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田中角榮 復刻版 日本列島改造論 (尊敬する田中角栄様 令和の時代にこそ必要ではないでしょうか)Apex product

出版社より

約半世紀ぶりの復刻!『日本列島改造論』 

改造論POP

●田中角榮の構想力と実行力に学ぶ

稀代の名宰相・田中角榮が敗戦後の日本の荒野に佇んで何を考え、どのような理想を思い描いたのか―その実相と実現に向けた具体策があますところなく本書には記されている。 

●大都市と地方の格差解消、高まる環境問題への対処、デジタル化の推進―

50年前に日本のグランドデザインを描いた『日本列島改造論』は、現代にも共通する多くの重要課題に具体的な解決策を提示している 

列島新幹線

●「過疎と過密」を同時解消 

当時の課題の一つがインフラ整備。東京への一極集中とそれに伴う農村部の疲弊が社会問題化していた70年代、新幹線を中心とした高速鉄道や高速道路を地方に行き渡らせることで人口と産業の地方分散を実現、「過疎と過密」を同時解消することを鮮明に打ち出しています。 

そのアプローチは理論的かつユニークです。過密対策では、都市機能の一部を担っていた工業を東京や大阪から追い出し、全国的な視野で再配分することを模索。特に知識と知恵が求められる「知識集約型産業」を内陸部に配置することを立案しています。知識集約型産業は、それまで日本を牽引してきた重化学産業と異なり、公害を出しにくい産業群であり、環境対策にもつながります。また工業を地方に分散させれば職が生まれ、自然と人口も増えます。人と産業が地方に移りやすくするために鉄道網や道路網を整備し、大都市と地方のアクセスを容易にする-というシナリオです。これが「国土の均衡ある発展」であり、田中角榮氏は「人と経済の流れを変える」と指摘しています。 

改造論帯両面

●インターネット時代を予測したような記述も 

『日本列島改造論』の中では強化すべき分野が具体的に提示されています。電子計算機、航空機、産業ロボット、海洋開発、情報処理サービス、システムエンジニアリング―。いずれも現在の日本経済を支える産業ばかりです。世界の自動車産業の中核になると見込まれる電気自動車(EV)開発の必要性も明記されているほか、ロボット産業の勃興もこの政策が原点といえます。 

内容の半分程度は通産省の範囲ですが、あとは大蔵省や建設省、運輸省(いずれも当時)などで、通産省だけでなく各省庁の戦略を巧みに盛り込むことで、インフラ整備だけでない、新たな日本の産業像を描き出しています。 

代表例が「情報ネットワークの構築」。「情報列島の再編成」という言葉を用いていますが、特筆されるのがインターネット時代を予測したような記述があることです。 「通産省で開発しようとしている映像情報システムでは、将来、一台のテレビ受信機で無線テレビも有線テレビも楽しみ、さらにテレビ受信機に組み込まれた鍵盤を操作すると、情報センターやデータバンクにつながって『日本の国土面積はどのくらいか』『IMF(国際通貨基金)とはどういう機関か』といった知識を求めることができる」(本文より) 

デジタル全盛の今から50年も前の内容とは思えない大胆な発想が見て取れます。 

●目次

『日本列島改造論』復刻にあたって(田中眞紀子) 

序にかえて 

Ⅰ 私はこう考える 

Ⅱ 明治百年は国土維新 

Ⅲ 平和と福祉を実現する成長経済 

Ⅳ 人と経済の流れを変える 

Ⅴ 都市改造と地域開発 

Ⅵ 禁止と誘導と 

Ⅶ むすび 

説明 

詳細 

商品の情報

田中角栄元総理「日本列島改造論」復刻版発売

田中角栄元総理が就任直前に出版し、ベストセラーとなった「日本列島改造論」の復刻版がきょう発売されます。 「日本列島改造論」は田中氏が通産大臣であった1972年6月に発表した国土開発のあり方などをまとめた政策本です。道路などの交通インフラの整備や東京・大阪・名古屋など都市部に偏在していた工場の再配置を通じて、都市と農村の均衡ある発展を進めることなどを訴えています。 この年の7月に行われた自民党総裁選で田中氏は「列島改造」を公約の柱として戦い、ライバルであった福田赳夫氏らを破り、総理総裁に就任しました。 「日本列島改造論」は91万部のベストセラーとなるなど当時の社会現象となりましたが、第4次中東戦争をきっかけに起こったオイルショックで“狂乱物価”と呼ばれる物価高騰に見舞われたことから経済政策の見直しを迫られ、「列島改造論」は後退し、1974年に田中氏は退陣しました。 出版から50年が経過したことを機に、出版元である日刊工業新聞が復刻版を出版することとなったもので、長女の田中真紀子さんが序文で「田中角榮という敗戦後の日本政治の一翼を担った政治家の、内政に関する構想が『日本列島改造論』には詳しく提示されている」などと、この本の意義について解説しています。

