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平谷 美樹 『柳は萌ゆる 』(実業之日本社文庫)

幕末、盛岡藩内で貧困と重税に不満を爆発させ、頻繁に一揆を起こす百姓たち。
そして、その要求を飲むものの簡単に反故にする藩の重臣たち。
その状況を憂いた若き藩士・楢山茂太(後の佐渡)は、「百姓による世直し」を夢見、
家老となった後も、新しい世にふさわしい政の実現を志す。
しかし、ペリー来航以降、時代は激動を極め、藩も混迷の度を増していく。

幕府か新政府か、決断を迫られた東北諸藩、そして、盛岡藩の行く末は――!? 

維新の動乱に立ち向かった盛岡藩の若き家老・楢山佐渡の苦悩と
激烈なる生きざまを描く歴史巨編! 岩手日報連載、待望の書籍化! 

高橋克彦さん(作家)絶賛! 
「現代は「どう生きたか」に重きを置かれる。が、かつてこの国では「どう死んだか」の方にこそ心を大きく衝き動かされた。
楢山佐渡の名を本書で初めて知る人も多いに違いない。けれど読み終えた後には必ず楢山佐渡が胸の中に大きな存在となるはずだ。
明治維新の裏側にこういう傑物がいた。そしてこれからは生まれない美しい魂だ。
最後の章でだれしもが号泣し、美しい生き様に羨ましささえ覚えるだろう。」

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コメント: 1
  • #1

    名無し (火曜日, 21 2月 2023 09:48)

    久々に本を読んで泣いてしまった。人の「思い」とか「愛情」っていつの時代も温かいし、そういう気持ちがある人に政に関わって欲しいと願う。明治維新について授業で習うのは、どうしても国の中枢についてばかり。自分の地元に、この時代に民百姓のことを考え血の通った政治をする人がいたんだ、と初めて知りました。勉強のつもりで義務的に読み始めたけれど、今は楢山佐渡に首ったけです。もっと知りたい、子孫の方にお会いしてみたい、と思ってしまいます。武士として太く短く凛とした人生であったからこそ、未だに愛されているのかもしれない。