の介護で体調不良をお越し突発性難聴になりました、奥さまと同じ状態で…自宅療養しています。
伝わるといいが、奥さま…数ヶ月でいいので病院に入院した方がいい。
追記: 私は体調不良のまま千場日報さんに面接に行ったら「いきなり ツンボ!」と言われました。千場日報さん…覚えてますか?あれ私聴こえてたんですよ。私と千場日報さんとは縁がなかったということですね、帰りに呑んで帰りましたよ。やはり地方紙ですね。残念です。
名無し (木曜日, 30 3月 2023)
最近YouTubeでハマってるのが飲食店(うどんそば)のI日を追ったやつですが人気店は朝早くから仕込みに店の清掃そしてそのままランチに突入、とにかくテキパキ無駄がない。いつ休むのか本当不思議。こりゃ普通の人間には無理だなと感心している。このラーメン屋さんもそれを何十年もやってたのだから少し休んで態勢整えてまたやって欲しい。
名無し (木曜日, 30 3月 2023 19:04)
年寄りなって体調不良が出てきたら毎日16時間労働なんてやってらんない。飲食店経営は
バイト雇えば利益が出ない。出てもバイト教育ではしこたま叱らないと学生バイトは教育してる手間がかかる。ヤイヤイ叱ってバイトの子が突然辞めたら夫婦でガックリするからね。時給渡してヤイヤイ叱ったりなだめたりして教えてあげたのに店辞めちゃうんだから
我が子の世話でもシンドイのに?夫婦2人きりの商売で揉め事ない方がいいしね。そんなもんだと思うけど。私も今深夜のラーメン屋にパート行ってますけど。
名無し (木曜日, 30 3月 2023 19:06)
ここに限らず町中華の店でも高齢のご夫婦だけで営業している店は皆大変だと思う
他の飲食店も事前の仕込みや営業後の売り上げ計算、店内掃除等々サラリーマンの様にすぐに帰宅などは出来ない
これからはどんどんこの様な店が増えていくでしょう
近所の三鷹駅そばの旧江口が前の店主がいなくなってもファンの方がそのまま営業を受け継いだがそう多くはない事例
町中華等もあと10年もしたら国宝級の幻のお店の立ち位置になるのでは
名無し (木曜日, 30 3月 2023 19:07)
0年ほどまえから10年近くのあいだ小倉町に住んでて、ラーメンフリークではじめて、千葉家に入ったときの衝撃、忘れません! 女将さんのインパクト!オーダー、メモらず10人くらいは余裕で麺の硬さ、スープの濃さ、脂の濃さ…まる暗記…!器量も良くて素敵でした… 美味しくて行く度に麺はもちろんスープも全部完食してました…当時、知ってるラーメン屋さんの味とは別格で…最高でした…本物ザ★ラーメン屋です 主と女将さんが自分と同い年なのも…そだったんだ… って、20代であの度量、改めて敬服です、復活を願ってます
名無し (木曜日, 30 3月 2023 19:08)
昨年食べに行ったけど半ライス頼んだら普通のライスと間違えられてキッチリ普通盛りの料金取られた。まぁ食べた分はちゃんと払ったけどね。
奥さんの記憶力をやたら絶賛されてたけど人間には限界があるよ。券売機は導入した方が良いと思った。
名無し (木曜日, 30 3月 2023 19:10)
これさ、本田圭佑さんが言っていた「ラーメン:2,000円」の話につながることだと思う。
お店側の稼ぎだけの話でなく、就労時間。
寿司屋さんもそうだけど、とにかく仕込みから考えても就労時間が長い。
早朝(深夜)から仕込み、11時頃から営業し14時~15時迄営業して、休憩(仕込み)やって、17時30分から夜営業。
21時で終業しても、後片付け含めたら日が回っていたり。
そんな状況で続けられるわけないですよ…
名無し (木曜日, 30 3月 2023 19:13)
千葉家だいすき!!あの元気な奥さんがそんな限界だったなんて…いい改善方法が見つかりますように。
名無し (木曜日, 30 3月 2023 19:15)
美味しいラーメンを提供したい気持ちは分かるけど、
サラリーマンと違って自営業なんだから時短営業する、定休日を増やす、一日分の提供数量を限定する、求人開始する、なんて自分達のさじ加減で自由に決められるでしょう。
今までそれもやらないで「精神的にダメ」「精根尽きた」なんてわざわざ言わなくてもいいのに。
夫婦二人で勝手に忙しくなってお互いの首絞めてたようなもんでしょ。
そもそも体調壊す前に対策出来なかったのかと思う。子供じゃないんだから何の前触れもなく突然廃業します、なんて言ったらお客様に対する信用失墜行為だよ。
繁盛していてもいきなり潰れるかも分からない店なんか怖くて銀行だって融資しなくなるよ。
悲劇の主人公みたく同情してもらいたいだけに見える
名無し (木曜日, 30 3月 2023 19:16)
いや何もそんなクソ真面目に11時から20時まで営業とか頑張らなくていいでしょうよ。せっかくの自営業なんだからさ、体力的にきつけりゃ昼だけの営業とか夜だけの営業とか家族経営ならもうちょっと柔軟に営業時間変更しようよ。
名無し (木曜日, 30 3月 2023 19:17)
もうこれ以上奥さんをこき使うな
楽させてあげるのも男の甲斐性だぞ大将
名無し (木曜日, 30 3月 2023 19:19)
生きるために働くのか、働くために生きるのか。様々な職種で様々な立場の人が直面する問題ですね。
名無し (木曜日, 30 3月 2023 19:21)
女将さん、注文の暗記で疲れてしまったのではないでしょうか?
確かに、これを見たくて来店してた人もいますからね。
これからは気楽にやってください。
名無し (木曜日, 30 3月 2023 19:24)
ホンマ過酷やと思う。実家立川のじろう系やけど店主さん具合わろうなって何度か変わって、最近夜も復活、行列。立ちっぱなしでさらしで作ってるから心身ともたいへんそう、、食べて喜んで帰るの見るのがモチベーションなんやろな
名無し (木曜日, 30 3月 2023 19:25)
杉○屋ができるまでは武○屋と千葉屋しかなかったが、武○屋は床がにっちゃりしていて清潔感がなかった。
千葉屋は味も床もスッキリ、厨房に女性がいたのでやっぱり女性の気遣いがあるとちがうなと好感を持っていました。
体制が整ったらまた頑張って下さい。
名無し (木曜日, 30 3月 2023 19:29)
今までやってこれたから23年夫婦二人三脚で、やってきたと思う。ただ、月日が経てば衰えも感じるはず。言うに言えなかった「限界です」と、多分勇気を出して発信して続ける道を選んで良かったと思う。発信しなければ、いろんな意味で終わってたかも…