生まれてきた時も独り、また死んでいく時も独り。世直し桃太郎NY

仏典に説かれている刀葉林地獄といわれるものがあります。
人間のこの愛欲の限りないことを描かれたものともいわれます。

この地獄へ堕ちた男がふと見ると、天を見上げるような大樹がある。
葉は刃のごとく鋭く、焔を吹いている。

樹上には好みの女が、満面媚を浮かべて、自分を招いているではないか。

罪人のかつての恋人である。

男は恋しさのあまり、居ても立ってもおれず、前後を忘れて木に登ってゆく。
すると刀葉が降ってきて、男の肉を割き、骨を刺し、全身血だるまになるが、
愛欲はいっそう激しさを増す。

ヤットの思いで近づいて、満身の力で抱こうとすると、
女は忽然と消えうせて、今度は樹の下から声がする。

「あなたを慕うてここまできたわ。なぜ早く抱いてくださらないの」

とやさしく誘う。たかが一人の女のために、火を吐く思いで登ってきた純情さ
が、いじらしく泣けてくるが、愛恋の情はますます燃えさかり、樹を下りよう
とすると、地上に落下した刀葉が、今度は逆に、上に向かって焔を吐き、寸々
分々に肉を徹し、骨を削る。言語に絶する苦痛である。

ようやく地上に下りると、恋人の姿はそこにはなく、
樹上からまた身悶えしながら彼をよぶ。

愛欲の広海は果てしなく、限りなく登り下りをくり返し、苦しみつづける地獄
であると説かれています。

この刀葉林地獄をおとぎ話と思うでしょうか?

あの人好きだ、一緒になりたいと、異性を求めるときは
いろんな苦しみ障害も乗り越えて近づいていきます。

邪魔なものは、相手の家族でさえも引きはがして近づく人も
あります。

ところが、やっとの思いで一緒になると、
今度は、すれ違い、お互いを憎しみ合い、傷つけあり、
お互いが傷だらけになって、この人ではなかったと
相手に絶望して、離れるのです。

そして、ふと向こうの人を見ると自分の好みの人がいる
あの人ならきっとと望みをいだいて近づいていくのですが、
こんなことをどれだけ繰り返してきたのでしょうか。

今生だけではありません。

果てしない過去世から、別れては恋しく、会えば敵同士となって傷つけあう。
満たされなければ渇き、満たせば二倍の度を増して渇く。

果てしない愛欲に苦しんできたのです。

人世間愛欲の中にありて、
独り生まれ、独り死に独り去りて独り来る

        釈尊

世間の人は皆、愛してほしいと愛欲を満たしてくれる
相手を求めているが、
生まれてきた時も独り、死んでいく時も独り
独りでこの世にやってきて独りでこの世を去っていく

そして、生きている今も愛欲は満たされることなく

孤独にかわいているのだと言われています。

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コメント: 5
  • #1

    名無し (月曜日, 03 10月 2016)

    寂しいです。誰もいない。

  • #2

    今井 斉藤 (月曜日, 03 10月 2016 22:27)

    人間とは、愚かな生き物ですね。先人に申し訳ないです

  • #3

    ケンブリッジ建一 (水曜日, 05 10月 2016 23:24)

    俺は孤独だ。キャバクラ 行こう。

  • #4

    レンタル太郎 (水曜日, 05 10月 2016 23:25)

    あー。暇だぞ〜。暇だぞ〜(笑)

  • #5

    筋肉慢太郎 (金曜日, 07 10月 2016 07:15)

    やばし!今、やばし!