信頼につなげる一流、火に油を注ぐ三流の「クレーム対応」

ちょっとした一言や仕草が顧客に不快な思いを与えている。一流の営業マンと三流の行動を比較することで、数字に直結するマナーのポイントを探っていく。

数多くの企業の営業研修に招かれて、現場の実態をつぶさに見てきた営業セミナー講師の加賀田晃さんは、住宅・リフォーム業界の現場におけるダメなお詫びの事例について次のように語ってくれた。

「新築だというのに雨漏りがしている、立てつけが悪くてドアが開かない、押し入れの結露がひどくてカビが生えてきたなど、お客さまからクレームの電話が日常茶飯事のようにかかってきます。三流の人はそうしたときに『それはウチの責任かどうかわかりません。カビが生えたっていっても、ちゃんと換気をされていましたか?』といったりして、責任逃れをしようとします。非を認めてしまうと、自分たちの責任で修理しなくてはならないからです」

そんな加賀田さんは、すぐに顧客のところへ行ってお詫びすべきはお詫びすることが、担当した営業マンの責務だと考えている。ただし、明らかに自社に責任があるかどうか不明な段階で、全面的に非を認めてしまっていいものなのかどうか、悪質なクレーマーが跋扈している世の中になっているだけに、微妙な問題が残る。そこで、一流の人がワンランク進化させ、日々実践しているお詫びの作法を教えてくれたのがマナーコンサルタントの西出ひろ子さんだ。

「クレームの電話がかかってきたら、『お客さまをご不快な思いにしてしまいましたこと深くお詫び申し上げます』とお伝えします。ここで謝罪しているのは、クレームの内容についてではなく、あくまでも不快に思わせてしまったことに対してのことなのです。しかし、その一言でお客さまは『自分の不満を理解してくれた』と感じて、ほとんどの場合、お怒りの気持ちを静めていただけるようになります。そうなれば具体的なクレームの内容をきっちりお聞きして、的確な対応を取れるようになってきます」

そして、次に状況確認のステップに移るわけだが、ダイレクトに「一つ、お伺いしたいのですが」と切り出すと、丁寧な言葉であっても、顧客には“命令”としか聞こえない恐れがある。クレームをつけにきている顧客であればなおさら、火に油を注ぐようなことは是が非でも避けたいところだ。

そこで、ぜひお勧めしたい一流の応用テクニックが「一流接客は、語尾を『!』『。』ではなく『?』で終わらせる」(http://president.jp/articles/-/16636)で紹介した“クッション言葉”の活用である。「◯◯さま、きょうはお電話をいただきまして本当にありがとうございます。誠意を持って対応させていただきます。そこで一つ、お伺いしたいのですが……」と語りかけることで、正確な状況確認につなげていくようにするのだ。

お詫びに関して、社内で“たらい回し”にすることなどなく、すぐに対応することが何よりも重要なことは誰もが認めることだろう。しかし、その意識を全員で共有できていても、ほんの些細な一言で顧客の怒りを増幅させてしまう三流の応対が後を絶たないと嘆いているのが、“接客マエストロ”としてコンサルティングや研修で引っ張りだこの成田直人さんである。

「どんな一言かというと、『エッ!それは大変申し訳ありませんでした』というお詫びの『エッ!』なのです。つい発した言葉なのでしょうが、本人の潜在意識のなかには『なんだよ、こんなこともわからずに使っていたのか。だから壊れちゃうんだよ。厄介なお客さんだなぁ』といった思いが存在しているのです。お客さまは自分が小バカにされたことにはとても敏感で、その一言を見逃しません。なかには『いまの“エッ!”ってどういう意味なんだ!』と説明を求めてくる人もいるでしょう」

一度こうなってしまうと、顧客は応対した店員がどんな弁明をしようが、聞く耳を持たなくなる。後は上司が出てきて、部下の応対の拙さを含めて顧客のクレームを全面的に引き受けざるをえないのだ。初期消火の失敗によって発生した延焼の被害は取り返しがつかないくらい甚大だ。

そのほかに注意を払うべき一言に、「~と思います」「おそらく~」「たぶん~」もあるそうだ。たとえば「たぶん故障の原因はここにあります」といわれたら、「何だか曖昧な答えだなぁ」という気がしないだろうか。残りの2つの言葉を使った場合も同じような印象を受けるはずで、なかには「いいかげんな回答はいらない。はっきりとした原因を示せ」と怒り出す顧客が出てくるかもしれない。

成田さんは店頭に出ていた際、仕入れ先メーカーの各営業担当の直通の電話番号の一覧表をポケットに忍ばせていたという。「理由は、何か不明なことがあれば正確な情報をお客さまに伝えるためです。これはクレームでも有効で、店頭でお客さまから商品についてのクレームがあったら、すぐその場で正確な情報をお伝えするために電話をして確認ができます。もし埒が明かないようだったら、電話を渡して営業担当と直接話してもらうことで、納得していただける可能性が高くなるからです」と解説してくれた。

最後に、西出さんがお詫びを締め括る一流の行動パターンを紹介してくれた。「『申し訳ございませんでした』というマイナスイメージの言葉の繰り返しで終わると、お客さまは後味が悪くなってしまいます。そこで一流の方々は『今後ともよろしくお願いいたします』『これからもご意見をいただけますと幸いです』といったプラスイメージの言葉で終わらせて、お客さまに気持ちよく帰っていただけるようにしています」という。

クレームの電話

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クレームの電話
▼三流は……
適当な言い訳で責任逃れ

クレームの電話を受けるのは気が重いし、面倒くさい。だからといって、「お客さまの使い方が悪かったのではありませんか」とか、「いましかるべき責任者が不在でして」などと責任逃れをするのは、お詫びのマナーに反する行為だ。誠意のなさを感じ取った顧客の怒りは、ますますヒートアップするはずである。その結果、本来収まるものも収まらなくなってしまう可能性が高くなるのだ。

▼一流は……
まず顧客の不快感を受けとめる

どのようなクレームの電話であっても、顧客が不快に思っていることは事実。だったら、まずは顧客が不快に思われたことについてお詫びをする。そうすれば、「この人は私のことを理解してくれている」と感じ、次第に落ち着きを取り戻してくれるようになる。それに、あくまでも不快に感じたことに謝罪しているだけであれば、仮に悪質なクレーマーであっても、下手に揚げ足を取られる心配もなくなる。

店先でクレーム対応

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店先でのクレーム対応
▼三流は……
ささいな一言が命取りにこれまたよくいってしまう

「エッ! 申し訳ありません」という言葉。これでダメなのは冒頭の「エッ!」だ。なぜかというと、その裏には「なんだ、こんなことも知らないで使っていたのか。厄介なお客さんだな」という気持ちが存在しているから。ささいな一言ではあるが、顧客はとても敏感で、「どういう意味なんだ」と突っ込まれるのがオチだろう。曖昧な印象を与える「~と思います」「たぶん~」も使わないように。

▼一流は……
「すぐアクション」で信頼につなげる

自分のクレームに対するアクションが早ければ早いほど、お客さまの気持ちも早く静まるようになるもの。デキる店員になると、自分の扱っている商品の仕入れ先の担当者の連絡先リストを常にポケットに忍ばせておき、何かあるとそれを取り出して、「いま確認しますから」と携帯電話をかけ始める。そのてきぱきとした行動が、雨降って地固まるではないが、顧客との強い信頼関係の構築につながっていくのだ。

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コメント: 20
  • #1

    吉田 (火曜日, 16 2月 2016 20:54)

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