<田中角栄> 1918年-93年。新潟県生まれ。高等小学校を卒業し、15歳で上京。住み込み店員などをしながら、36年私立中央工学校を卒業、43年土建会社を設立。朝鮮半島で理研の工場建設を請け負っていたが敗戦によって引き揚げた。46年の戦後第1回の総選挙で落選したが47年、新憲法下初の総選挙で新潟3区から28歳で初当選。89年10月に病気で引退するまで連続16回当選した。72年7月に54歳で首相に就任、日中国交を回復。日本列島改造論を唱えたが土地投機などからインフレを招き、折からの石油ショックで狂乱物価となり、「田中金脈問題」を引き金に74年11月、内閣総辞職。76年7月、ロッキード事件で逮捕、起訴され83年東京地裁で懲役4年、追徴金5億円の実刑判決が言い渡された。

田中元首相は昭和47年の自民党総裁選で福田赳夫氏らを破って当選、首相に就任してから日中国交正常化を果たし、「日本列島改造論」をもとに開発主導の政策を推進したが、昭和49年に「金脈問題」で退陣した。ロッキード事件で自民党を離れたあとも、自民党最大派閥の旧田中派を率いて「キングメーカー」として政界に強い影響力を行使してきた。 

1989年10月14日:田中角栄元首相が引退 総選挙不出馬、世代交代に拍車:朝日新聞紙面から

72年当時の日本は、経済成長のひずみで都市と地方の格差や公害などの問題が起きていた。田中が唱えた日本列島改造論は、工業を全国に再配置し、それら地方と都市とを新幹線や高速道路、通信網で結ぶもの。都市の過密と地方の過疎を一挙に解消する、夢のような構想だった。

2012年4月7日(サザエさんをさがして)日本列島改造論、狂乱物価とともに去りぬ:朝日新聞紙面から

漫談師のような抑揚をつけて、田中角栄元首相の非嫡出(ちゃくしゅつ)子である佐藤あつ子さん(54)は来し方をふりかえった。母は、一昨年亡くなった「越山会の女王」佐藤昭子さん(享年81)。母との葛藤の歳月を赤裸々につづり、「昭 田中角栄と生きた女」(講談社)として刊行した。

直筆の手紙を何通か拝見して驚いたのだが、豪胆に見えて角栄氏、実は愛人から詰め寄られて悩みに悩む男だった。別れを切り出されると「君程(ほど)の悧口(りこう)な女は初めてである。代議士をやめてもよい」。家を買ってと迫られると、「六千万円程(ほど)の借金が」と買い渋る。認知しなかった娘の先々を案じて「三日ばかりよくねむれない」と書いた手紙もある。

2012年6月17日:(ザ・コラム)角栄氏の情愛 豪胆さの裏、悩める男 山中季広

<日本列島改造論> 1972年6月20日、日刊工業新聞社から出版(現在は絶版)。90万部を超えるベストセラーとなった。明治元年(1868年)からの約100年、日本は東京一極集中が進んだ歴史だったと指摘。その流れを変えるために「国土維新」を掲げ、都市と地方を結ぶ鉄道網、高速道路網を整え、地方に工業を再配置して、地方で豊かに暮らせる国づくりを唱えた。その後の国土開発の基礎となった半面、公共事業の拡大、開発主導による地価上昇を招いた。

2012年4月30日:(証言そのとき)国策とともに:1 改造論、省庁が結集 小長啓一さん:朝日新聞紙面から

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コメント: 3
  • #1

    名無し (木曜日, 23 3月 2023 22:16)

    道路などの交通インフラの整備や東京・大阪・名古屋など都市部に偏在していた工場の再配置を通じて、都市と農村の均衡ある発展を進めることなどを訴えています

    この『日本列島改造論』は、旧自治官僚から八日市市長、滋賀県知事を経て後に新党さきがけ党首を務められ、昨年亡くなられた武村正義氏が、旧自治省時代に発表した論文『日本列島における均衡発展の可能性』がベースになってるんですよね。

    田中角栄氏も斬新な政治家でしたが、名大工学部から東大教育学部に編入された、異色の経歴を持つ武村氏も、「ムーミンパパ」と呼ばれた風貌とは裏腹にかなり頭の切れる方だったと言われています。

    ただ都市部と並ぶ地方の発展を目指し、推進された都市間交通アクセスの向上が、後に東京一極集中を更に加速させることなったのは、何とも皮肉な結果でした。

    田中氏も武村氏も、今の世をどうご覧になられているでしょうかね。

  • #2

    名無し (木曜日, 23 3月 2023 22:18)

    田中角栄の列島改造論や 竹下登の 地方創生など中央との格差解消、地方の発展を掲げる政策をしてきたが、土建屋さんが儲かり、ハコモノ行政がはびこる政治だけが残った。当時の選挙制度や集票構造と関係あったのだろう。
    結果的には、東京が地方の富と人を吸い上げる構造ができただけであった。
    今や選挙制度や集票構造も変わり、もはや地方を優遇する政治的インセンティブはかなり減った。

  • #3

    名無し (木曜日, 23 3月 2023 22:19)

    田中角栄氏の「日本列島改造論」には、夢があった。岸田文雄氏の「新資本主義」とか「異次元の少子化対策」は、纏めて言えば、「日本列島滅亡論」。夢も希望も持てない。