皆さんは毎週約500人もの中国人が新たに日本に「住みついている」ことをご存じだろうか。一方、2009年には中国本土、台湾、香港から約248万人もの観光客が日本を訪れている。毎週5万人近い中国人が日本にやって来た計算だ。
海外の華人社会については、これまでシンガポール、タイ、インドネシア・マレーシアなど東南アジア諸国の例を書いてきた。しかし、知っているようで知らないのが日本における在留中国人社会の実態ではなかろうか。
在留外国人の3人に1人は中国人
法務省統計によると、昨年2009年末の外国人登録者総数は約219万人、第1位は中国人の68万518人で、全体の31%を占める。
第2位は韓国・朝鮮人の58万人弱、在日米軍を除く米国人が5万人ほどだから、中国人の存在感は圧倒的だ。
外国人登録をした中国人の数は1999年に19万5000人であったから、過去10年で3倍以上に膨れ上がったことになる。
特に、2009年は、経済情勢を反映してか、外国人登録者総数が前年に比べ3万人減少する中、中国人だけが2万5141人も増加している。
この中国人登録者68万人のうち約3分の1は永住者・日本人の配偶者などであり、その数は21万2805人に上る。昔は中国人と言えば留学生だったが、今やその多くが日本で永住を始めたということなのだろう。
以前述べた通り、中国政府は、「華人」を移住先の国籍を取得した中国系住民、国籍を取得しない者を「華僑」と定義している。この定義によれば、永住者など21万余人はすべて「華僑」であり、日本国籍を取得した(村田)蓮舫大臣は「華人」ということになる。
強制退去処分の3人に1人も中国人
日本での中国人の評判はあまり良くない。中国人と言えば、どうしても「犯罪者」のイメージがつきまとうからだ。実際、2009年に入国管理法上の「退去強制」処分を受けた外国人3万2661人のうち、約3割の9522人が中国人だった。
この数字は台湾人、香港人など(246人)を含んでいない。さらに、2009年の外国人犯罪検挙件数の3分の1以上が中国人というデータもある。残念ながら、大陸の中国人=犯罪者というイメージはかなり実態を反映していると言わざるを得ない。
22日未明、埼玉県川口市の路上で男性に殴る蹴るなどの暴行を加え、けがをさせたとして、
33歳の中国籍の男が現行犯逮捕されました。
男性はその後、死亡しました。
傷害の疑いで逮捕されたのは、川口市に住む自営業・崔松国容疑者(33)です。
崔容疑者は、22日午前1時過ぎ、川口市の路上で、
帰宅途中に久保賢治さん(60)と口論になり、久保さんに殴る蹴るなどの暴行を加えた疑いが持たれています。
久保さんは、病院に運ばれましたが、まもなく死亡が確認されました。
警察によりますと、崔容疑者と久保さんの間に面識はないとみられ、
2人が事件直前、立ち小便をめぐって言い争う様子が目撃されていたということです。
取り調べに対し、崔容疑者は「やっていない」と容疑を否認しています。
警察は、久保さんの死因の特定を急ぐとともに、傷害致死の疑いも視野に、さらに調べを進める方針です。
TBSテレビ 2015年10月22日(木) 20時34分
埼玉県川口市の芝園団地。全2400世帯のうち、3分の1を中国人世帯が占める。文化・習慣の違いから、当然ながら、さまざまな場面で軋轢が生まれている。外国人との共生というが、きれいごとでは済まない現実がここにある。現場からのレポートである。
「ホラ、あのベランダをごらんなさい。洗濯物干しがロープでしょう。中国人の住んでいる部屋だってすぐわかる。もうすぐ春になるとおじさんが上半身裸で、部屋の中やベランダをウロウロするのが見えるよ」
広場のベンチに座った70代の男性住人は、団地を見渡しながら言う。
「痰や唾を吐くのは中国の空気が乾燥しているからかな、と思っていたら、習慣なんだな。この団地でもよく吐いているよ」
チャイナタウンといえば、横浜中華街、神戸南京町、長崎新地中華街が有名だが、近ごろ、住人の3分の1が中国人という“チャイナ団地”が、埼玉県南部に出現した。川口市の芝園団地である。
荒川を隔てて東京に接する川口市は、吉永小百合主演の映画『キューポラのある街』(62年公開)で知られるように、もともとは鋳物工場の煙突が立ち並ぶ工場地帯だった。しかし、近年、鋳物産業の衰退と共に、東京のベッドタウンとしての色合いを濃く持つようになっている。78年に建てられた日本住宅公団(現・UR都市機構)の芝園団地は、15階建ての建物10棟が林立する高層集合賃貸団地だが、まさに首都圏で働くサラリーマンのために建設されたものだった。
大友克洋の漫画『童夢』(83年発行)の舞台のモデルになったことでも知られる芝園団地は、JR京浜東北線・蕨駅から徒歩23分。その利便性で完成当時から、人気を集めていたが、はじめから中国人が多かったわけではない。85年の統計では、川口市の在留中国人は211人にすぎない。
