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石山修武氏による高さ120mの煙突がある「北清掃工場」が解体・建替えへ

 北区にある石山修武氏設計の煙突が特徴的な「北清掃工場」(高さ約120m)です。1998年3月に竣工した清掃工場で、2023年1月28日にごみ搬入を終了し、2月3日に焼却炉を停止しています。今後は2030年2月竣工予定で解体・建替え工事が始まります。この記事では新清掃工場の概要や現況、地図等を載せています。
新「北清掃工場」完成イメージ[出典:三菱重工環境・化学エンジニアリング]

 「北清掃工場」の老朽化に伴い建替される新しい「北清掃工場」の完成予想図です。工場棟の高さは約31m、煙突の高さは約120m、建築面積約9,911㎡、事業者は東京二十三区清掃一部事務組合、施工者は三菱重工環境・化学エンジニアリングで2022年度着工(解体含む)、2030年2月竣工予定となっています。

▼三菱重工環境・化学エンジニアリング:お知らせ(2023年4月6日)
MHIEC、東京都北区にある一般廃棄物焼却施設建替工事を受注 高い環境性を有する独自開発の新型V型ストーカ炉2基を国内初導入

▼東京都環境局:環境アセスメント(2023年2月28日)
「北清掃工場建替事業」事後調査計画書

計画立面図[出典:東京都環境局]

 立面図です。既存の清掃工場の処理能力は600トン/日で、新施設は処理能力300トン/日のストーカ式焼却炉2基および発電設備で構成されます。
計画立面図[出典:東京都環境局]

 このうちストーカ式焼却炉には、従来炉の乾燥・燃焼プロセスをさらに適正化した独自開発の「低熱灼減量対応V型ストーカ式廃棄物焼却炉」を国内で初めて導入されます。また、処理過程で発生する熱エネルギーを利用した高効率発電を行うほか、余熱を近接する区立施設へ供給します。
全体処理フロー[出典:東京都環境局]

 全体処理フローです。詳細は上記リンク先をご覧ください。
既存施設配置図[出典:東京都環境局]

 こちらが現在の「北清掃工場」の配置図で、建築面積は約6,661㎡となっていますが…
施設計画図[出典:東京都環境局]

 新「北清掃工場」は建築面積は約9,911㎡に拡大します。

 また、工場棟の左側の赤枠外は「東京都北区立 元気ぷらざ」で、全長72mのウォータースライダーや1周90mの流れるプールなどがあり、清掃工場の余熱を利用した施設となっています。新清掃工場が完成するまで余熱はありませんが、ボイラー等で対応して営業するとのことです。



位置図[出典:東京都環境局]

 場所は東京メトロ南北線「志茂」駅の南側で、JR「赤羽」駅から見て東側に位置しています。また、「北清掃工場」の南側では2023年夏オープン予定の「イオンスタイル赤羽」が建設中です。



2023年4月10日に撮影した「北清掃工場」(高さ約120m)です。まだ解体工事が始まっている様子はありませんでした。
 初めて見たときは煙突とは思えないデザインに衝撃を受けた記憶があります。

 個人的に唯一好きな煙突だったので解体は残念です。
 25年間稼働していたとのことですが、清掃工場って寿命が短いんですかね。

 煙突らしさのないデザインで個人的にはこの辺りのシンボルタワーだと思ってきました。見納めするのならば今のうちです。


工事工程[出典:東京都環境局]

■物件概要■
事業名:北清掃工場建替事業
所在地:東京都北区志茂一丁目2番26号
交通:東京メトロ南北線「志茂」駅
用途:廃棄物処理施設
高さ:約31m(工場棟)
   約120m(煙突)
構造:鉄骨鉄筋コンクリート造、一部鉄筋コンクリート造、鉄骨造(工場棟)
   鉄筋コンクリート造(煙突:外筒)
   ステンレス製(煙突:内筒)
敷地面積:約19,000㎡
建築面積:約9,911㎡
事業者:東京二十三区清掃一部事務組合
施工者:三菱重工環境・化学エンジニアリング
工期:2022年度着工~2030年2月竣工予定