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来春からのNHK朝ドラは「虎に翼」 主役は伊藤沙莉さん

来年春から放送されるNHKの連続テレビ小説は、日本初の女性弁護士の1人、三淵嘉子さんをモデルに激動の時代を生きる女性法律家の姿を描く「虎に翼」に決まりました。
主役は俳優の伊藤沙莉さんが演じます。

110作目となる連続テレビ小説「虎に翼」は、日本初の女性弁護士の1人で、戦後、裁判官も務めた三淵嘉子さんをモデルにしたオリジナルの物語です。

昭和のはじめ、希望を胸に日本初の女性弁護士となった主人公、猪爪寅子が戦争ですべてを失いながらも、法律家として追い詰められた人々を救うため奔走する物語で、寅子を俳優の伊藤沙莉さんが演じます。

22日、東京 渋谷で行われた会見で、伊藤さんは「主役に決まった時には自分でも信じられませんでしたが、今、徐々に実感してきています。今回の主人公のように強い女性、道を切り開く人は、たくさんの苦労や努力をして闘う人なので、強さも弱さも含め、人間らしく表現できたらいいなと思います」と意気込みを語りました。

また、脚本を担当する吉田恵里香さんは「法律は難しいものという感じがしますが、私たちに寄り添う存在だということを見せたいです。主人公の寅子と一緒に一つ一つ知ってもらいたい」と話しています。

連続テレビ小説「虎に翼」は、来年の春から半年間、放送される予定です。

「朝ドラ史上初の主役途中降板」安田成美が決断した「本当の理由」とは!?/壮絶「芸能スキャンダル会見」秘史

 福原遥主演で現在放送中のNHK朝ドラ「舞いあがれ!」も、残すところあと1カ月ちょっと。61年に放送がスタートした朝ドラも今年で62年。思い起こせば長い歴史の中、様々な出来事があったが、中でも印象に残っているのが、95年放送の「春よ来い!」における初のヒロイン降板騒動だろう。

 同ドラマは、NHKが放送70周年を記念し、「おしん」で62.9%というお化け視聴率を叩き出した脚本家・橋田壽賀子氏を起用。主演には当時、トレンディドラマなどで一世を風靡していた安田成美を起用し、94年10月にスタートした。

しかし、同局の思惑とは裏腹に、関東地区での平均視聴率は、25.5%と歴代ワーストタイを記録してしまう。ただ、「おしん」も当初は、18%程度と低空飛行でのスタートということもありNHKも当初は余裕の態度を見せていた。

 だが、放送開始から半年を経た95年2月8日、番組プロデューサーにより突然発表されたのが、主演である安田の3月いっぱいでの途中降板だった。

 その理由は「肉体的・精神的疲労」というものだったが、朝ドラの長い歴史の中でも、ヒロインが途中降板し、代役が起用されるなど初めてのこと。さっそく、安田の事務所を取材すると、事実関係は認めたものの「担当者が不在」と、詳細についてはダンマリ。ただ、番組関係者によれば「食欲不振で睡眠も十分にとれなくなり、顔には吹き出物ができて、メイクで隠していた」そうで、「体重も5キロ近く落ちたため、これ以上の継続は無理だと判断したようです」という証言を得た。

ところが、3日後の10日、今度は橋田氏が記者会見を開き、NHKサイドの説明を否定した上で、

「安田さんの降板理由は、私の脚本が気に入らなかったことに尽きると思います。一面識もありませんでしたが、演技には惚れていたんですけど、人間まではわかりませんでした。女優さんが途中で(ドラマを)降りるなんてよくよくのこと。体調と仰らないで、脚本が理解できなかったと、本当のことをしゃべらせてあげたかった」

 こう打ち明けたことで、上を下への大騒動に発展したのである。

 取材を進めると、実はNHKでは安田をスムーズに降板させるため、体調不良で入院させることを画策。だが、7日のスポーツニッポンが安田降板をすっぱ抜いたことで、計画が未遂に終わり、急きょ、局側の会見となり、真実を知った橋田氏が10日に会見を開いたというわけである。

そこで長年TBSで橋田作品に携わるテレビマンに話を聞くと、同氏がひと言。

「結局は橋田さんが怖くて何も言えず、出演者との間にも立てなかったNHKの調整能力の欠如。作家も役者も表現者である以上、身勝手なのは当たり前。だからこそ、間に入る人間がうまくまとめなければいけない。そのまとめ方がNHK特有の、官僚的だったということですね。ウチの石井ふく子さんみたいなプロデューサーがいれば、まずこんな問題は起こっていませんよ」

 思わぬことから官僚体質の弊害が明るみに出た、朝ドラヒロイン降板騒動だったのである。

(山川敦司)

1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。