【モスバーガーのおばちゃんの話】
モスバーガーってご存知ですか。
...
日本でただひとつの、日本生まれのハンバーガーチェーンです。
作り置きをせず、すべて注文を受けてから作ります。
スタッフの人もおばちゃん、おじちゃんが多い。
高校生や大学生のバイトと違ってとても自然体なんです。
ある日の夕方、いつものようにテリヤキバーガーを頬張りながら、
なんとなくカウンターの方をみていると、若い女性がやってきました。
『モスバーガーください。ソースは多めで。
タマネギは抜いてください』
よくある注文です。
しかし、それに対する返事がよくある返事ではなかったのです。
おばちゃんアルバイトのその店員さんは、
『あんた、タマネギ嫌いなの? 若いうちから好き嫌いはだめよ。
タマネギは栄養の宝庫なのよ。あんた、まだ独身でしょ。
これから結婚して子供を生んで、旦那さんの面倒見ていくのに、
栄養つけなきゃだめ。
ちょっと火を通しといてあげるから食べてごらん。
だまされたと思って。ほんとにおいしいのよ。いいわね。」
その女性、あっけにとられて、思わず、
『はい。お願いします。』
・・・窓際のカウンターで食べ始めた彼女の目に、
涙が浮かんでいるのに気付きました。
やっぱりタマネギが辛かったのでしょうか・・・
想像するに、彼女、多分東京で一人暮らしをしているのでしょう。
一人だけの侘しいハンバーガー・ディナー。
それが、おばちゃんアルバイトの一言で心温まる時間になった。
長いこと誰からもこんな言葉をかけてもらった事が
無かったんじゃないかな。
嬉しかったんだ、きっと。
帰り際のカウンターで、
『ご馳走様でした。すごく美味しかった。
また来ますから、タマネギお願いします!』
『いいわよ、いつでもいらっしゃい。
でもハンバーガーばかり食べてちゃだめよ』
『えっ、お店の方がそんなこと言っていいんですかぁ(笑)』
『あらっ、そうね。今の、店長には内緒よっ!(笑)』
帰っていく彼女の後姿、来た時よりもずっとずっと
元気に見えました。
ザ・リッツ・カールトン・ホテル
日本支社長 高野登
【心に届く「おもてなし」】 より
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モスバーガーは一番好き。
注文してから作るってのがいいよね。
いい空気も作っちゃうんだぁ。お買い得だね・・・
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