福島孝徳 氏(デューク大学教授)

 人生は
 一に努力、
 二に努力、
 三に努力、
 全部努力なんですよ。
…………………

 福島孝徳
(デューク大学教授)

※対談のお相手は、
 南東北グループ総長・
 渡邉一夫氏です。

・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

(福島)
 私は若い時からとにかく、日本一、
 世界一になりたかった。

 そのためには普通のことをやって 
 いたらダメなんで、「人の2倍働く」
「人の2倍努力する」という方針で
 やってきました。

 普通の人が寝ている間、 
 休んでいる間に差をつけると。
 そういう姿勢で若い頃から腕を磨いて
 きたんですけど、いま71歳になって
 みると、人生は短い。

 私に残された時間はもう少ない。
 だから、一刻も無駄にできないんです。
 
(渡邉)
 いまは年間どのくらい手術を
 されているんですか?

(福島)
 600回ですね。一番の盛りは
 三井記念病院にいた43歳の時で、
 900回はやっていました。
 
 私は人間の年齢には暦の上の年齢と、
 生理学的な年齢の2つがあると
 思っているんです。

 私が本当に感心するのは、
 経団連の会長をされていた
 土光敏夫さん。

 80を過ぎても矍鑠(かくしゃく)
 としていましたよね。
 素晴らしい人でした。
 
 で、いま世界でも、例えばモスクワの
 国立ブルデンコ脳神経センターという
 ところは脳外科だけで2000床も
 あるんですが、ここの総帥が
 コノバロフという人で83歳のいまも
 毎日手術をしている。

(渡邉)
 ああ、そうでしたか。それは凄い。

(福島)
 それからローマ大学のカントーレと
 いう教授、彼もいま83ですけど、
 手術をしています。
 
 私自身、手術に関してはいまだに 
 マスターチャンピオンですよ。
 目と手は全然若い人に負けない。
 だからあと10年は大丈夫じゃ
 ないかなと思っています。
 
 これにはやっぱり天性の才能が
 少なからずあると思うんですけど、
 それ以上に膨大な数をやっています。
 
 だから、私はいつも言うんですけどね、
 人生は一に努力、二に努力、三に努力、
 全部努力なんですよ。

  ・ ・ ・ ・ ・

(福島)
 私が日本の皆様に言いたいのは、
 日本は島国で資源が何もない。

 人しかないわけなので、
 とにかく勉強して頭を使って、
 世界のどこにも負けない技術、
 産業をつくって、
 国際社会に出なさいと。
 日本だけにいたらダメです。
 
 私はいつもそうですけど、
 今回はイタリアに4日間行って
 6人助けて、日本に来て、
 上海に行って帰ってきて、
 きょうは福島ですよ。

 明日は福岡、明後日は釧路に行って、
 アメリカで1週間やって
 また帰ってきて、12月26日まで
 日本でやって、27日にバンコクに
 行って、それから1月1日にアメリカに
 行って、2月はインドですからね。

 もう全世界回っているんで、365日、
 一切休まない。休みは罪悪であると。
 体がもつ範囲でもうできるだけ
 短く寝る。

 睡眠時間は4、5時間。
 3時間でも大丈夫です。
 私にとってのゴールデンタイムは
 他でもない手術中ですよ。

 それは日本を代表しているという
 気持ちがあるからなんです。

 そして日本でも世界でも、
 とにかく患者さんから喜ばれて
 感謝される。

 これが私のエネルギーの原動力であり、
 私のモットーは3つのSなんです。

 スマイル、シンシア、サービス。
 
 目の前の患者さんに対して
 親切に、誠実に、奉仕すると。

 これはもう、どんな職業にも
 当てはまることだと思います。
………………………………………………
 
「すべては患者さんのために」

 福島孝徳
(デューク大学教授)
 &
 渡邉一夫
(南東北グループ総長)

『致知』2014年2月号
 特集「一意専心」より

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コメント: 2
  • #1

    パッパラー (日曜日, 01 3月 2015 21:34)

    努力 努力 努力 嫌です。パッパラー

  • #2

    今井 斉藤 (火曜日, 03 3月 2015 04:30)

    その通りだと思います。必ず花が咲く。日本人の心です。一生懸命 努力するのは美しい。