【遺書を託された兵からの手紙】

大石静恵ちやん、

突然、見知らぬ者からの手紙で

おどろかれたことと思ひます

わたしは大石伍長どのの

飛行機がかりの兵隊です

伍長どのは今日、

みごとに出げき(撃)されました

そのとき、

このお手紙を わたしにあづけて行かれました

おとどけいたします

伍長どのは、

静恵ちやんのつくつたにんぎやう(特攻人形)を

大へんだいじにしてをられました

いつも、その小さなにんぎやうを

飛行服の背中につつてをられました

ほかの飛行兵の人は、

みんなこし(腰)や 

落下さん(傘)のバクタイ(縛帯)の胸に

ぶらさげてゐるのですが、

伍長どのは、

突入する時にんぎやうが怖がると可哀さう

と言つておんぶでもするやうに

背中につつてをられました

飛行機にのるため走つて行かれる時など、

そのにんぎやうがゆらゆらと

すがりつくやうにゆれて、

うしろからでも一目で、

あれが伍長どのとすぐにわかりました

伍長どのは、

いつも静恵ちやんといつしよに居る

つもりだつたのでせう

同行二人

・・・・仏さまのことばで、さう言ひます

苦しいときも、さびしいときも、

ひとりぽつちではない。

いつも仏さまがそばにゐてはげましてくださる

伍長どのの仏さまは、

きつと静恵ちやんだつたのでせう

けれど、今日からは伍長どのが

静恵ちやんの”仏さま”になつて、

いつも見てゐてくださることゝ思ひます

伍長どのは

勇かんに敵の空母に体当たりされました

静恵ちやんも、

りつぱな兄さんに負けないやう、

元気を出してべんきやうしてください

さやうなら

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愛する娘を残して

空母に体当たりしていく時、

無念でならなかったことでしょう。

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コメント: 2
  • #1

    浅草 渡邉 (水曜日, 22 3月 2017 18:18)

    先人の魂に敬礼。深く深く頭をたれる。あなた方がいらしたから今のつまらん人間でも生きていられます。ありがとうございます。特攻魂に万歳。

  • #2

    終わらない思春期 (月曜日, 10 4月 2017 09:13)

    世界平和を祈ります。