会社の宴会を、体育会のノリでさらっと流した男子【青空と向日葵の会】

ちの会社では、昔ながらの宴会が半期ごとに催される。

この間あった宴会での出来事。

くじ引きで当たった人は、
幹事が用意したパーティーグッズを身に付けなければならなかった。

今年入社したばかりのA君(25歳)に、メイド服が当たってしまった。

こればっかりは、男子社員の誰もが逃れたいグッズだ。

A君はルックスが良いわけではないが、オシャレには気を使うタイプだった。

なので、誰もが彼は嫌がって着ないだろうと思っていた。

ところが、「ちょ~~~どうしよう(T_T)サイズ合うかな(‘ω’)」
と言いながらトイレへ向かうA君。

数分後、トイレから戻って来たA君はネコ耳メイドになっていた。

A君は大学までラグビーをやっていて、ガッチリした体型。

サイズ的にもピチピチにはちきれそうになっていて似合うわけもなく、全員が大爆笑。

全員からの大爆笑を浴びたA君だったが、
その後、彼のことをすっかり見直したくなってきた。

人はからかわれ、照れたり困ったりしていたが
「スカートってすーすーするんですね」などと素で答えていた。

さらに言われるままに「お疲れ様です、御主人様~」
とビールをついで回り、どこでもすっかり大の人気者になった。

普段は控えめでおとなしく仕事をする人だったので、
誰もが目を回して驚いた。

実は、多くの場合、女物のグッズが当たったりすると、
女性の当たりものグッズと交換するのが、これまでの通例だった。

その場では、動物の着ぐるみが当たった女子がいたので、
彼女と交換することもできた。

帰り道、同僚が「A君、嫌なときは普通に断って良いんだからね」と言うと、
A君が答えて言った。

「僕があそこで断ってたら、皆が嫌な雰囲気になるじゃないですか。
 それに、僕が断ったものを他の人に回したら、
 その人だって気分良くないだろうし」

さすがはさわやかラガーマン、A君・・・いいやつだ。

昨年、同じようなアイドル服を、必死で拒否した自分が恥ずかしくなってしまった。