川口市に在留中国人が増えるのは、90年代に入ってからである。90年に1364人、93年には2299人と急増する。その波が芝園団地にやってくるのは、それから少し経ってからだった。95年には団地のある芝園町の外国人登録者数は114人だったが、99年に486人に増加する。そのほとんどは芝園団地に住む中国人だった。
「民間の賃貸住宅は外国人になかなか貸してくれませんが、UR都市機構の場合は、家賃の4倍の月収があれば、保証人なし、更新料なし、礼金なしで入居できます。しかも、芝園団地は幼稚園、小学校、中学校が揃っています。最初の中国人はそういう理由で引っ越してきたんです」
とは、団地内の商店主。
「入居した中国人のほとんどは大学か大学院を卒業しているエリートでした。IT関係の技術者が多かったですね。子供さんが東大に合格して話題になってこともありました」
2000年代に入ると中国人は増加の一途を辿り、ついに04年には1000人代を突破する。
「家賃は1DKの約5万円から3DKの約11万円までと手頃。中国雑貨を売る店が団地内にできて、増加にますます拍車がかかった」(住人)
その結果、現在の1874人に至った。2400世帯中800が中国人世帯、実に全体の33%を占める。
他の団地と比べると、
「機構が管理する76万戸の中で、外国人籍を持つのはそのうちの約2・5%に当たる約1万9000世帯」(UR広報チーム)
というから、いかに中国人の比率が高いかわかる。そうなれば、好むと好まざるとにかかわらず、日本人は中国人と顔をつきあわさざるを得ない。
「公民館内の体育ホールは2時間セットで貸していますが、中国人のバスケットチームもあれば、日本人との混合チームもあるように、国際交流をやっています」
と言うのは、芝園公民館の矢作和雄館長である。
「中国人の先生による中国語教室も人気があって、今では22、23人が参加しています。中には熱心な人もいて、“必ず中国語を覚えて上海万博に行く”と張り切っているお年寄りも何人かいるほどです。同じ人間同士、お互いに馴染んでしまうと民族間の違和感はなくなるようですよ」
和気あいあいと日中交流に励む住人がいるその一方、中国人住人に対し、強い違和感を持つ日本人住人はかなり多い。
「もうお互いに理解しようなんて思わないから、ルールだけは守ってほしい。ここは日本なんだから」
そんな突き放した言い方をする住人もいるほどだ。何が起きているのか。
「まず、中国人はゴミ出しができませんね」
というのは、柴園団地自治会の瀬川剛一会長(80)である。
「日本のマナーに同化しようという中国人は少ない。中国も都市化が進んでいるので、ある程度の社会教育を受けていると思うし、ここの中国人はホワイトカラーが多いのに、マナーを守れないのはどういうことなのでしょうか」
彼らの多くは、分別などお構いなしに、ゴミを捨てる。
「生ゴミでも缶でもビンでも一つにまとめて燃えるゴミとして出してしまう。それを毎日、掃除のおばさん達が袋を開けて仕分けをしているんですよ」
こう言うのは、団地に住んで25年の男性住人だ。
「踊り場においてあるゴミ箱に生ゴミを捨てちゃうのもいる。“生ゴミを捨てないで”という張り紙があっても捨てる。ゴミ袋の中には中国文字のインスタントラーメンの袋とか、中国食材店で売っている食料品の包み紙とかがあるので彼らが捨てたとわかる。夏場など、ウッとなるほど臭い。勘弁してほしい」
問題はゴミ分別や置き場所だけではない。
「もっと嫌なのは、自分の部屋の玄関先から廊下にゴミを掃きだすこと。紙屑やホコリに混じって髪の毛なんかが廊下に掃きだしてあると気持ちが悪い」
とは団地内の掃除を担当する女性だが、粗大ゴミでもルールを守らないという。
「使わなくなったソファや椅子、古自転車、冷蔵庫などを粗大ゴミとして市に引き取ってもらう、というルールを守ろうとしません。市に払う310円のシール代金は他の自治体よりも安いのですが、お金を払ったり、電話をかけて引き取りに来てもらうのが面倒なんでしょう。粗大ゴミを玄関ホールや各階のフリースペース、非常階段の踊り場などに置き去りにしています。私たちがそれを回収して川口市に引き取ってもらっていますが、その代金は居住者たちから集めている管理費から出ているのです。日本人居住者が可哀相になってしまいます」
だが、ゴミ問題はそれだけでは終わらない。何と、この団地では空からゴミが降ってくるのだ。
「彼らはベランダからゴミを投げ捨てるんですよ。人参の切れ端など生ゴミは当たり前。中には子供のオムツを放り投げた奴もいました。下の階に干していた蒲団に汚物がついたことがありました。もっと酷いのは火のついているタバコを投げ捨てるんです。この前も洗濯物が焦げて問題になりましたよ」(同)
傍若無人な振る舞いだと日本人なら誰でも思うが、彼らにとっては当たり前のことになのだという。
