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2019.10.21(Mon) ホテル計画とん挫で「幽霊ビル」爆破解体 琵琶湖岸の廃墟跡、生物棲みつく 京都新聞社 京都新聞社

 オニグルミ、アオスジアゲハ、カイツブリ…。大津市木の岡町の「木の岡ビオトープ」は、市街地近くにありながら多様な生物の生息地で知られる。子どもたちの自然学習にも利用されているが、この場所にはかつて「幽霊ビル」と呼ばれた廃虚があった。

 ビルは大阪万博前の1968年、鹿児島県の業者がホテルとして着工した。高さ36メートル、地上11階建てで当時としては大規模な建物だったが、資金難で工事が中断した。コンクリートがむき出しのまま20年以上放置され、廃虚として知られる存在になった。近くの竹本勝さん(79)は「窓は割れ、壁には落書きがあり、不良のたまり場になっていた。地元の人も近寄らなかった」と振り返る。

 ビルが一躍注目を集めたのが、92年のダイナマイトを使った爆破解体だ。解体工期短縮などを名目に、当時所有していた京都市の会社が実施を決め、英国の業者が作業を担当した。市街地でのビルの爆破解体は国内で初めてということもあり、テレビ中継も行われた。当時の報道によると、約4万人が見物したという。

 跡地はその後、がれきを残して放置されていたが、2001年に一部を滋賀県が購入。長年、人の出入りがなかったため良好な自然環境が残っているとし、一帯約4ヘクタールを「木の岡ビオトープ」と名付けて管理し始めた。県が03年に実施した調査では、植物340種、昆虫類410種、鳥類60種が確認された。

 06年には住民や行政、企業などが一緒になり、環境保全に向けた組織「おにぐるみの学校」を設立し、一般向けに自然観察会などを開いている。会長の小林圭介・県立大名誉教授は「琵琶湖岸の自然がここまで守られてきた場所は他にはなく、『幽霊ビル』があったおかげだ。環境を守りつつ、広く魅力を知ってもらう機会を作りたい」と話す。

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コメント: 4
  • #1

    名無し (木曜日, 01 6月 2023 12:41)

    小学校の一年生の時にこの爆破解体を見た!
    その頃は隣街からこのビルが見えるくらい、建物はなく、もちろん住宅地もない、ひたすら田んぼが広がるのどかな街だった。
    小学校の帰りには秘密基地を作ろうと言って話したり、ザリガニ捕まえて帰宅したり。
    自然いっぱいの地元で育ててもらって感謝してる。

    今でも、あのビルのあった場所は、そんな豊かな環境が残っているのか。
    地元に戻る時に見に行ってみようと思う。
    25年という四半世紀前の子供の頃の景色に戻れるのか。

  • #2

    名無し (木曜日, 01 6月 2023 12:43)

    テレビ生中継を見た!垂直に崩れるものと期待してたら半端な倒れかたでモヤモヤ感しか残らなかったやつ。
    ちゃんと跡地活用されてたんだ。

  • #3

    名無し (木曜日, 01 6月 2023 12:44)

    この頃、アメリカの爆破解体の映像がよく流れていて、日本でもやってみたいという話が数件あって、つくば万博の国連館を初めて爆破で解体して、その後これおやったんだっけな? 2件とも綺麗に壊れなくて、そのあと長崎の池島の団地を爆破解体した後は、いつの間にかニュースにも出てこなくなったな~。その後はやってないのかな?

  • #4

    名無し (木曜日, 01 6月 2023 12:45)

    92年の大追跡では、2人の女性発破師のドキュメントやっていました。ビル爆破解体という男みたいなことやる女性が自宅で洗濯物干しているところでは白いタイトスカート穿いているところ、スタジオに来て紫色のフレアースカートスーツ姿になっているところ見てはあはあしました。