夢も仕事も恋愛も手が届かない 韓国「七放世代」の絶望

韓国で若年層の就職難が深刻だ。大学卒業後も何年にもわたって、就活を継続する若者も多くいる。彼らは経済的に困窮し、「恋愛」「結婚」「出産」「マイホーム」「人間関係」「夢」「就職」の7つを諦めざるを得ない「七放世代」と呼ばれている。背景には中小企業と大企業の収入格差がある。生涯収入では2倍以上の収入格差が存在するため、若者は大企業に殺到し、結果的に多くの就職浪人を生んでいる。(Yahoo!ニュース編集部)

大学を出ても就職できない

「結婚は33、4歳くらいまでにしたい。出産も40歳前にはしたい。親孝行もしたいです。でもその前に働かないと…。焦りを感じています。新卒は毎年生まれていてライバルはどんどん増えていくんです。自分は年を取っていくばかりですから」

出版業界を志望しているナ・ウンギョンさん(27)、大学卒業後、就職活動を5年続けている。ここ2年間で大手出版社を中心に50社以上に応募したが、ほとんど書類選考で落とされ、面接まで進めたのは3件だ。現在はアルバイトで貯めた貯金を切り崩してなんとか生活している。

こうした就職浪人は韓国では珍しいことではない。現在、韓国では就職活動に失敗し、貧困状態にある若者たちが急増している。彼らは「恋愛」「結婚」「出産」「マイホーム」「人間関係」「夢」「希望」の「7つを諦めた(=手放した)」ことから「七放世代」と呼ばれている。