「中国には“白害”という言葉があります。列車の窓から弁当の包み紙や紙コップ、食べ残しなどをポイ捨てして、ゴミが線路沿いにずっと続く状態を表現しています。現在、中国では立派なマンションが次々に建てられていますが、居住する彼らは窓からゴミをポイポイ捨てるので、建物の周辺にはビルの形に沿って、四角いゴミの山ができているほどです」(中国問題専門家)
日本人には何とも理解しがたい行為だが、さらに信じられないことがある。
「辺り構わず痰や唾などをぺっぺっと吐くなんてまだ序の口、エレベーターの中や踊り場でオシッコをするんですよ。催すと、家に戻らず、そこらでしちゃうんでしょうね。よくエレベーターの床に水たまりができています」(団地の関係者)
団地内の公園には噴水があったが、しばしば彼らが立ち小便をするからと撤去されてしまったという。日本人も、だいぶ少なくなったとはいえ、今でも立ち小便をしないわけではない。しかし日本人は団地の踊り場や階段で大便をしたりはしない。ところが、この団地では日常的に大便が発見されているのである。
「毎朝のように水で流していますよ。ホームレスが犯人だという人もいますが、誰が13階や14階まであがってやりますか」
とは先の掃除担当者だが、30代の男性住人は言う。
「ある時、日本人のおばさんが、中国人女性が階段で用を足しているところを見つけた。注意すると、こう言われたそうです。“トイレで流すのがもったいない”」
聞いた人は二の句が継げなかったというが、
「日本に来ている中国人でキチンと礼儀を知っているのは少数派。多くの中国人は痰や唾を吐き捨てることを悪いとは思っていません。誰も見ていなければ、植え込みにだってウンチをするでしょう。それが中国式なのですから。そんな連中に注意しても無駄ですよ。うるさいと思えば、“日本語がわからない”と開き直ってしまいます。とくに集団になると仲間意識が働いて、ますます中国式にこだわるようになります」
というのは、07年、中国から日本に帰化した評論家の石平氏。
ここの中国人には、郷に入っては郷に従えという考えはないようである。実際、彼らは団地の自治会にも入ろうとしない。
「中国人で年間3000円の自治会費を払っているのは、800世帯のうち1世帯だけですよ。この人はIT関連会社のお偉いさんです。ああいう中国人ばかりだといいのですが、他の中国人は、“3000円払って何のメリットがあるのか”と平気で断ります」(瀬川会長)
勝手といえば、騒音問題も深刻である。
「団地が古いということもあるけど、上に住む彼らの出す音には困っています。夕食を作るとき彼らは日本人と違ってまな板を中華包丁で叩くんです。それが響く。夜10時ごろにはダダダという足音もするんです」
とは40代の男性住人だが、商店主はこう言う。
「彼らは夏になると、夜、大勢で公園に集まって大きな声で話すんです。日本人からすると、まるで喧嘩しているように聞える。勘違いされて、警察に通報されることがよくあります。去年だけでも12回パトカーが出動しました。警官は、“静かにしゃべろうね”と注意して帰っていくだけです」
あまりのうるささにパトカーを呼ぶどころか、自ら中国人の部屋に乗り込んだ人もいる。
「夜中、窓を開けて仲間と騒いでいるので、“うるせえ! 静かにしろ!”と怒鳴り込んだことがあった。彼らは何も反論してこなかった。きっとうしろめたかったからだろうな。彼らは正当性があると思ったら、絶対に主張してくるからね」(70代男性)
騒音について、20代後半の中国人住人に聞くと、
「“うるさい”といわれたことがあるけど、大目に見て欲しい。みんな電話もないような所からきていますから、自然と声が大きくなってしまうんですよ」
とのことだが、話はまったくかみ合わない。相互理解にはほど遠い。
「中国人も猜疑心の塊ですよ。クリーニングに出した衣類を取りに来て、その場でチェックする人もいます。1時間も調べるので困り果てた、という話も聞きましたよ。灯油を運んでいけばいったで、全部容器に注いだか、と迫られるとも聞きます。日本に何年もいると、品物やサービスを疑う必要はないと分かるようです。反対に、自分たちの子供が日本に小さい頃から住んでいると、“温室育ち”になり、疑うことを知らなくなり、成長して中国に戻った時、騙されないか心配だ、という中国人の声をよく耳にしますよ」(商店関係者)
夕方、中国人女性が買い物に出かける。アチコチで中国語が飛び交う。多数派のはずの日本人の影は何とも薄い。
「ここの日本人住人の多くは60代、70代の老人。ここで生まれた子供は出ていって古い団地には戻ってこない。独り暮らしの老人も多く、孤独死が去年だけでも10件以上ありました。寂しい限りです」(瀬川会長)
日本人は減り続け、中国人は限りなく増殖する。
「公団住宅は戦後、住宅不足を解消するため税金を使って建設したものです。中国人の受け皿にしていいものでしょうか。本来の目的からかけ離れているようで、大いに疑問です」(商店主)
との声はかなり強い。出現した“チャイナ団地”。様々なことをわれわれに問いかける。
週刊新潮2010年3月18日号